「冠奨学金」のことを知っていますか [2017年07月14日(金)]

 昭和女子大学にはいろいろな種類の奨学金があります。日本学生支援機構奨学金第一種、二種に加えて、大学からの奨学金も人見記念奨学金(給付型)をはじめ12種類があります。また、同窓会からも三種類の奨学金の給付をしてくださっています。(2017年7月14日現在)

 最近、奨学金問題が取り沙汰されていますが、本学からの奨学金の内6種類を占める冠奨学金はすべて給付型で、主に個人の皆様からのご寄付を得て、大学等を通じて、本学の日本人学生や外国人留学生に支給しているものです。今回は、それらを紹介してみたいと思います。冠奨学金は、ご寄附くださる方のご意思を尊重して、金額、対象者、受給資格などが決まります。以下はその内容です。

  1. 学業以外のクラブ・サークル等の課外活動や、学生個人の自主活動で芸術・スポーツなどに於いて優れた業績をあげた学生、または団体への奨学金
  2. 初等教育学科、健康デザイン学科または管理栄養学科を卒業し、本学大学院修士課程に進学する学生への奨学金
  3. 日本語日本文学科の学生で、広く日本文化と関わりのある領域に於いて優れた活動あるいは業績を示した学生、または団体への奨学金
  4.  SWU Academic ProgramやSWU Intensive Japanese Language Programを利用して本学に留学する外国人留学生で、インドネシア・カンボジア・シンガポール・タイ・フィリピン・ブルネイ・ベトナム・マレーシア・ミャンマー・ラオス・東ティモールに国籍を有する学生、または上記の国の大学に在籍する者への奨学金
  5. ビジネスデザイン学科、または、現代教養学科の学生で1セメスター以上、ボストンを含む長期留学プログラムに参加する、ひとり親、または両親のいない学生への奨学金
  6. 申請時に卒業に要する単位を110単位以上履修済みで、就職または大学院進学が決定している者で、11月末時点で学費未納の学生への奨学金

(冠奨学金の1つ「平尾スカラシップ」の対象となる「SWU Intensive Japanese Language Program」での授業の様子)
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 こうして本学の学生のために、たくさんの奨学金を頂けることは、本当に幸せなことです。
冠奨学金だけではなく、どのような種類の奨学金であっても、精進と幸運の結果、奨学金を頂けることは、大変な名誉なことです。ご援助くださる方々に感謝して、必ず、さらなる成長を遂げて欲しいものですね。

「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」って何ですか? [2017年07月07日(金)]

 「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」は、2013年10月から文部科学省が、意欲と能力ある日本の若者に、海外留学などの新しいチャレンジに自ら一歩を踏み出す気運を醸成してもらうことを目的に開始したプログラムです。

 政府だけでなく、民間企業等からの支援や寄附などを基に、将来世界で活躍できるグローバル人材の育成を目指して、官民協働で行っています。「日本再興戦略~JAPAN is BACK」(2013年6月14日閣議決定)で掲げられた、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年までに、海外留学生数を、大学生12万人、高校生6万人へと倍増することを目指しています。

 「トビタテ!留学JAPAN」の代表的なプログラムが、「官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム~」で、これは2014年から実際の海外での研修がスタートしました。

 世界のあらゆる所でグローバル化が加速し、情報通信等の技術革新で、人間の生活圏がどんどん広がっています。また一方では、貧困や環境・エネルギーといった多くの課題も抱えています。日本も積極的にそうした問題に取り組まなければなりません。そのためには、異文化を理解し、尊重するグローバル意識を持ち、既成概念にとらわれず、チャレンジ精神を持つ人材が必要です。そのための有効な手段の一つが、海外留学です。若者たちが社会に出る前に日本から飛び出して、広い世界を肌で感じ、外から自分自身や日本を見つめ直すことは、これからの時代を生き抜く力を身に付けるためのかけがえのないチャンスです。

 2020年までに「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」では約1万人の高校生、大学生を派遣留学生として送り出す計画だそうです。

 昭和女子大学からは3期生を除いて、毎年日本代表が選出されています。
 

(採択された計画の詳細)

