こんにちは、松田忍です。
歴文生からスポーツチャンバラの学生チャンピオンがうまれました!ということで、今日は、先日開かれたスポーツチャンバラ全日本学生大会の「長剣フリーの部」「両手長剣の部」で優勝、「小太刀の部」で3位入賞した佐藤永美香さん(歴文3年生)にお話しを伺ってみたいと思います。
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松田:佐藤さん、スポーツチャンバラ全日本学生大会優勝おめでとうございます!!
佐藤:ありがとうございます!
松田:スポーツチャンバラ(以下、スポチャン)という競技自体知らない人も多いと思うから、まずどんな競技なのかを教えて下さい。
佐藤:もともとは護身道という武道だったんですが、ルールを定めてスポーツ化したのがスポチャンなんです。
松田:どんなルールなの?剣道みたいに面とか籠手を打ったりするの?
佐藤:相手の身体のどの部分に当てても1本ということになります。試合は1分1本勝負ですね。1本勝負なので一瞬で決着がつくこともあるんですよ。決勝だと3本勝負になったりもしますが。
松田:どこに当ててもいいということは、剣道みたいに「めぇぇえぇぇーん」とかはないんだ?
佐藤:別に発声がなくても1本にはなるんですけど、自然と声もでますし、残心もありますねぇ~。
松田:武器はなにをつかうの?
佐藤:そう聞かれるかと思って今日は現物を持ってきました笑
松田:なんかへなっとしてますが……。
佐藤:まぁ、みててください。(シュコシュコと空気をいれる佐藤さん)太刀のなかには風船が入っていて、そこに空気を入れると剣の形になります。エアーソフト剣っていうんですよ。ソフトといっても生身で競技するので、あたると相当痛いですが笑
松田:おお!小太刀になった!……佐藤さんは大学になってからスポチャンはじめたんだよね?たしか。
佐藤:はい。1年の時から東京大学の颯剣会(そうけんかい)というスポチャンサークルで活動しています。
松田:なんでやってみようと思ったの?
佐藤:中学、高校のときには剣道部に所属していて結構真面目にやっていたんですよ。なので、大学入っても剣道続けようかなと最初は思っていたのですが、入学式のときに颯剣会のビラをもらって面白そうだなと。で、サークル体験会に参加してみて「これだ!」と思いました。それからずっと、週3で下北沢の小中学校の体育館を借りて練習していますよ。
松田:サークルの雰囲気は体育会系って感じなの?
佐藤:はい、かなり真面目に取り組んでますねぇ、みんな。スポチャンは日本発祥なんですけど、フランスとかロシアとかドイツなどにも広がっているんですよ。なんと日本で国際大会が毎年開かれてるんです!
松田:ちなみに剣道経験っていうのはスポチャンには役立つ?
佐藤:打突のテクニックなどで多少有利かもしれません。ただ基本的に構えが違うので、別の競技ですねぇ。剣道に限らず、なにがしかスポーツをやってきた人はやはり上手いなぁと思いますけど。
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松田:では大会の話に。今回優勝なさった「長剣フリーの部」と「両手長剣の部」って何が違うんですか?
佐藤:「両手長剣の部」は読んで字の如く、剣道みたいに両手で長剣をもって競技する部門です。で、「長剣フリーの部」は長剣を片手で扱います。基本的に片手の方が有利なんですよね。
松田:む?要するに水泳で自由形(フリースタイル)というとどんな泳ぎでもいいんだけど、実質クロールが一番早いからみんなクロールで泳ぐ的な感じで、「長剣フリーの部」はどんな持ち方でもいいんだけど、実質片手で持つ的な感じ?
佐藤:はい、多分フリーというのはそういう意味だと思います。
松田:本当に初めて聞く事ばかりだ!さて今回優勝なさったわけですが、「優勝の予感」みたいなものはありましたか?
佐藤:いやぁ、全然勝てるとは思ってなかったですね。ただ……部門優勝した人同士が戦って、グランドチャンピオンというのを決めるのですが、昭和の日文の学生でもある、4年生の先輩の最後の大会だったので、一度は公式戦のグランドチャンピオン戦で戦いたいなぁということで気合いは入ってました!
