こんにちは、松田忍(日本近現代史担当)です。
2013年度にスタートした被団協文書整理会も今年で5年目となりました。2017年度は参加メンバーも一新して、歴文1年生が中心となり、史料整理を続けています。
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私の感覚では5年間はあっという間だったのですが、その間にも被爆者の数はものすごいいきおいで減り続け、被爆者の数が一番少ない山形県では23名までになってしまいました(『被団協』2017年8月6日)。5年前にはまだ活動していた県支部がやむを得ず活動を休止する事例もあり、史料保存センターとしての「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」の存在意義は非常に大きいものになっていると思います。
今回の史料整理会で同会の栗原淑江さんと話し込みました。被団協の活動としては、戦争責任を追及する活動などが、世間に知られていることわけですが、残された史料群をみていると、それは本当に氷山の一角であることが分かります。もし被爆者運動がなかったならば、孤立したままでどこに訴えることもできずに苦しんでいた被爆者の方々が横につながったこと、そして原爆がもたらした被害の実像を調査し続けてきたことにこそ、被団協の存在意義があるのだと思いました。
言うまでもなく、原爆は人類の歴史において時代を画する出来事であります。その実態が明らかにされないまま、記憶から失われてしまった可能性があったことを考えると本当にゾッとします。
現時点の松田は、縦横に被団協の史料を読み解き研究するだけの余力はありません。しかしながら、後世に史料を残し、将来の研究に備える一点で、今後とも協力していきたいと思います。開かれたる会でありますし、研究者の利用あるいは学生たちの卒論への利用など大歓迎であります。史料にご興味があるかたは松田までご連絡をお願いいたします。
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参加した学生も熱心に史料をみながら、作業を進めていました。
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夏の史料整理の参加者募集は締め切りましたが、まだまだ地方支部から史料が送られてきている状態です。長期休暇にはまた史料整理会を開催する予定ですので、是非学生のみなさんにはお手伝いをお願いいたします。