2011年4月

ジゴクノカマノフタ [2011年04月25日(月)]

ジゴクノカマノフタ
この植物の名前を図鑑で見てから、ずっと探していました。あっ、あった!いっぱいある!ミカン畑の日当たりのよい南斜面に「地獄の釜の蓋」がありました!  
正式名はシソ科「キランソウ」、またの名を「ジゴクノカマノフタ」、一度 聞いたら忘れられない名前です。ごわごわした葉っぱの間から紫色の小さな花を咲かせる地味な姿ですが、裏の顔は、切傷、胃腸薬、風邪薬など、たいていの初期状態なら、何にでも効くという万能薬草です。「どくだみ」と肩を並べる和製ハーブの代表です。 
地獄の釜に蓋をして、病人をこの世に引き戻すことからこの名前がついたといわれています。
お調子者の自分としては、その薬効を、すぐ試してみたいと思うのですが、いまは冬の寒さに耐え、体力を回復させようとしているミツバチのために、そのままにしておきます。

 

 
シソ科 キランソウ(ジゴクノカマノフタ)

 

森の過去と未来
クヌギやコナラの森は「里山」と呼ばれ、私たちの先祖が、江戸時代から薪や堆肥となる落葉を得るために大切に育ててきました。クヌギ、コナラは伐採しても、切り株から新しい芽を出して再生する萌芽能力(ほうがのうりょく)があるので15~20年程度の周期で繰り返し伐採され、萌芽能力が弱ると新しい苗が植えられてきました。 
逆に言えば、人間が管理している里山は、定期的に伐採がおこなわれるのでクヌギ、コナラの幹が細いという特徴があります。人間に大切に守られてきた「里山」ですが、エネルギーが薪からガス、石油へ、堆肥が化学肥料へ代わった昭和40年代以降は放置されて、いまクヌギやコナラの森は幹が太く、背の高い木が目立つようになりました。 
富士見坂 夏ミカン畑の隣にクヌギ、コナラの森がありますが、それらの幹も太く、背の高い木ばかりで、幼木は見えません。なかには萌芽枝が成長し、幹が根元から分かれ「株立ち」になったクヌギ、コナラもあります。かつて「里山」だった森が、長く放置され、いまの状態になったことが判ります。

萌芽枝が成長し「株立ち」になったクヌギで、元の切り株は判らない状態になっています。
森を歩いていて株立ちのクヌギに出会ったら、そこは「里山」だった可能性がありますね。
この春、夏ミカン畑への日照をよくするために隣接するクヌギ、コナラを伐採しました。新しい切り株ができたので、やがて新しい萌芽枝が出るでしょう。伐採した木は1.2mほどに切って、椎茸の「ほだ木(椎茸菌を植える台木)」にしました。
伐採後 数年すると萌芽枝が成長してきます。

樹齢がおよそ50年を超えると萌芽能力は衰え、萌芽しません。クヌギ、コナラは、人間が守り、手をかけることで繁栄してきた樹種です。人間が手を引いてしまったいま、少しずつその勢いはなくなり、衰退している気がします。200年先の日本では、カブトムシはとても貴重な昆虫になるかも知れません。

私たちは、人間が手を出さない自然の森も、人間が手をかけて守る森も、果樹園も、竹林も、いろいろな自然環境を保護し、残していきたいと思います。

竹林
竹林に風が吹くと、竹同士がぶつかって「カラン、カラン」という音が聞こえてきます。事務所にいて、この音が下から聞こえてくると、とても気持ちの良いものです。
26日には、幼稚部へお絵描きの材料としてタケノコを届けることになっているのですが、今年のタケノコは不作で、まだ、あまり出ていません。地面から頭を出している姿に「お~い、がんばれ!」と声をかけて回っています。


これを「素敵な絵の題材」とみるか、「おいしそう」と見るかは、ウ~ム 迷いますね。 

          

 

竹の根っ子をみると、元気になる気がしませんか?