年度 所属学科 内容 期間 留学先
2014 1 歴史文化学科 国内外のより多くの人々に日本の伝統芸能・文化業界を繋ぐ橋渡しに貢献する。 9カ月 イギリス・アメリカ・インドネシア
2015 2 健康デザイン学科 「和牛」を海外に広めるための方策を考える。 8カ月 イギリス
2016 4 ビジネスデザイン学科 日本の働くママが輝く社会を実現するために。 9カ月 イギリス、デンマーク
2016 5 初等教育学科 カンボジアの子ども立の生活の質向上のため、小学校の教材を開発。 13カ月 カンボジア
2017 6 歴史文化学科 ユニバーサル・ツーリズムを学び日本で奨励促進する。 6カ月 カナダ
2017 7 ビジネスデザイン学科 Cacao Angel Project~1粒が創る子どもの未来~チョコでちょこっといい明日を。 3カ月 フィリピン

 既に帰国した学生達は、それぞれの専門を活かして、たくさんの収穫を得ています。第6期の学生は、今年の5月に日本を出発しました。卒業後はユニバーサル・ツーリズムの会社を起業するのが夢だそうです。頼もしいですね。国際交流課(CIE)のホームページに第8期の募集が掲載されていますので、興味がある方は、是非チャレンジしてみてください!

 国際交流課(CIE)のホームページに第8期の募集ページ

 昭和女子大学附属高等部の生徒も、是非、挑戦してくれることを願っています。

昭和女子大学のプロジェクトって、どんなことをしているの? [2017年06月30日(金)]

 昭和女子大学は、グローバル教育とキャリア教育に大変力を入れています。その両方で大きな成果を出しているのは、学生の皆さんが、自分の夢に向かって力いっぱいチャレンジしてくれているからです。

 そのチャレンジ精神を培うプログラムが昭和女子大学の様々なプロジェクトです。現代ビジネス研究所、昭和デザインオフィス、地域連携センター、サービスラーニングセンター、そして授業のゼミの中でもいろいろなプロジェクトが行われています。今年は、全部で110以上が進行中です。

 本学のプロジェクトでどんなことをしているのかを知っていただくために、今日はその中から2つをご紹介しましょう。

 まずは、現代ビジネス研究所の「キャリアママインターンシッププロジェクト」です。2016年の12月から始まったこのインターンシップは、大学生が共働き家庭を訪問して育児を体験し、夫婦で仕事と子育てをどう両立しているかを学ぶものです。まず本学の附属初等部に通う子どもを放課後の児童クラブにまず迎えに行きます。そして、習い事があればそこに、なければ自宅まで送って、親が戻るまで一緒に過ごします。学生たちは、そうした中で、母親が仕事と子育てを両立している姿に接しながら、その方法を直接母親に聞いたりするなど、ワーキングマザーと出会うことで人生の選択肢を広げる気持ちが芽生えたりするのだそうです。自分の子ども時代の家庭やその頃の友達の家庭を思い出すと、子どもが出来たら、自分も仕事を辞めることになるのかなと思っていた学生も、夫婦が互いに協力し合えば、仕事と子育てを両立できそうだと考えるようになったそうです(参考:朝日新聞)。

(キャリアママインターンシップの様子)
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 このプロジェクトは日本経済新聞、朝日新聞で報道され、韓国のKBSテレビの取材も受けたそうです。また、来年度の「内閣府少子化社会対策白書」にも掲載される予定になっています。

 また、昭和デザインオフィスでは、日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社と健康デザイン学科『輝け☆健康「美」プロジェクト』チームとのコラボ企画の商品を5月31日から発売しました。「たっぷり野菜のチキンラップ ごぼう&ひじき」(三軒茶屋店、新宿店、新宿南口店、新宿西口店で販売)と、「たっぷり野菜のチキンラップ チェダー&ハニーメイプル」(三軒茶屋店、恵比寿駅前店、渋谷道玄坂店、中野店で販売)です。『輝け☆健康「美」プロジェクト』チームでは、次から次へとヘルシーでしかもおいしい物を企画して、様々な企業とのコラボで世に送り出しています。

