2016年10月

平成28年度FDサロン報告(平成28年10月12日実施) [2016年10月27日(木)]

日 時:平成28年10月12日(水)15:00~16:00
場 所:学園本部館3階 会議室
テーマ:「プロジェクト学習のマネジメントと評価」

第1グループ
ゼミでのPBLマネジメントと評価
発題者:ビジネスデザイン学科 飴善晶子/司会:ビジネスデザイン学科 薬袋貴久
[参加者 22名]

3年ゼミで行なったプロジェクト学習では、JALカード、カンドゥー、ミライロの3企業の協力を得て、1)問題解決する力、2)自主性・自律性の確立、3)チーム力による課題解決力を学生が身に付けることを目的とした。学生は6名1組で、それぞれの企業でプロジェクトを企画、実行した。
JALカードでは、JALカードnavi入会促進プロジェクトを実施するに当たり、まず企業担当者による講義を受け、認知度、利用に関するアンケートを学生が実施、その後、アンケート結果・認知拡大企画提案のプレゼンを行った。その結果、学生提案が認められ、企業からの依頼を受けて留学ジャーナル11月号記事広告の作成、昭和女子大学内留学説明会にて入金メリットプレゼンを実施、下期入会数過去最大数の200名以上の入会があり、今年度、昭和女子大限定入会キャンペーン企画立案と実施を依頼されることになった。
カンドゥーは子供たちが仕事体験をする場を提供する企業だが、他の同様の企業と比較して認知度が低いため、認知拡大・リピーター増加施策プロジェクトを依頼された。こちらも企業の担当者による講義後、「ハロウィン企画立案」を実施することになった。ゼミ生全員でカンドゥーを視察、場内での対面式アンケートを実施し、現地で会議を重ねながらハロウィンの企画、イベント準備・運営を実施した。イベントを実施した2日間はゼミ生全員が参加、イベント参加人数や同日のリピーター数も多く、来年度のゼミ生への引き継ぎも行うことができた。
ミライロは、学生が企業した会社であり、副社長は学生と比較的年齢が近く、学生起業から経営・玄現状について講義をしていただいた。その後、創立者記念講堂での社長講演とシンポジウム、学内でのユニバーサルマナー検定講習会及び検定試験を開催、ビジネス研究所での中間発表会実施、2016年発表のユニバーサル・デザイン(UD)マップアプリのデータ作成、検証サポートを行った結果、学生・一般へのUD理解につながるユニバーサルマナー意識、講習、検定認知度拡大に大いに寄与、来年度の継続も決定した。
企画を進めるに当たり、学生は自分たちの失敗から自らが学び取り、論理的思考が出来るようになる、メールでのやり取り以上に学生同士の話し合いが重要であることを認識することができる等、最終的にはグループ全員が協力してチームで物事を動かす大変さ、達成感を実感する等、学生の成長がみられた。
企業の選定は慎重に行う必要があり、特に学生はタイムリーなアクションが取れない、期限・期間に対して鈍感であるなど学生と企業との時間感覚のズレがること等、学生の状況を企業に伝え、理解と協力の得られる企業を選ぶことがポイントであろう。また、プロジェクト学習ではシラバスを作成しづらく、進めながら考える事が多い。学生にはやりっぱなしになる事がないよう、気づき・提案・課題を入れた報告書を企業に提出させ、企業からの提案や回答を得るプロセス、ミーティングを持ち話し合う機会を大切にした、との報告があった。
サロン参加者からは、評価の方法としてはルーブリックのような評価基準を取り入れる、地方創生のために内閣府の進める地方でのインターンシップなどを利用することも考えてみる等の意見が出た。
[文責:金子弥生]

第2グループ
渋産‐シブサン アクリル プロジェクト‐
発題者:環境デザイン学科 橘 倫央/司会:環境デザイン学科 金子友美
[参加者 13名]

第2グループでは、橘倫央専任講師から環境デザイン学科の授業科目「DP総合演習」でこれまで取り組まれてきたプロジェクト「渋産―シブサン アクリル プロジェクト―」について報告がなされた。「本学学生のデザイン力による地域資源の有効活用」を掲げた本プロジェクトは、産学が連携しながら5年間にわたって持続的な発展を遂げ、社会的に高い評価を獲得しながら学生に生きた学びを提供してきた点に特徴がある。
プロジェクト学習のマネジメントという側面では、プロジェクトの立ち上げから軌道に乗るまでの時期と軌道に乗った後の時期とでは、「教師の先導による目標設定と質保証」から「学生の自主性とオリジナリティの誘発」へと主な課題が移り変わってきたことが指摘された。また、質疑応答を通じて、教師の不断の努力やプロジェクト自体の魅力や戦略性はもちろんのこと、マンネリ化を防ぐテーマ設定の工夫をはじめ、学生が複数年にわたって本プロジェクトに関わり続けられる学科の科目構成が功を奏していることが確認された。その他にも、成果や条件が厳しく求められるプロジェクトにおける学習指導のあり方をはじめ、プロジェクトに関わる全ての学生のレベルアップを図る必要がある場合の苦悩や教師による介入の範囲と程度の判断などに関する悩みも参加者間で共有された。
他方で、プロジェクト学習の評価という側面では、成果主義的に評価することへの抵抗感や違和感、一律の評価基準に従って学生の成長を評価することの困難さが指摘された。参加者とのやりとりのもと、プロジェクトに従事する規定の時間数に加えて、自己評価を導入することの可能性に関する言及もあった。なお、今後の課題として、プロジェクト学習に係る教師の努力や貢献をどう評価するか、危機管理などのバックアップ体制をいかに構築するか、などの声も寄せられていた。
[文責:緩利 誠]