「風の又三郎」がいても不思議ではない雰囲気がします。

 
 

 

 

   

参考資料
「身近な雑草の不思議」森 昭彦 著 
「読む植物図鑑」川尻 秀樹 著
「4千万本の木を植えた男が残す言葉」宮脇 昭 著

by 生天目

[2011年04月18日(月)]

待ち遠しい、待ち遠しい春が、ようやくやってきました。
ぽかぽか陽気だった先日、新しい植物の種をまきました。
アスター、ひまわり、バジル、ゴーヤー…などなど。
これからどのような芽が出て、どのような花が咲くのか、日々の成長が楽しみです。
ゴーヤーの花は、とても良い匂いがするそうです。まるで香水のようだと聞きました。
ゴツゴツとしたゴーヤーからは、なかなか想像がつきません。
「早くお花を咲かせてね」とゴーヤーの種に気持ちを送りながらお水をたっぷりとあげました。
みなさんが東明学林にいらしたときに、たくさんのお花に囲まれるよう、大切に育てます。
楽しみにしていてくださいね。

今回は、東明学林に訪れている「春」を少しご紹介します。
菜の花
「なにかいい匂いがする」と、匂いをたどりながら歩いていくと、
菜の花に出会いました。
春の香りです。太陽の光を浴びて、眩しいくらいの黄色い花が元気一杯に咲いています。
「あぁ、やっと春がきてくれたんだなあ」と思わず笑顔になりました。

正門前の桜
東明学林に向かう「れいめいの碑」から正門までは、桜並木がとてもきれいです。
桜の木の下には、薄ピンク色の花びらがたくさん落ちていて、まさにピンクの絨毯のようです。一生懸命に枝を広げて咲く桜を見ていると、元気をもらえます。


足元に咲く白い花に、訪問者を発見
「白い花が咲いている!」と思って屈んでみると、なんと…蜂が2匹もいました。
花粉を集めながら、春の訪れを喜んでいるようです。
少し見にくいですが、左上のお花に黒い蜂が、右下のお花に黄色い蜂がいます。
発見できますでしょうか?

新芽
お茶畑の横にある柿の木に新芽が出ている!!
ふわっとした柔らかい葉が出ていました。
その姿がかわいくて、思わず手を伸ばして触ってしまいました。
大きくなって、おいしい柿を実らせてくれるのが楽しみです。

ちょっと外に出るだけで、色々な「春」を発見する日々です。
いらしたときには、目で見るのはもちろん、鼻や手など体中で季節を楽しんでくださいね。

by 兼子

みかん道 [2011年04月11日(月)]

みかん坂の道
みかん畑(温州みかん)へ続く坂道は狭く、急斜面で、いままで収穫したみかんなど重量物はキャタピラー運搬車で運んでいました。キャタピラー運搬車は、動きがゆっくりな馬力のある亀?といったイメージです。ここ東明学林には2匹の「カメ」がいます。
今週 みかん坂の拡張工事が行われていて、もうすぐ軽自動車が通行できるようになります。キャタピラー運搬車が「カメ」なら、軽自動車は「ウサギ」ですね!このウサギが通れるようになると、みかん収穫だけでなく、肥料運搬や、しいたけのほだ木などの運搬も楽になります。もちろん亀にも、いままで通り動きまわってもらうつもりです。

けもの道
動物が自分の縄張りの中を移動するときは、ある程度コースを決めて動いているようです。その通り道は「けもの道」と呼ばれています。東明学林にも「けもの道」とわかる場所が一か所あります。

私たちは、その場所は通らないのですが、草が踏み倒されていて、小さな道ができています。写真ではわかりにくいのですが、実際に見るとすぐにわかります。富士見坂の途中にありますので、東明学林に来たらそっとのぞいてみて下さい。急に「タヌキ」や「ウサギ」が飛び出してくるかも!