(日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社とプロジェクト参加学生の打ち合わせの様子)
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 もちろん、プロジェクトは、すんなりと一筋縄で簡単に完成するものではありません。しかし、課題にぶつかる事こそが、学生達の成長のきっかけになります。どんなプロジェクトでも経験を積んだ社会人や、企業人からみれば、厳しいコメントをいただくこともあるでしょう。苦しいけれども、そこを乗り越えて、目指しているものを達成した時、それがたとえ小さな成功でも、学生達を大きく成長させてくれます。こうした経験が、それぞれのキャリアをグローバルな視点で考える力になっている一つの大きな要因ではないでしょうか。

 是非、皆さん、これからも昭和女子大学のプロジェクトにご注目ください。

昭和女子大学大学院ってどんなことをしているの? [2017年06月23日(金)]

 昭和女子大学の大学院は男女共学です。文科系と生活科学系を軸に、多彩な専攻や、柔軟性に富む博士課程が開設されています。

(昭和女子大学大学院構図)
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 文学研究科には、博士後期課程として、文学言語学専攻が、博士前期課程として、日本文学専攻、英米文学専攻、言語教育・コミュニケーション専攻、があります。博士後期課程の文学言語学専攻も実は日本語日本文学領域、英語英米文学領域、言語教育学領域に分かれていて、言語教育コミュニケーション専攻ならび文学言語学専攻には、日本語教育講座と英語教育講座がそれぞれ置かれています。

 また、生活機構研究科には、博士後期課程の生活機構学専攻と、修士課程として、生活文化研究専攻、心理学専攻、福祉社会研究専攻、人間教育学専攻、環境デザイン研究専攻、生活科学研究専攻があります。生活機構研究科の生活機構学専攻も、生活文化研究領域、人間社会研究領域、生活科学研究領域の3領域に分かれています。また、修士課程のうち、心理学専攻には、臨床心理学講座と心理学講座が、環境デザイン研究専攻には、建築環境系研究コース、プロダクト系研究コース、衣環境系研究コース、デザイン企画研究コース、生活科学研究専攻には、食・栄養コースと実践栄養コースがあります。すべて合わせると11専攻に加えて、さらにそれぞれの専攻の多くが、コースや講座、領域を持っていることになります。

 また、大学院附属の研究機関として、近代文化研究所、女性文化研究所、国際文化研究所、生活心理研究所、女性健康科学研究所も設立されています。

 平成元年大学院文学研究科に博士課程が、生活機構研究科博士後期課程が開設されて以来、
 文学研究科では課程博士12名、論文博士14名を、生活機構研究科では、課程博士67名、論文博士60名を輩出しています。文学研究科では『人口内耳装用児の言語学習活動 事例による授受表現の学習』とか、生活機構研究科では『イレズミの近代史―日本、台湾、沖縄、アイヌにおけるイレズミ禁止政策―』等、いったいどんな研究だろうと興味を惹かれる研究もたくさんあるようです。本学の図書館には、提出された修士論文と博士論文が収集されています。学生の皆さんは是非、一度、ご覧ください。卒論を書く方は、チェックしてみる価値がありますよ。

 少人数の徹底した指導を受けることができ、夜間でも受講生の都合によって開講時間を合わせることが可能な場合もあります。仕事をしている方でも、うまく時間を作れば、自分のテーマを追求することが出来ますよ。卒業生の皆さんにも、もう一度、学んでみたいと思われたら、是非、下記のWEBのホームページをご覧いただければと嬉しいです。

昭和女子大学大学院ホームページ

昭和女子大学大学院デジタルパンフレット

一芯二葉 [2017年06月16日(金)]

 先日、東明学林のお茶を学長室にいただきました。東明のお茶を味わうのは初めてでしたが、新茶の香りと甘みのあるとてもおいしいお茶でした。このお茶がどのようにしてできたのかを知りたくて、関係の部署から情報をいろいろいただきました。
 
 昭和52年に東明学林が開設となり、お茶の木を植え、昭和57~58年ごろから、附属の中学1年生の5月上旬の学寮の労作奉仕で茶摘みを始めたそうです。それから今日までずっと茶摘みは恒例行事になっているとのこと。初等部の児童も田園学寮で少量ですが、茶葉を収穫して、学寮のホットプレートで炒って新茶を味わうそうです。また、大学の生活科学科で、かつてはこの茶葉を利用してティーバックを作ったこともあったのだそうです。

