今日は松田ゼミで集まって「卒業論文集」の製本をおこないました。
卒論というのは歴史文化学科で学んだ「集大成」でありますので、大事にしてほしいと思っています。成果を形にして長く残すべく、日本近現代史ゼミでは最後に全員の卒論を1冊にまとめた「卒業論文集」をつくっております。今日数時間にわたってコピー機と製本機をフル回転させてつくりあげた「卒業論文集」が次の写真。学生たちの努力の積み重ねがあって、ここまで分厚くなりました。晴れ晴れ~とした表情ですよね。
また特によく書けた論文を3本抜粋して製本した「卒業論文集(抜粋版)」もつくりました。これは日本近現代史ゼミの後輩たちに配付します。後輩たちが卒論を書いていく時の、なによりの手引き書となっていくでしょう。
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さて気になる中身ですが、今年日本近現代史でだされた論文13本のタイトルは下記の通り。
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維新期~明治期前半
「維新期における旗本の動向―旗本稲生家の慶応4年・明治元年の日記を事例に―」
「明治初年の彦根藩藩政改革から見る近代国家構想」
「侍補制度の創設とその意義について―近代国家像の中の明治天皇―」
「木戸孝允と明治期の士族反乱」
明治期後半
「雑誌『国民の友』における「国民」のあり方について」
「明治期東京における貧民問題の認識とその実態」
大正期
「植民地朝鮮における『半島時論』の分析―1917~1919―」
「戦間期における在日朝鮮人の生活状況」
「戦間期における東京市の職業婦人について」
「胡桃澤盛日記からみる盛の思想変遷」
昭和戦前期~戦時期
「日中戦争時における対中海上交通遮断問題について」
「栃木県知事安積得也の戦争指導について」
昭和戦後期
「戦後愛国心の分析――第三次吉田内閣文相時代の天野貞祐を読み解く」
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今年はテーマがキレイに各時代にばらけました。くずし字に真っ向から取り組んだ論文、1910年代のハングル語雑誌を翻訳してまとめた論文、自分で史料調査をして整理した一次史料を用いて書いた論文、膨大な図表データを分析した論文、ひたすら外交文書を読んだ論文などなど、努力の形は卒論によってそれぞれ異なります。しかし、どの学生も努力する過程で、
- はっきりした根拠に基づく議論を展開する力
- 情報収集する力
- 史料から論点(疑問点)を発見して調査する力
そして
- 正確な文章を書いて発信する力
など、これからの人生で、社会で、活躍するために必要な力を充分に身につけてくれたと思っています。
本当におつかれさまでした。2年間良いゼミだったと思います。