第3グループ
輝け☆健康美プロジェクト
発題者:管理栄養学科 清水史子,健康デザイン学科 不破眞佐子
司会:管理栄養学科 海老沢秀道
[参加者 16名]

第3グループでは、「プロジェクト学習のマネジメントと評価」というテーマで、管理栄養学科の清水史子先生と健康デザイン学科の不破眞佐子先生から「輝け☆健康美プロジェクト」についてお話しいただいた。本プロジェクトは「学生たちをもっと元気にしたい」との坂東眞理子前学長の呼びかけで2011年10月からスタートし、栄養士を目指す学生が主体となり、食事・運動・美容分野の正しい情報を提示し実践することを目的に実施されているものである。具体的には健康ランチを学生食堂で提供し、公式ブログで簡単エクスサイズの紹介などの学内活動に留まらず、世田谷パン祭りへの出店、亀屋に新しい和菓子の開発を通して地域との連携も視野に入れつつ、さらに株式会社LAWSONへの商品開発、株式会社大冷に冷凍食品を使用したメニューの提案など、企業とのコラボレーションも積極的に展開している。
これらの活動について、教員は学生が専門知識を生かして、社会貢献できるようにサポートするが、基本的には2年生が中心となり、3年生が支えるというピアサポート形式のもとで、プロジェクトの立案から完成までPDCAサイクルを有効に回してあくまでも学生主体で行われている。その結果、学生の「自ら考えて学び取る力」が養われると同時に、地域の活性化にも貢献できるようになったと学内外から一定の評価を受けている。一方、有志で始めたプロジェクトが今では単位化され授業として整備されたものの、プロジェクトの活動を公正に評価し、とくに点数化する場合の難しさが課題となっている。それに対し、参加者からは、まずは個々の学生のプロジェクトへの取り組み姿勢、参加状況を中心に評価し、場合によっては学生同士の相互評価も有効的ではないか、或いは点数化する前にとりあえず5段階評価で試みるのはどうか、さらにシラバスの記載に工夫を凝らすことも評価しやくする方法の一つと考えられるなど、建設的な意見が多く寄せられ、今後もプロジェクト学習に相応しい評価方法を模索していく必要があることで一致した。
[文責:胡 秀敏]

冒頭、本プロジェクトが始まった経緯について説明された。
本プロジェクトは、主宰教員が内容等説明を行い、学生が自由に応募して取り組む形式で行われている。複数のプロジェクトに参加している学生も多い。2014年に、2~4年次生を対象とした学科カリキュラムとして単位認定(1単位)している。基本的に、学生主体で活動しており、教員は助言、サポートに努めている。プロジェクトによって参加学生の人数は異なり、取り組む内容や費やされる時間、負担の大きさは大きく異なる。従ってそれに連動して、評価の基準も異なる。

【プロジェクトの概要】
本サロンでは、学生食堂ソフィアにメニュー提案しているプロジェクト、「H&Bメニュー提案」を事例として話題提供された。食堂にメニュー提案するために学生は、①学生によるメニューの立案、②試作、③教員によるチェック、④メニューの決定、⑤ソフィア担当者の合意、⑥提供、⑦提供メニューの評価、を受けることになり、この一連の工程を繰り返しつつ、よりよき食事の提供を続けてゆくことが求められる。この工程で学生はPDCAサイクルを実践しつつ栄養士あるいは管理栄養士としての力を高めてゆくことになる。
このプロジェクト参加学生は、教員からの指導に加えて、上級学年の学生による下級生へのサポートや互いに教え合う(ピアラーニング)ことなどを通して学習を進めている。
これまで、本プロジェクトでは85食をソフィアで提供している。これをメニュー集として冊子にまとめ、学園祭で配布している。この取り組みは学生に負担をかけるが、モチベーションを高めることに繋がっており、また企業とのコラボのきっかけになることもあるなど、十分な教育効果をもたらしている。

【評価方法について】
成果物のみで評価するのではなく、作り上げるまでの過程や、一連の活動に参加することで単位認定している。具体的には、参加状況、取り組み姿勢、貢献度を基に評価している。

【課題】
健康・美プロジェクトには多数・多種類のプロジェクトが開講しており、評価の基準や評価方法は統一されているわけではない。学生が活動しているその場に教員がいないこともある上、大学以外での取り組み(自宅でのメニュー試作、プレゼンテーション資料の作成など)も多く、学生マネジメントも難しい。評価方法については、検討の余地が残されている。

以上の話題提供に対してフロアから質問や意見が出されたが、公平性を持った客観的な評価をするためにどうしたらよいのかという内容に集約していた。
・ルーブリックの様な評価基準を取り入れてはどうか
・点数評価の試みはしたことがあるか
・教員による評価に加えて学生による相互評価を行っている大学がある
・具体的な到達目標を掲げれば、それに対する到達度を評価できるのではないか
・学生個人ではなく、チームとして評価することは可能ではないか
・せめて5段階評価できないか
などの意見が出た。
[文責:海老沢 秀道]

FDサロンアンケート集計
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