(附属中学校の生徒による茶摘みの様子)
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 「一芯二葉」とは1本の枝先から2枚までの柔らかい葉を摘むことを指します。お茶の木の枝には、先端にまだ葉が開いていない「芽」のままの「芯」と呼ぶ部分があって、そこから下方に交互に葉がついています。とても新鮮で柔らかい葉です。紫外線をあまり浴びていないので、カテキンがまだできていないので、渋みもありません。だから、甘い味のするお茶になるのだそうです。新茶は生まれたばかりの茶葉2枚しか使わない贅沢なお茶なのですね。玉露や高級な煎茶も一芯二葉で作られるそうです。「一芯三葉」、「一芯四葉」、「一芯五葉」と続き、次第に一般的なお茶になるのだそうです。
 
 生命力の強いお茶の木は、一度芽を摘んでも、また新しい芽を出します。通例、1年に3回程茶摘みを行うそうです。先に玉露や煎茶の高級品は「一芯一葉」で摘んだものと書きましたが、その条件に加えて、京都では4月下旬から5月下旬の一番茶のみが高級な玉露となり、6月中旬から7月上旬の二番茶は煎茶と呼ばれるようで、いろいろと厳しい約束があるようですね。

 最近は、健康に良いという評判から、海外で日本茶がブームになっています。日本では急須で入れる日本茶よりもペットボトルのお茶の方を良く見かけるようになりました。アメリカではスターバックスがティバーナというお茶の店を2013年にニューヨークに出店し、煎茶や玉露なども提供し、アメリカ国内で良く見かけるようになり、日本でも2016年からスターバックス店内にティバーナがオープンしたそうです。

 私がサンフランシスコに留学していた時に、お世話になっていたアメリカ人のお宅の家族の皆さんに、日本から持参した抹茶をバニラアイスに混ぜ込んで、これはとてもおいしい日本のアイスクリームだからと勧めた時、ヒキガエルのアイスか?と気持ち悪がって全く手を付けなかったことを思い出します。

TUJって何のこと? [2017年06月09日(金)]

 TUJはTemple University Japan Campusのことで、1982年開校のアメリカの「外国大学の日本校」です。Temple Universityは1884年創立のペンシルベニア州立の総合大学で、4万人に近い学生数で全米の公立4年制大学中31位の規模だそうです。TUJでは本校から承認された教授陣が、本校と同じカリキュラムで教え、本校の学位が取得できます。

 実は私はTUJの卒業生でもあります。1992年に、昭和女子大学の勤務を続けながら、その頃は高田馬場の近辺にあった校舎で、夜間や週末に学び、英語教育学の博士号を取得しました。TUJにおいて、英語教育の分野では、日本人初の博士号取得者だったそうです。

 そのTUJが2019年の秋に、昭和女子大学の西にキャンパスを移転することが6月5日にプレス発表されました。現在の西キャンパスの新体育館とプールを取り壊し、新たに地上6階立ての校舎を建設して、その3分の2程度をTUJが使用します。もちろん、新しい体育館も、プールもできます。

(6月5日記者会見の様子)
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(2019年9月完成予定の新校舎完成予想図)
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 本学は1920年に教師5名、学生8名で始まった大学ですが、現在は、大学生約5,600名、こども園からBSTまで合わせると、約7,000名が集うキャンパスになりました。1988年には、アメリカ、マサチューセッツ州ボストンにShowa Boston Institute for Language and Cultureを設立し、以来、毎年500名近い学生がShowa Bostonに留学しています。また、文科省から私立の女子大学で唯一、「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」に採択され、昨年までの5年間数々のプログラムを実施しグローバル化の進展に拍車がかかりました。

 TUJの移転に先立って昨年の秋学期から、単位互換プログラムも始めています。プログラムはTUJに在籍する「認定留学」と、本学に在籍したまま空き時間を利用して科目等履修により単位を得る2つの方法があり、もう既に昭和の学生が現在のTUJ麻布校舎で学んでいます。TUJには世界60カ国から学生が集まっているそうで、男子も含めて様々なバックグラウンドを持つ学生さん達に、本学の授業、例えば、日本の歴史や文化、日本語等を昭和の学生と一緒に学べるような仕組みも検討中です。TUJが西キャンパスに移転すると、本学の飛躍的なグローバル化はもとより、伝統的な女子大学の文化を保ちつつ多様化を図るという、新しい大学の教育スタイルの提案になるであろうと様々なメディアからも期待されています。

