卒論を頑張っている皆さんへ

<日文便り>

先日の十五夜はみごとでした。
皆さんはどこで観月をしたでしょうか。

 

さて、私の父は写真撮影が趣味で、同じ月でも下のような写真を撮っては家族を驚かせます。
1年前の写真ですが、かぐや姫もびっくりですね。

この2枚の月の写真を見て、「ああ、研究も同じだなあ」と思いました。
ある一人の作家の作品を読み込んでいくと、次第次第に細かいところまで見えてきます。

来年の1月に卒論を提出する皆さんは、まだ見えないところも残した、こんな感じでしょうか。
皆さんは光源(太陽)になって、埋もれている作品の謎を照らし出していくわけです。
けれども、月に近づけば近づくほどよい卒論が書けるかというと、そうではありません。
月単体だけを絶対視し、クローズアップし続けると、見落とすものも出てきます。
例えばその作品の魅力や価値などを考察するには、相対的な視点が不可欠です、
―ちょうど1枚目の写真のように。
どちらのアプローチもステキでしょう。
でも、どちらかに偏ることなく、両方のバランスをうまくとって、
読み応えのある卒論を書いてください。
皆さんのベストショットを楽しみにお待ちしています。

(笛木美佳)