卒業式

 今週は充実し、かつ忙しい日が続いたが、最大のイベントは16日の卒業式だった。
 大学にはいろんな行事があるが、卒業式は入学式と並んで最も重要な式典である。学生たちは大学院、学部、専攻科、短大それぞれの昭和女子大学での勉学を終えて、人生の新しいステージに踏み出す。わたしも自分でできるだけのことをして、卒業生を祝う気持ちを表そうと努めている

 その一つが学位記、修了証書を一人ひとりに手渡すことである。学生一人一人に「がんばったわね」という気持ちを込めてアイコンタクトをして「おめでとう」と言って渡している。午前1時間、午後1時間15分ほど立ちっぱなしとなるので足は疲れる。しかし、学生たちが目を合わせニッコリして受け取ってくれるとこちらの気持も明るくなる。
 もう一つは式辞である。卒業するときに学長がこんなことを言っていたなと思いだしてくれるような、心に届く言葉を贈りたいとわたしなりに心をこめて準備している。
 自分としてベストを尽くしていても誉めてくれる人はないのだが、今年はあるお母様が「今まで3人の子どもの卒業式に出ましたが、式辞で涙が出たのは初めてでした」と言ってくださった。そういえば昨年も大学院を卒業した人に何ヶ月か経って「私たちをこんなに大事に思ってくださるのだと感激しました」と言ってもらえた。(何年か前には「慣れていらっしゃるから時間どおりでしたね」と褒められて(?)がっかりしたこともあるが)

 卒業式の後、NPOで子育てボランテイアをしてくれた学生に感謝状贈呈。その後、ハーバードの学長のディナーに出席するため三軒茶屋に向かうが、駅に行く間も卒業生が「一緒に写真を」と言ってくれる。ロングスカートにスニーカーという珍妙なスタイルで記念写真。
 今回初めてガウンを着て式に出席したが、8時間近く着続けていると重くて肩がこるとはいえ、大学らしくていいかなと思う。学生たちは足元も姿勢もよく、立派に見えた。