歴文生の夏休み 最終回 ~~武田ゼミ研修旅行~~ [2012年10月15日(月)]

みなさま、こんにちは!

後期授業が開始して2週間が経ち、秋もすっかり深まって参りました。もう夏休みもはるか記憶のかなたという季節ではありますが、「歴文生の夏休み」シリーズ最終回アップいたします。お届けする記事は、武田昭子先生(文化財修復学)のゼミの研修旅行です。武田ゼミでは8月に陸前高田市を訪れ、東日本大震災の津波で被災した文化財の修復実習を行いました。普段勉強している文化財修復の知識をどのような形で生かすことができるのか?学生たちにとっても貴重な経験となったようですよ!

記事を執筆して下さったのは3年生の豊田さんです。是非お読み下さい

           

歴文ブログをご覧の皆さま、初めまして。歴文3年の豊田と申します。よろしくお願いいたします。 私は武田先生のゼミに所属しております。今回、夏休 みのゼミ旅行(8月5~8月10日)で訪れた、岩手県陸前高田市での活動をお話ししたいと思います。 私たちは2011年3月11日に発生した、東日本大震災で甚大な被害を受けた民俗文化財の修理のお手伝いをさ せて頂きました。

陸前高田市に到着して市の職員の方から現在の状況に ついてお話を伺いました。そして、津波の被害に遭っ た市役所、博物館などの見学をしました。そこには、 ニュースで見ていた景色が広がっていました。周囲に は何もなく、ただ瓦礫の山と廃墟と原っぱがあるだけでした。廃墟は取り壊されることが決定されていまし たが、市の職員の方のお話では、今回の震災の被害を 忘れないためにも何とかして残しておく方法はないだろうかという意見と、もう思い出したくないから取り壊してほしいという意見があるということでした。と ても考えさせられるお話でした。


その後、作業場所である廃校になった小学校へ向か い、そして、そこで民俗文化財の修復のお手伝いがはじまりました。

私たち3年生が担当したのは 陸前高田市に伝わる高田人形と紙製のきせかえ人形です。

高田人形とは、土に和紙を混ぜたものを型に嵌めこみ、 乾燥させて着色した土人形です。 土で作られているため津波の波に飲み込まれ、形が崩 れてしまい、原型が分からなくなってしまうほどぐ ちゃぐちゃになっていました。 これらは、触れるだけで崩れてしまうので、これ以上 崩れないように合成樹脂を使って強化することになり ました。

きせかえ人形はボール紙のような紙質で箱に束になっ て入れられていましたが、側面にカビが発生していた のでカビを除去して、流水で洗浄し、乾燥させつつ、 伸ばすことにしました。


これらの作業を通して勉強になったことは民俗文化財 の修理をするには、様々なことを考えて実践するとい うことです。修理をするにしても何処まで修理を施していくのか、材料にはどのようなものを使用してゆく のか、環境や状況によって、それらを変えていかなけ ればならないということを知りました。また、きせかえ人形は、水のみが使われています。化学薬品を使わ なくても身の回りにあるもので十分修復できる、いえ、自然にあるものだからこそ化学薬品による二次被害を防ぐことができるということを知ることができました。
この1週間を通して、とても良い経験をすることが出来ました。

長々とした話に、ここまでお付き合いいただ き、ありがとうございました。

最後になりましたが、被災地のいち早い復興を願っています。



―― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

豊田さん、どうもありがとうございました。

豊田さんもお書きになっていらっしゃいますが、文化財修復はあらかじめ決まった手順通りに作業だけすれば、それでOKというものではありません。修復の基本をきっちりと身につけておくことは当然であるとしても、実際の破損状況をしっかり観察して、最適な修復方法を編み出し選択していくという側面があるようです。特に今回は大量の海水(塩水)と泥をかぶった文化財の修復ということで、日々工夫をこらしながら修復が進められているようであります。

さて、11回にわたってお届けいたして参りました「歴文生の夏休み」シリーズいかがでしたでしょうか。夏中飛び回った学生たちの活動のうち、ほんの一部分しか紹介は出来ませんでしたが、歴文生たち結構がんばっているでしょ!?「手で考え、足で見よう」 という歴史文化学科のモットーが、ことばとしてだけではなく、歴史文化学科の教育の現場にしっかりといきづいていることを感じていただければ幸いです。

学生のみなさん!もっともっとフィールドに出よう!!

 

受験生のみなさん!一緒に手で考え足で見ませんか!!!