ブックレット近代文化研究叢書14 「ドヤ街」から読む「あしたのジョー」
著 者:山田 夏樹(昭和女子大学近代文化研究所所属・人間文化学部日本語日本文学科)
初版2020年10月30日
B5判/96ページ
ISBNコード:978-4-7862-0313-8
C1395
定価:本体1,000円+税
発行所:昭和女子大学近代文化研究所
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【目次】
はじめに
序章 同時代評の限界―反体制の枠組みを越えて
1 山谷の暴動とジョー―力石登場以前
2 左右のせめぎあい―〈実行〉の場としての「ドヤ街」
3 ジョーの「あした」とは―「ドヤ街」と可能性
第1章 比喩としての肥大化した身体―「壁」解体の試み
1 ボクサーとしてのジョー―手段と目標
2 ボクシングとは―戦後とスポーツ
3 戦後日本への批判意識―梶原一騎の「個人主義」
4 金は「力石に おとる」のか―「立ちあが」り続けること
5 「過去」と「あした」―力石の再浮上
第2章 変化する「ドヤ街」―「過去」との対峙
1 金の「過去」と現在―「地獄」をめぐって
2 「引き揚げ」と現在―ちばてつやの「非定住者感覚」
3 描きかえられる「ドヤ街」―ちばてつやとジョー
4 「焼跡のイエス」の後継者たち―「少年」とジョー
5 「なみだ橋」と懸け橋―「チビ連」との関わり
第3章 〈人間〉化するジョー―戦後を問う姿勢
1 「あした」の力石―マンモス西との差異
2 ボクシングによる描きかえ―「あした」と現実
3 「クロスカウンター」とは―先行者との交わり
4 力石の死―「とことん打ち合うこと」の両義性
5 グローブのゆくえ―ジョーと葉子
おわりに
著者略歴
山田 夏樹(やまだ なつき)専任講師・博士(文学) 「三島由紀夫「橋づくし」の批評性―差別と模倣」(「物語研究」二〇号、二〇二〇・三)/『アートと東京・文学と東京』(共著、法政大学江戸東京研究センター、二〇一九・三)/「三島由紀夫「白蟻の巣」、北杜夫「輝ける碧き空の下で」、手塚治虫「グリンゴ」における勝ち組表象の現在性―ブラジル日系移民とグローバリズム」(「日本文学誌要」九八号、二〇一八・七)/「村上春樹「沈黙」における現在性―饒舌、「沈黙」の暴力」(「学苑」九二七号、二〇一八・一)/『石ノ森章太郎論』(青弓社、二〇一六・一一)/『ロボットと〈日本〉―近現代文学、戦後マンガにおける人工的身体の表象分析』(立教大学出版会、二〇一三・三)