2016年4月

昭和のカラス [2016年04月28日(木)]

 家族や仲間と住み着き、渋谷の繁華街に通勤して毎日御馳走を食べ、夕方になるとまたねぐらのある本学のキャンパスに戻ってくるカラスのお話です。

 かなり昔のことになりますが、前期の後半頃です。担当の授業が始まる前に少し時間があったので、ちょっと外の空気を吸おうと思い、教材等を持ったまま3号館4階の東側非常階段の扉を開けた途端のことでした。カラスが突然ガーガーと鳴き、校舎側から威嚇してきました。突つかれそうになり、とっさに屋上へと階段を上がって難を逃れたのは良いのですが、そのカラスが4階の階段の手すりのところからずっと見張っていて、頑として動かないのです。屋上から教室のある下の階になかなか降りることが出来ず、冷や汗をかきました。

学内にいるカラス
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 日本で良く見かけるのは、黒色のハシブトガラスとハシボソガラスだそうですが、その時のカラスは、確か、まっ黒で猫ほどの大きさがあり、太いくちばしをしていました。きっと、ハシブトガラスに違いないと思います。カラスは雑食性で頭が良く、犬よりも知能が高いとそうですが、とにかくその時のカラスは羽も艶々していて大きかったです。ちょうど、繁殖期で子どもが巣立つ時期にかかっていたのか、カラスの方も警戒心が非常に強かったのでしょう。
 
 
 でも、その時期を外せば、秋の夕暮れ時、カーカーと鳴きながら高い空を飛んで住処に戻るカラスの姿を見ると、「からすなぜなくの」という歌を思い出し、なんとなく郷愁を感じるのは私だけでしょうか。雨降りの後、天気が良くなると、キャンパスの水溜りで、嬉しそうに水浴びをしているカラスも可愛いものだそうです。

 カラスの他にも、本学のキャンパスには意外に色々な鳥やら動物が来訪します。カルガモの親子が日本庭園に姿を表したら、また紹介しましょう。本学の海外キャンパス、昭和ボストンには、招かれざる客、スカンクもお目見えします。東京でもボストンでも、珍客に出会ったら、是非、記念写真に収めておいてください。

 ちなみに、私が大学生だった1970年ごろは、黒のスーツが制服でした。自分達のことを『三茶のカラス』と称していたこともあります。制服を存続するかしないかについて、学生部会(今の学友会)で意見を戦わせたことを思い出します。その後、制服は無くなり、式典の時のみ、黒か紺のスーツを着用することになりました。

 

1960年代の授業の様子
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昭和の留学生第1号 [2016年04月22日(金)]

 今年も年度初めの4月、留学生のサポートをしながら国際交流イベントに参加したり、海外からの来賓の接遇をしたりする本学学生のグローバル・ネットワークメンバーの自主活動グループ「茶輪」の皆さんが中心となって、留学生歓迎会がグローバルラウンジで行われました。アカデミック・プログラム、インテンシブ・ジャパニーズ・プログラム、ブリッジ・プログラムの参加者も含めて、本学への留学生は世界15カ国から集まってくれています。海外に留学しなくても、この世田谷キャンパスで多言語での異文化交流を楽しむことができる様々な機会を、是非大切にしたいものですね。

 昭和学園への初めての留学生は、バーラティ・アシャ・チョードリさんでしょう。昭和では朝子(読み方は違いますが、私と同じ漢字です)と呼ばれました。アシャさん一家は昭和元年にインドから神戸に来られ、父サハイ氏は、インド独立のために日本で活動されました。サハイ氏は、優れた日本の文化を学ばせようと、以前からの友人であった本学創立者人見圓吉先生に願い出て、アシャさんを昭和高等女学校(現在の昭和女子大学)に託したのだそうです。太平洋戦争が始まり、1945年3月にインド独立のために戦うことを覚悟してアシャさんは出征。やっとの思いでインド国民軍と合流するも、8月の敗戦を迎えたのです。

 2009年にアシャさんをインドに訪ねた折も、昭和のさまざま思い出と共に、日本語の童謡を何曲も歌ってくださいました。本学創立90周年の記念式典にはインドからアシャさんをお招きしましたが、昭和の皆さんと日本で学べたことに感謝し、昭和の教育精神である「清き気品」「篤き至誠」「高き識見」を世界に広めることが自分の使命であると、スピーチされました。

 本学で学んだ多くの留学生が、帰国してそれぞれの分野の女性リーダーとして活躍されています。海外の大学の日本語学部や学科の長として後輩を指導し、その後輩たちを昭和に再び送ってくださる方々もいらっしゃいます。本学で学ぶ学生の皆さんも、協定校への留学・研修や自ら選んだ大学への認定留学などを通して、互いの優れた文化を伝え合い、学び合うことにチャレンジしてくださることと期待しています。
 
