平成28年度 第1回FD講演会報告(6月22日実施) [2016年07月01日(金)]

開催日:平成28年6月22日(水)16:30~17:30
場所 :学園本部館3階 大会議室
テーマ:「高大接続改革の狙いと方向性~大学入試改革と新時代における高大接続のあり方~」
講師 :小林 浩 様(リクルート進学総研所長、リクルート「カレッジマネジメント」  編集長)
参加者数:166名

リクルート進学総研所長の小林浩先生を講師にお迎えし、高大接続改革の経緯と動向、そのねらいや今後の方向性について、詳細にご講演頂いた。講演全体を通じて小林先生が強調されていたのは、高大接続改革の目的は「入試改革」ではなく、高校教育・大学教育・大学入学者選抜の三位一体となった「教育改革」であることを理解しておかなければいけない、ということであった。要旨は次の通りである。
高大接続改革の発端は、2011年11月に中央教育審議会初等中等教育分科会に設置された高等学校教育部会で、20年ぶりに高等学校教育のあり方が議論されたことにある。準義務教育化した高等学校教育の質保証をいかに図るかが議論の焦点であり、高校学習到達度テストの検討などが今後の方向性として示された。その後、大学入学選抜の改善をはじめとする高等学校教育と大学教育の円滑な接続と連携の強化に向けた方策が議論されてきたわけであるが、その背景には急激な社会の変化とそれに伴う必要とされる資質・能力の変容があった。総じて、変化が激しく予測できない社会において、主体的・能動的に「生涯学び続けられる人」をいかに育成するかが高等学校ならびに大学双方に求められるようになったと言うことができる。そのための一体的改革が高大接続改革である。
現在、次期学習指導要領の改訂に向けた議論が行われているが、今回の主たるターゲットは高等学校教育であり、高大接続改革と密接に関連づけながら大きな改革が構想・実行されようとしている点に特徴がある。他方の大学教育も高等教育のユニバーサル化の影響を受け、大胆な質的転換が求められており、各大学の独自性を打ち出す必要性に迫られている。いずれも「質保証」が共通のキーワードであり、大学教育の場合、そのためには、建学の精神や教育の理念に基づく三つのポリシー(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)をより明確にし、入学から卒業までの一貫した教育マネジメント・サイクルを強化していくことが必要である。入学者選抜もまたポリシーに沿った多面的評価を企画・実施していくことが重要となる。
今、大学は「入学の国」から「卒業の国」実現に向けての大きなプロセスの中にあり、各大学の理念・ミッションに基づいた、その大学らしいその大学ならではの人材<独自性・個性>をしっかりと育成することが強く求められている。「本学」を主語にした主体的改革により、「学生が何を学び、何ができるようになったか」という学習成果(Learning Outcomes)に目を向け、その評価・検証を通じて、質保証の仕組みをいかに構築していくが重要課題であると言える。
約50分の講演後、文部科学省が掲げる方向性に対する大学のタイプによる反応・対応の違いや今後の予測、学習成果の評価・可視化の方法などについて質疑応答がなされ、盛会の内に終了した。

以上

平成28年度第1回FD講演会アンケート結果

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