松田:一試合一試合が短いから当日のコンディションというのがすごく大事そうだよね。いやぁ、本当におめでとう!ちなみに日文の学生というのは、昭和女子大学のFacebookにも載っていた彼女だね。
佐藤:はい!そうです。
松田:そういや、颯剣会って東大、昭和以外だとどこの大学の学生が参加しているサークルなの?
佐藤:明治、早稲田、国士舘、國學院、法政などの学生が参加していて、現在、30~40人で活動しています。そのなかの女子が10名くらいですね。
松田:なにげに、松田が大学時代に一緒に日本史を勉強した後輩(すでに社会人)も、颯剣会のOBなんだよね笑
佐藤:N先輩ですね。うちのサークルは創立17年なんですけど、創立した時期からいらした大先輩ですよ~。
松田:歴文に限らず昭和女子でインカレサークル(複数の大学の学生が参加するサークル)に入る学生は、必ずしも多くないよね。後輩や受験生たちにサークル選びに関するアドバイスをひとことお願いします。
佐藤:インカレサークルというと、他大学の学生と和気藹々と楽しむというイメージが強いかも分かりませんが、かなりガチに、スポーツなどの活動に取り組んでいるところもかなりあるんですよ。サークルによって、かなりカラーが違うと思うので、自分の目で確かめて、自分にあったところに入って欲しいですね。特に入学式直後のサークル勧誘の時期を逃してしまうと、自分で探しあてて、活動に参加してみるということも必要になってくるので、ある程度度胸も必要ですね。
松田:ありがとう。大学って、自分で動かないとなんにも始まらないところだからねぇ。サークルといえば、佐藤さんは、昭和女子大のイラストレーション部にも所属しているよね。かけもちで。
佐藤:はい、秋桜祭ではイラスト販売やってますので、是非いらして下さい!
松田:毎年イラストレーション部のイラスト販売は大人気だからね!是非是非足を運んでみて下さい。松田もコッソリ見にいくと思います笑
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松田:さてせっかくの機会なんで、学問のことも聞いておこうか。佐藤さんが歴史系学科を目指した理由ってなんだろう?
佐藤:ええ~、歴史が好きだったからとしかいいようないですよ~。まぁ、もともと歴史好きだったのですが、高3のときに、歴史の先生がNHKの「20世紀の映像」をたくさん見せてくださったんですよね。戦争の映像が多かったですが。そもそも戦争の映像があれだけ撮られていて実際に見ることができるということに驚いて、興味を持ったんですよね。それで、もっと知りたいなぁと。
松田:で、現在は松田ゼミ(日本近現代史ゼミ)に所属しているわけですが、卒論のテーマは?ニヤニヤ。
佐藤:テーマがちゃんと固まってないの知っているくせにひどい!笑 ただ過去10年間に学術雑誌に掲載された論文のタイトルを眺めていって、気になるのをピックアップしてごらんと先生にいわれて、平岡昭利さんの書いた『アホウドリと「帝国」日本の拡大』(明石書店、2012年)の書評に出会ったんですよね。で、なんだこの本は~ってなって、実際に読んでみました。
松田:こないだのゼミでは『アホウドリ』の書評報告をしてくれたよね。いい本だから本当にたくさんの書評が出されているんだけど、うまく整理して紹介して下さいました。
佐藤:ありがとうございます!研究書を1冊読み通すのって、すごく大変だったんですが、読み通して自信がつきました。平岡さんの本では、アホウドリの羽毛を追いかけて、日本人が南の島へ進出していき、アホウドリが取れなくなっても、グァノ・リン鉱を求めて、さらに拡大を続けたということを論じていて、今まで考えたこともない「日本史」だったので、ものすごく面白かったです。ただ書評を比較しながら読むと、平岡さんの書いた枠組みに対しても、いくつかの批判があることがわかって、さぁ、どうしようかなというところですね。
松田:平岡さんの本で南洋自体に興味をもち、「第一次大戦後の南洋における、日本人の経済活動」をなにか研究したいというあたりまでは決まっているんだよね。
佐藤:はい……。これから史料見ながら、テーマを絞り込んでいきます!
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松田:今日はインタビューに応じて下さって、どうもありがとうございました。スポチャンの方は4年生まで続けるつもりとのことで、それに加えて卒論研究も本格的に始まるから相当忙しくなるね。しっかり頑張ってくださいね!
佐藤:はい!ありがとうございます。これからも頑張ります。みなさんも興味を持たれたら、是非スポチャンの世界の扉を叩いてみてください!