「まなびの広場」って知っていますか。 [2017年06月02日(金)]

 昭和女子大学では、いつも100件以上の学生主体のプロジェクトが進行中です。現代ビジネス研究所、地域連携センター、コミュニティサービスラーニングセンターやゼミ授業などを中心に進められています。その中で、地域連携センターは、教員・学生の地域研究・活動を推進すると同時に、地域の人的資源を活用し、産官学連携を推進することを目的とした機関です。昭和女子大学の教育研究資源を提供して、地域や企業と共同で教育研究活動に取り組み、社会と一体となり、信頼・支持される学園を目指すもので、大学の地域貢献の一環でもあります。「まなびの広場」は地域連携センターの活動のひとつ。世田谷区と昭和女子大学の包括協定に基づいて、世田谷区教育委員会と提携して進めています。

 外国につながる中・高校生の日本語や教科の勉強をサポートする活動が、「まなびの広場」です。学生が執筆したブログ(http://content.swu.ac.jp/chiiki-renkei/category/community_pj/manabi/)によると、専門が異なる学科の学生や院生が平日の夕方や土曜日の午後に、漢字の学習や日本語の理解不足のために解くのが難しい数学、社会、理科等の問題の答えを、生徒と一緒に考えるボランティア・グループです。教員免許取得の見込みが無い学生でも参加が可能で、得意な科目だけ、たとえば、英語とか国語などを教える学生もいたそうです。勉強のサポートだけでなく、子どもたちと一緒の体験活動も、とても楽しく、教える者同士が学び合いながらみんなで学習の場をつくっています。

(2016年度の活動の様子)

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 具体的に、どんなことをするのかは同上のブログに次のように書かれています。日本とニュージーランドで公式の覚え方が違う三角関数を教えたり、問題文を読んで、教科書の中から該当部分を自分で探せるようにしたり、読めない漢字や文章の意味を掴みきれないところを解説しました。指導したメンバーは、前学期に比べると生徒が、漢字が書けるようになっていて成長したことがとても嬉しかったという感想を書いていました。また、レポートや日記を書くときに、日本人が学ぶ場合はあまり苦労しないことかもしれませんが、書き言葉と話し言葉が混ざってしまうところがあり、その区別を教えることも多かったようです。

 夏休みには、宿題でわからない所を指導します。因数分解や展開は、ちょっと難しく、かつて自分も勉強したことを思い出しながら、頑張ったということです。数学をもっと勉強しておけば良かったと思ったとブログに書かれています。

 地域連携センターのグローカル・プロジェクト「三茶子育てファミリーフェスタ」は、毎年昭和女子大学のキャンパス内で開催されます。昨年「まなびの広場」では「世界の遊びを体験しよう!」コーナーを作りました。

・ジャガイ(羊の骨を使ったモンゴルの伝統的な遊びと占い)
・カンボジアのジャンケン、マフラー落とし(ハンカチ落とし)
・ダックダックグース(ニュージーランドのハンカチ落とし)

 を、外国につながりのある子ども達や大学院の留学生が来場者に教えました。カンボジアとニュージーランドのハンカチ落としは大人気で、とても盛り上がりました。

 生徒たちの保護者の方からも「日本語が分からず辛い学校の勉強も、まなびの広場の皆さんのお陰で頑張って続けることが出来ます。」と嬉しいコメントもいただいています。

 同窓生の方で、お時間に余裕がある方も、是非、ボランティアにご参加ください。また、お知り合いで外国につながる方がいらして、大学生や、大学院生に勉強のお手伝いをしてほしいと考えていらっしゃる方がおいででしたら、是非、この活動を紹介してくださると嬉しいです。

 興味がある方は、地域連携センター(03-3411-5522)までご連絡ください。

7人の妖精 [2017年05月26日(金)]