 
出征を前にした昭和での壮行会
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朝食は王様のように [2016年04月15日(金)]

 Eat breakfast like a king, lunch like a prince, dinner like a pauper.という格言を聞いたことがありますか。「朝食は王様のように、昼食は王子のように、夕食は貧民のように食べなさい」という意味です。

 食事の摂り方については、今の時代はとても昔の通りにはいかないかもしれません。食べたいと思う時に食べれば無駄なく栄養が取れるので、その方が良いと考える人もあるでしょう。英語のbreakfastは前日の夕食以降のfast「断食」をbreak「中断する」という意味ですから、断食となる時間が短いと確かに早い時間の朝食は食べたくない人もあるかもしれません。食べたくない朝食を無理して食べることは逆に健康には良くないかもしれませんね。しかし、よくよく考えると、朝起きたら、朝食が食べたいと思うような生活を是非したいものだとは思いませんか。

 脳が使えるエネルギーはブドウ糖で、しかも脳にはそのブドウ糖を蓄えることができないのだそうです。ですから、しっかりとした睡眠を取り、1日をきちんとした朝食から始めれば、脳に十分なエネルギーを送ることができるので、脳の活性化に大いに効果があるように思います。
 
 本学のカフェテリア「ソフィア」では、学生の皆さんが朝ごはんをしっかり摂って、活気のある一日を過ごしてほしという趣旨で、4月11日から28日まで、「150(いこう)昭和で朝ごはん」という特別メニューの朝ごはんを150 円で提供してくれています。ずっとずっと昔、食料が乏しかった時代に、頑張って勉学に励む本学の学生のために、上級生や先生方がキャンパスで山羊を飼って、その乳を配ってくれたという話を思い出しました。そんな温かい気持ちが今のキャンパスにも伝えられているようで、ちょっと嬉しいですね。
 
 
キャンパスで山羊を飼っていた頃
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「昭和で朝ごはん」
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記念講堂第一緞帳(ドンチョウ) [2016年04月08日(金)]

 創立者記念講堂(人見記念講堂)の舞台には2枚の緞帳がかかっています。緞帳とは、客席から舞台を隠すための幕です。開演までの間や終演後にかなりの時間、観客の目に触れるものなので、その施設の顔とも考えられています。

 客席側にある第一緞帳は西陣織で、「躍動する光」というテーマで織られたものです。神奈川県大井町にある本学の研修学寮「東明学林」から望む富士山や箱根の山々と伊豆・相模の海が浮かびあがった図柄です。その上空を3人の女性が、髪をなびかせながら移動している姿をかたどったオーロラの光が乱舞しています。

 では、3人の女性とは誰のことだと思いますか。

 3という数字は「無数」を意味しています。この緞帳は、無数の女性・無数のオーロラの光、つまり皆さんが「世の光」となって、日本から世界に向かって飛躍していく姿を描いたものなのです。記念講堂での催しの折に、是非、ゆっくりと第一緞帳を鑑賞して下さい。第二緞帳のお話はまたの機会に。
 
 
創立者記念講堂第一緞帳
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[2016年04月01日(金)]

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 皆さん、こんにちは。今年の4月1日から学長に就任しました金子朝子(かねこともこ)です。昭和女子大学、附属の中高部を卒業しました。本学の様子や学生の皆さんの活躍など、学園生活の中で気づいたことを綴ってみたいと思います。

 昭和女子大学のキャンパスには60本近くの桜があります。校歌に歌われている八重桜も、色々な種類が20本以上もあるそうです。新体育館の裏道沿いのソメイヨシノは50年以上も花を咲かせています。山桜に接木をして育て、寿命は平均50~60年程とのこと、100周年を迎えてもきっと見事な花を咲かせてくれることでしょう。昨年開園された昭和こども園の道沿いに植えられた桜が成長すると、西門を出て左に曲がり学生会館まで、美しい桜並木が続きます。アメリカの海外キャンパス「昭和ボストン」にも桜を植樹しました。ポトマックの桜のように、近隣の方が桜の花を楽しんでくださると嬉しいですね。

 ところで、昭和女子大学の校章は桜です。写真のどちらが大学生の皆さんのものですか。「大學」の文字が中央に書かれているAですね。国花の桜の花びら5枚に、3本ずつの雄芯(おしべ)があり、中に日本古来の伝統を示す「八咫鏡(やたのかがみ)」(三種の神器の一つで天照大神が自分の姿を映したと言われる)が描かれています。日本を代表する女性になろうという決意を表したもので、創立以来、私も含めて9万人に及ぶ先輩たちがこの桜の校章を付けて昭和学園で勉学に勤しみました。

 「昭和」の文字のあるBの校章は式典などで使われ、こども園から大学・大学院まで含めた「昭和学園」全体を表します。またこれは、附属の校章としても用いられています。

A. 大学の校章
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B. 附属校と式典用の校章
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