2023年6月28日総長ブログ

6月12日から18日まで短い期間だったが、生まれて初めてあこがれのペルシャ、現在のイラン・イスラム共和国を訪れることができた。相川一俊大使はじめ在イラン日本国大使館の皆さんのサポートのおかげで2つの大学で講義をし、在留邦人の方たちとお話をする機会に恵まれた。併せてペルセポリスやイスファハンにも足を延ばした。帰国した後はあっという間に日本の日常生活に戻り、イランでの日々は夢かまぼろしのような気がするが、忘れられない経験となった。

6月12日(月)夜、成田を発ちカタール航空でドーハへ。乗り継ぎは3時間余りとよくなかったのだが、改めて世界のハブ空港は設備と言いシステムと言い、ここまで進化しているのに比べ、成田も羽田もローカル空港だという思いを新たにする。接遇も至れり尽くせりで、東洋系、アフリカ系の従業員が多い。それから2時間足らずでテヘランのエマーム・ホメイニー空港へ。在イラン日本国大使館の斉藤さんが迎えに来てくださり、大使館まで車で1時間半。午後、近くのパーレビ朝時代のサーダーバード宮殿を見学。贅を尽くした宮殿だが、1979年まで私たちの同時代でこのような生活ができたのだと、ベルサイユや故宮を訪れた時とは異なる別の感慨を持つ。17時から在留邦人の方たちに、女性を中心に日本の状況をお話しする。イスラム革命以前は日本の企業もたくさん進出していたらしいが、イランとアメリカとの関係が悪化し、特にトランプ政権以後はほとんど活動できないらしい。日本人学校の生徒が当時は約400人だったが今は9人。教員6名のうちの一人が昭和女子大学の卒業生でびっくり。

6月14日(水)は午前10時からアルザフラ大学で講演。新しい視点を持った女性リーダーが必要という私の持論に、皆さんが共感してくださるのが良くわかった。お昼は大学のファカルティクラブのようなレストランで食事。サラダ、サフランライスに煮込みの羊肉という定番料理らしいがおいしかった。午後はテヘラン大学での講演。こちらは共学なので少しニュアンスは変えたが同じように熱心に聞いてくださり、たくさん質問が出た。日本語学科もあり、その教員の方たちも日本に留学された方が多い。終了後、16時半ごろからゴレスターン宮殿を見学。18世紀から1925年まで続いたガージャール朝は、明治期の日本と同様に欧米の圧力に苦しんでいた時期だが、豪華な宮殿。そこで地方訪問をエスコートしてくれるガイドさんに会い、夜の国内便でシーラーズへ。ホテルに就いたのは23時近くで眠い。

6月15日(木)朝8時にホテルを出てローズモスク(マスジェデ・ナスィーロル・モスク)を見てからペルセポリスの遺跡へ。アレキサンダー大王に焼き払われたが、写真でおなじみの列柱、浮き彫り、彫像が残っている。アテネのテミストクレス、ペリクレスと同じ時代に栄えていたというのが不思議なくらい「東洋的」中央集権の首都。全く水も緑もない砂と石の遺跡。そのあと、アレキサンダー大王も越えたザグロス山脈を越えてイスファハンに約6時間のドライブ。緑は都市に近づくと目立つが、年間降雨量が約200ミリという乾いた世界。相川大使がテヘランから来てくださり、市内を観光した後イラン風の食事。夜、ホテルの中庭の喫茶店で宝石商のおばさまとおしゃべり。

6月16日(金)は朝からイスファハン観光。イスラム征服以後の遺跡でほとんどがモスク。ジャーメ・モスク、40柱宮殿、アルメニア修道院群を見て、午後はイマーム広場とイマーム・モスクなど。ホテルでも観光地でも中国人観光客が多く、バザールでも「ニーハオ」と声がかかる。この街は公園や遺跡に緑が多いがすべて人工的に水遣りし、育てた緑。夜の国内便でテヘランに帰り、大使公邸に21時ごろ到着。

6月17日(土)テヘランのすぐそばの山に行く。日本の古い観光地のよう。テヘランは標高1,000~1,800メートルの高地に位置し、近くの山ではスキーもできるそうだ。そのあと中心部に近いイラン考古学博物館に行き、先史時代からのペルシャの歴史をおさらい。正倉院の白瑠璃碗そっくりのガラスもあり、シルクロードの交流に思いをいたす。街の様子は1990年代初めに訪れた北京と少し感じが似ていて、建物は古いが活気がある。夜、空港まで送っていただき、再びドーハ経由で成田へ。渋谷にかぐみと若奈が迎えに来てくれる。