 昭和学園のキャンパスで学ぶ、子ども園、初等部、中高部の園児・児童・生徒の中には、時々居場所を変えて、植え込みに隠れていたり、木の蔭から顔をのぞかせている7人の妖精(の人形)を見つけるのを楽しみにしている人もいます。

(式典の際に全員集合した7人の妖精(の人形))
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 実は、皆さんが知っている妖精は、ディズニー映画の『白雪姫と7人のこびと』のお話に出てくる、7人、Doc(ドック:先生)、Grumpy(グランピー:おこりんぼ)、Sneezy(スニージー:くしゃみ)、Sleepy(スリーピー:ねぼすけ)、Bashful(バッシュフル:てれすけ)、Happy(ハッピー:ごきげん)、Dopey(ドーピー:おとぼけ)ではないでしょうか。この7人は、ディズニーがアニメ映画製作のために創作した妖精たちなのです。

 古くから、ヨーロッパでは童話や民間伝承の中に、妖精が良く出てきます。ドイツのグリム童話にある『白雪姫』に出てくるsieben Zwergeは英語ではdwarf (ドワーフ)と言います。そして、民間伝承に出てくるドワーフは、gnome(ノーム)と呼ばれる土の妖精と関係が深いと言われています。ノームは、古代ギリシャでは、土の妖精でした。世界は火、水、空気、土の4大元素からできていて、それぞれに妖精が住んでいると考えられていたからだそうです。

 ヨーロッパでは、土の妖精ノームは地下に住み、地中を自由に移動し、地下に眠る財宝を守ると信じられていました。ノームは身長15センチ、400歳くらいまでは元気に生きるのだそうで、庭を守る番人として、庭先にノームの人形が良く飾られているのだそうです。本学にいる妖精達もランタンを持ったり、スコップを持ったりしていますね。

 ヨーロッパには他にもいろいろな妖精がいて、研究もおこなわれています。本学でも長くお教えいただいていた英文学者、東京大学名誉教授の平野敬一先生もその研究者のお一人でした。私は昭和で『マザー・グースの唄』を教えていただきましたが、先生は1992年に『妖精事典』も翻訳されています。ケルト圏とイギリス、ヨーロッパに伝わる400種類の妖精のことが書かれていて、さらに、妖精や妖怪と出会った人の体験も書かれています。日本でも水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』は一大ブームを引き起こしましたが、ヨーロッパの妖怪の話も、とても面白いですよ。

昭和のこのシンボルマークは何でしょう [2017年05月19日(金)]

 昭和のこのシンボルマークは何でしょう?

【高画質】ロゴ文字下付き - コピー (2)

 飴玉?手毬?ビー玉?地球?いろいろに見えますね。

 これは、昭和女子大学の附属研究所として2014年11月1日に開設された、現代教育研究所(http://iome.jp/)のシンボルマークです。8つの研究グループがそれぞれのテーマで研究を進めると同時に、研究所全体としてさまざまな研究課題に取り組んでいくという趣旨を表しているそうです。

 よくロゴとかロゴマークなどという表現を使いますが、調べてみると、冒頭の写真は、シンボルマーク。これに下のロゴタイプが加わると、全体がロゴマークと呼ばれるそうです。

(現代教育研究所のロゴタイプ)

【高画質】ロゴ文字下付き - コピー

(現代教育研究所のロゴマーク)

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 さて、現代教育研究所では「今日的教育課題」について、主に乳幼児教育から中等教育段階までを中心とした教育についての調査研究・実践を行うことを目的としています。また、本学の基盤であるトルストイ教育や私学教育の研究も進めています。

 それでは、「今日的教育課題」として、どんなことが挙げられるのでしょう。

 文部科学省は「現在の教育に関する主な課題」の中で、教育の目標の実現として、既に10年前から以下のような課題を挙げています。

(「現在の教育に関する主な課題」文部科学省HPを参考にしました。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo7/shiryo/07081503/003.htm