 ついでながら、いま探しているのはタヌキの「タメフン場」!これが、なかなか見つからないけど、ここ東明学林には必ずあると確信しています。えっ?タヌキのタメフン場ってなにかって?興味のある方は調べてみて下さい。面白いですよ!

モグラの道
春になると、いたるところでモグラ塚が見られるようになります。日本には何種類かのモグラがいるようですが、どんな種類がいて、どんな特徴があるのかはよく知りません。私のモグラについての知識は、土中のトンネルにいてミミズや昆虫の幼虫を食べている….この程度のレベルでした。

そこで、いろいろと調べてみると、モグラは大食いで、一日に自分の体重の4分の3の分量を食べないと生きていけないことが判りました。友人が「モグラをペットとして飼うのは難しいよ」と話していたのを思い出し、その訳が理解できました。

足元のモグラ塚を見ながら、見えないモグラに向かって、「ここ(東明学林)には、キミたちが食べるのに十分な、たくさんのミミズや幼虫がいてよかったね。外は富士山がきれいだけど、キミたちモグラはどうせ見えないのだから、やっぱり土の中にいるほうがいいよ」と思わずひとりごとを言っていました。

by生天目

甘夏収穫 [2011年04月04日(月)]

毎年「春が来た!」と確信する日があります。今年も「その日」が来ました!春になって一番にする外仕事は「甘夏」の収穫です。果樹園で収穫を始めるとヒヨドリが、キィー キィーと警戒した声を出し始めます。仲間同士で「お~い!ミカンなくなるぞ!」とでも言っているのでしょうか?

ヒヨドリに食べられた甘夏
この写真はヒヨドリに食べられた甘夏です。けっこう本気で食べていますね!美味しいのでしょう。ヒヨドリはツバキの蜜が大好きで、冬の間は東明学林に沢山あるツバキの間を飛び回っていますが、甘夏が美味しくなると、必ず果樹園に来て甘夏の果肉を食べます。甘夏が酸っぱい時は、ぜんぜん見向きもしないのに、人間が美味しいと感じる頃には、家族、親戚が連れだって果樹園にやって来ます。どうして「美味しくなった!」とわかるのでしょうか?不思議だな。でも不思議って面白い。
『ヒヨドリの皆様!ご心配なく、甘夏のいくつかは残しておきますので、他に食べ物が見つかるまで食べて下さい』
収穫作業中、私たちstaffは「無言の行」状態になります。というのはハサミ(刃物)を使い、木に登る作業なので….収穫時の果樹園には人の声は聞こえません。ヒヨドリが警戒する声と、ハサミが枝を切る「パチン、パチン」という音だけです。
でも、たまに果樹園に「あれ~!」とか「あ~!」、「お~」といった悲鳴が聞こえます。最初、この声を聞いた時は「あっ誰か(樹から)落ちた?」、「指切った?」と驚きました。実は、枝の実を切ろうとして、実を落としてしまったstaffが悔しくて出す叫びでした。果樹園の傾斜面を転がってゆく甘夏を見ては、ヒヨドリが「ピィーヨ、ピィーヨ」と笑います。
水洗いと選別
収穫された甘夏は汚れを落とすために洗われます。ひとつ、ひとつ手洗いで汚れを落とし、ヒヨドリがつついた後や、枝で傷ついたものは取り除かれます。専業農家だったら、大きな機械で水洗いし、大きさの選別も機械がするのでしょうが、東明学林ではすべて手作業で行います。多くの人たちの力を借りて作った甘夏なので、大切に扱っています。

乾燥
水分を乾かすために太陽に照らします。きれいな甘夏でしょう。今年もいい出来で、豊作ですよ。

袋詰め
もう一度、汚れや傷を確認しながら袋詰めをします。この時は、収穫の喜びで笑顔になります。もちろん「無言の行」はありません。

もうすぐみなさんのところへお届けできると思います。楽しみに待っていて下さい。

by生天目