6月19日(月)朝、時差で早く目が覚める。大学に寄ってから、10時共生会SHOWAの評議員会へ。午後は次々と打ち合わせ。17時過ぎに大学を出て、アメリカンクラブで生涯学習開発財団の総会へ。理事長が横川浩さんから佐藤玖美さんへ交代。黒川清さんなど存じ上げている方に多数お目にかかる。

6月20日(火)午前中、東京学校支援機構(TEPRO)の評議員会。午後、大学で対面では4年ぶりとなる国際共修プログラム「SSIP」(SWU Summer International Program)のオープニング。11か国から15人の留学生が参加。昭和女子大学の学生が自信をもって世話をしている。14時から雑誌取材。ダブルディグリー・プログラムついてPR。 15時から打ち合わせ3件。夜、若奈たち。久しぶりに日本風家庭料理。

6月21日(水)9時40分MS&ADの事前説明。11時松田アドミッション部長。今日報道されたジェンダー・ギャップ指数(GGI)、日本は146か国中125位。イランは143位。15時30分教育会議。17時女性教養講座で講師をされた、大学共同利用機関法人 情報システム研究機構 統計数理研究所の椿広計所長にご挨拶。

6月22日(木)9時30分日米教育委員会(フルブライト・ジャパン)が実施しているIEA(International Education Administrators)プログラムの関係者が来校。挨拶のあと、大学ミーティング。13時30分星野審議役。15時30分データサイエンス勉強会に出席。講師は東京大学先端科学技術研究センターの江崎貴裕特任講師。18時30分会食。

6月23日(金)10時30分農林中央金庫の総代会。大学に戻って、14時ピーチコーポレーション株式会社の酒井真理代表取締役社長が来校。16時00分三菱総合研究所取締役会の事前説明。18時15分文化研究講座で薬師寺の声明公演「修二会花会式薬師悔過法要」。日頃、馴染みがない公演だけに経験の幅を広げるのではと期待を込めて挨拶。終了後、薬師寺の大谷さんや原さんと話して帰宅。

6月24日(土)13時から昭和女子大学(SWU)×テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)×ブリティッシュ・スクール・イン・トウキョウ昭和(BST)の3校合同シンポジウム「教育の未来、学びの未来-テクノロジーは学びの質の向上のためにどのような活用ができるのか?」で挨拶。通訳付きなので日本語で。基調講演をされた東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授の板津木綿子先生の話が良かった。久しぶりでジムに行き、夕食に若奈とかぐみ。

6月25日(日)日帰りで福井での講演。昼食に光葉同窓会の福井県支部長さんたちが来てくださる。講演後は、友人の中井さんと谷ご夫妻とおしゃべりして米原経由で帰る。

 

(テヘラン大学での講義の様子)

(イスファハンにて)

  

(ゴレスターン宮殿で相川大使と)

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■「MARIKO ON MEDIA」■(大学ウェブサイト「Hot News」メディア掲載情報より)
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2023年6月25日
坂東眞理子 総長
福井テレビ newsイット!および web
福井市男女共同参画講演会「思い込みにとらわれない家庭設計」(6月25日開催)に登壇し、「人生の充実」をテーマにお話ししました。講演会の様子が地元メディアで紹介されました。
福井テレビ newsイット!|ベストセラー「女性の品格」著者 坂東眞理子さんが福井市内で人生の充実テーマに講演(※外部リンク)

2023年6月17日
坂東眞理子 総長
毎日新聞大阪本社版 22面および毎日新聞デジタル
清交社創立100年を記念したフォーラムでの講演要旨とパネルディスカッションでの発言が掲載されました。
毎日新聞デジタル|社交倶楽部「清交社」(大阪市) 西の名門、創立100周年 /大阪(※外部リンク)

2023年6月13日
坂東眞理子 総長
北國新聞 7面
「北風抄」に賃上げと雇用の安定について寄稿しました。

2023年6月16日
坂東眞理子 総長
朝日新聞デジタル
テヘラン大学での講演の様子が紹介されました。
朝日新聞デジタル|女性リーダー育てて ヒジャブデモ起きたイランで坂東真理子さん訴え(※外部リンク)