6月13日に今年度第1回FD講演会を実施しました。
開 催 日 : 平成24年6月13日(水)
場 所 : 学園本部館大会議室
テ ー マ : 高等教育における多人数教育の必要性と協働(同)学習の進展
講 師 : NPO法人学習開発研究所・京都教育大学名誉教授
西之園晴夫氏
参加者数 : 32名
内容は、以下の通りです。
* * * * * * *
講演においては、「高等教育における改善と改革」「大学型高等教育と非大学型高等教育」「今後の高等教育と協働(同)学習」という3つのテーマについて、講師の経験を踏まえて貴重な意見が披露された。
「高等教育における改善と改革」では、経済不況、高等教育の普遍化、教育コストの高騰といった状況下、日本の人材育成の国策は転換期を迎えていること、つまり<学問、科学技術、経済の発展のための教育内容重視>から<変動社会で安定した生活を維持できる専門的職能習得(いわゆるコンピテンシー習得)>へと移ってきていることが説明された。
「大学型高等教育と非大学型高等教育」では、教育コストを抑制しながらも質を下げないようにするために、旧来の大学型の多人数一斉教育から、新たに非大学型の協働・自律学習への移行が求められることが論じられた。学習科学と学習工学は急速な進歩をしており、従来の「公式学習」とは異なる「不公式学習(学習目標は与えられるのでなく学習者が創り出すもの)」という学習のあり方が説明された。
「今後の高等教育と協働(同)学習」においては、「教師が指導してくれるのを受身で待つ」という「教わる」依存的姿勢から、「教師は支援者であり、他の学習者と協働しながら自ら能力習得を目指す」という「学ぶ」自律的姿勢へと、学習者の内的条件を整えることが重要であると論じられた。協働自律学習の具体的な方法についても示された。
記録 FD推進委員 井原奉明