①子どもの学力
 国際的に見て全体的に上位にはあるが、読解力などは低下傾向。世界トップレベルとは言えず、学ぶ意欲や学習習慣が十分でない。

②規範意識
 小・中学生の規範意識の低下や、高校生の規範意識が米国や中国と比較して低い。

(参考)掃除当番などクラスの仕事をさぼることについて「よくある」「ときどきある」と答えた児童生徒の割合

 平成11年  小学生  7.9%    中学生 15.7%
 平成18年  小学生 10.3%     中学生 20.1%

③青少年の自然体験
 昆虫採集や登山など、自然体験のない青少年の割合が増加。

④読書活動
 中学生・高校生で1ヶ月に1冊も本を読まない生徒が多いなど、子どもの活字離れが指摘されている。

⑤子どもの体力
 昭和60年頃から長期的に低下傾向。学校・家庭・地域の連携が必要。

⑥食育の推進
 偏食、朝食欠食など、子どもの食生活の乱れ、肥満傾向の増大など健康への影響が問題。

⑦優れた芸術文化に触れる機会
 学校や地域で、子どもたちが身近に伝統文化や現代の文化芸術に触れる機会が少ない。

 現代教育研究所が、こうした課題の解決に向けて活発に取り組み、将来、日本を背負って世界で活躍する子ども、児童、生徒たちのこれからの教育について、さまざまな発信をしてくださることを期待しているところです。

祝歌 [2017年05月12日(金)]

 昭和女子大学は今年創立97周年を迎えました。3年後には100周年を迎えます。
 小学校、中学校、高等学校、大学と、普通はあまり自分の卒業年度を覚えていないものですが、本学では、よく覚えている卒業生が多いようです。その理由は、祝歌があるからではないでしょうか。毎年、該当の年が創立何年にあたるかを、少なくとも、入学式、創立記念日、卒業式には祝歌の歌詞に入れて歌うからです。数字の読み方には、少し戸惑うこともあるのですが、今年は、「ああ、きゅうじゅうしちねん」と歌っています。

 昭和15年10月26日に、本学の「創立20周年記念祭」が神宮外苑の日本青年会館で行われたと記録されています。この折に、「創立20周年祝賀の歌」として発表されたのが、現在の「祝歌」です。「校歌」は、日本の国でたとえれば、「国歌」にあたるもので、正式な式典では必ず歌いますが、その他の会合や集まりでは、「第二校歌」とも呼ばれる「祝歌」を歌っています。

(昭和15年10月26日に行われた「創立20周年記念祭」)
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 その作詞は、創立者人見圓吉先生、そして作曲は権藤圓立(えんりゅう)先生です。
 権藤圓立は、宮崎県の延岡市の真宗大谷派の光勝寺に生まれ、東京音楽学校(現在の東京芸術大学)で声楽を学びました。宮崎県では初の声楽家と言われてます。大正11年、野口雨情と出会い、雨情の媒酌で結婚。夫人である権藤はなよは、童謡「たなばたさま」の作詞者です。大正14年に東京放送局(現NHK)が開局された折には、記念番組で歌曲や童謡を歌い、レコードもたくさん出されています。一方、同時代に、人見圓吉は人見東明として文学界で活躍され、野口雨情とも親交が深く、たとえば、大正9年には「雨情の東京復帰歓迎会」を小川未明、西条八十、窪田空穂などと共に開催したりしていました。昭和女子大学の前身、日本女子高等学院が生まれたのも大正9年。定かではありませんが、権藤圓立とは、少なくとも顔見知りであったのではないでしょうか。

 権藤圓立の自筆の「祝歌」の楽譜と歌詞が書かれた曲譜の写真が、『学園の半世紀』に掲載されています。

(権藤圓立の自筆の「祝歌」曲譜 『学園の半世紀』より)
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 墨で書かれた五線譜はとても珍しいですね。そして、圓立の雅号は「里芋」と書かれています。「リウ」と読むようです。また、昭和38年に行われた光葉会総会では権藤圓立先生の指揮で祝歌を歌いました。

(昭和38年 光葉会総会にて祝歌の指揮をとる権藤圓立先生 『学園の半世紀』より)
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 権藤圓立は、小・中・高校や大学の校歌、応援歌などの作曲も手掛けられ、本学と同じ世田谷にある駒沢大学の校歌も作曲されています。高校野球のTV中継では、出場校の校歌の紹介がありますが、その中に権藤圓立作曲という紹介見ることもあります。昭和の「祝歌」、100年はどのように歌ったらよいのかな、ちょっと心配ですが、これからも力強く歌い続けていきましょう。