こんにちは、近現代史担当の松田忍です。歴史系の教員を目指す学生にとって必読といっても良い本をご紹介いたします。
成田 龍一『近現代日本史と歴史学―― 書き替えられてきた過去』(中公新書、2012年)
リンク先の紹介文を読んだだけでも惹きつけられるものがあると思いますが、中身は相当に骨太、かつ面白いです。
戦後70年が近づいているわけですが、そのなかで歴史学は日本の近代をどのように評価し、どのような手法で描こうとしてきたかを大きく三つの時期に分けて論じています。新しい問題関心が生まれると、今まで省みられなかった歴史史料に光があてられるようになる。やがて教科書の内容も書き換えられていく。そのような過程をダイナミックに分かりやすく見せてくれます。歴史学は生きた学問であり、今もなお揺れ動いているのだということを体感できる良書です。
文献リストもついていますので、日本史の教鞭をとりたいと思っている学生のみなさんにとっては「歴史学の歴史」に触れるまたとない入口となることでしょう!!是非この夏に読んでみて下さい。