新歓オリエンテーション・夕食会

 私の通勤路も桜が満開から花吹雪へと移り美しい。先週は新入生のオリエンテーションが各学科で行われた。朝の通学時間帯に他大学のクラブへ勧誘する学生がチラシを配っている。私が学生のころ(大昔ですが)も同級生の男子学生たちはせっせと女子大生を合コンに誘っていたのを思い出す。

 夕方5時半から7時まで毎日3学科ずつ新入生歓迎夕食会がおこなわれているので、ソフィア(学食)、大会議室、中会議室と3会場を回る。

 メニューは1学科を除き全部同じだが、会を取り仕切る上級生の影響か、学科によりかなり雰囲気が違う。会話したらシールを渡すなど会が盛り上がる工夫をしている学科、上級生がテーブルをたわしで磨いて新入生を迎えた学科、ダンスや歌で歓迎する学科、教員紹介に工夫をしている学科などそれぞれ頑張っている。新入生の中にはこってり厚化粧で、派手な服装が目立つ学科もあれば、お洒落でも落ち着いた感じの学生が多い学科もある。似合わないファッションをしている学生には注意してあげたくなるが、きっと失敗から学んでいくと期待しよう。ある学科だけがスピーチも聞かずさわいでいる学生たちがいたのでこれは注意しなければと決心して叱ったが、歓迎会なのにとあとで反省。聞くべき時は聞く、騒いでいいときは騒ぐ、とメリハリをつけるように誰かが憎まれ役になっていわないと気がつかないまま野放図に過ごしてしまうのではないか、と思ったのだが叱るのはエネルギーがいる。授業も同じである。どの教員も「自分の授業では私語、携帯、居眠りはさせない」と気迫をもって臨んでほしい。

 新入生の中に私の本を本屋の店員さんが勧めてくれたので読んだと言ってくれた学生、私の講演を聞いた指定校の学生がいて、心がなごむ。わたしが出たテレビを見たという学生がたくさんいて驚くが、本を読んでくれる方がうれしい。昨日も地下鉄の中で未知の若い女性に声をかけられ「わたしの本によって仕事を続ける気力を取り戻した」と言ってもらえて著者冥利に尽きる思いをした。