今年度から始まった、昭和女子大・立正大・共立女子大の合同ゼミ。
12月23日に、本学でクリスマス会を実施しました。
こんな感じで黒板や教室を飾り付けして、みなさんをお出迎え。
黒板に書かれているのは、ひげ文字で「Frohe Weihnachten!(メリークリスマス)」。
あとは「アナ雪」のオラフ。
最初に行われたのが、西山暁義先生(共立女子大学)による記念講演「ドイツの『サンボ』―ビスマルク時代のある児童向け絵本」。
私たちの世代にとっては『ちびくろサンボ』というのは、子供時代に誰もが親しんでいたなじみのある絵本なのですが、1980年代後半から日本でも差別をめぐる議論が起きて、現在では子供にはなじみのない存在になっているようです。
実際学生のみなさんに聞いたところ、「『ちびくろサンボ』という絵本を、今日初めて知った」という声がほとんどでした。
で、西山先生の講演の内容ですが、これがとんでもなく面白いものでした。
原作者のヘレン・バナマンという女性は、女性がまだ大学で正式に学ぶ事ができなかった時代に、スコットランドのセント・アンドリュース大学で「婦人準学士」号を取得。夫とともに任地のインドへと赴き、その経験をもとに本作『ちびくろサンボ』を1899年に刊行します。
しかしその際、さまざまな手続き上の煩わしさから著作権を放棄、そのために外国で海賊版が多数出版されることになります。
そして、アメリカで出版された海賊版の『ちびくろサンボ』が大ヒット。
その結果、もとはインドの話だったのが、黒人のストーリーとして展開されていくことになります。
しかしこうした話は、それまでにも存在したのです。
たとえば、ドイツで1845年に出版されたハインリヒ・ホフマン『もじゃもじゃペーター』には、「真っ黒な男の子たちの話」というストーリーがあります(ストーリーはこちら)。
あるいは1886年に出版された、『くろんぼサンボ ムーア人のお話』という絵本もあるようです。
西山先生は、こういった様々な「サンボ」の絵本を、当時の時代状況や、「ミンストレル・ショー」という白人が黒人に扮装する道化劇、「サンボ」という呼称の歴史、ストーリーのパターンなどと結びつけながら、縦横無尽に語ってくださいました。
うちのゼミ生だけに聞かせるのはもったいない、歴文生みんなに聞いて欲しい!というようなお話でした。
第二部は、学生幹事のみなさんに司会をお願いして、さまざまな企画を実施。
まずは、ドイツ史に関するクイズ大会。
教員がクイズを用意しましたが、「これはちょっと難しすぎたかなあ・・・」というような問題にズバリ正解するチームもあり、かなり盛り上がりました。
その次は↑のジェスチャー・ゲーム。
意外な人が意外な才能を発揮して(?)、こちらも大盛り上がりでした。
そして最後は、シュトレン(ドイツでクリスマスに食べるお菓子)をいただきながらプレゼント交換会。
立正の幹事お二人は、サンタクロース役ご苦労様でした!
というわけで、三大学共同ゼミの企画も、残すはあと1回。
3月に、卒業論文の準備報告会を行う予定です。
一生懸命準備に協力してくれた皆さん、お疲れ様でした!
Ich wuensche Ihnen frohe Weihnachten und ein glueckliches neues Jahr!!
(メリークリスマス、そしてよいお年を!!)