教育実習生の巡回指導を行いました。 [2018年09月28日(金)]

西洋史の山本です。こんにちは。

先日、教育実習生の巡回指導で某県の中学校を訪問しました。

東京から遠く離れ、のどかな田園風景が広がる地域ですが、歴史は古く江戸時代に由来する古刹などもあり、素敵な市でした。現地の中学生も、のびのびと育っている印象でした。しかし・・・

 


有名な老中、田沼意次のルーツでもあります

 

「学校の改編が急ピッチで進んでいるのですよ!」

と挨拶をした校長先生がおっしゃいます。この中学校は現在、8つの小学校から生徒が集まってきますが、それを統合していわゆる「義務教育学校」(小中一貫校)が設置される予定であるとか。そういえば敷地内は工事中で、プレハブの仮校舎で授業が行われていました。他にも別学の伝統校が共学になったり、公立の中高一貫校が新設されたりしているそうです。郊外における少子化の現状を実感させられました。

さて、教育実習生のCさんは地元の名門女子高出身で、文武両道に秀でた学生です。すでにマスコミ系企業への就職も内定していますが、将来的には教員に転向することも考えており、母校で教育実習を行っているとのことでした。今回は3年生の公民の授業で、テーマは「基本的人権」です。

「それでは教科書の○×ページをあけてください。今日はこの部分の勉強をしますが、教科書は使わないので、閉じてください。」

前にも書きましたが、最近の学校ではアクティブラーニング方式がさかんで、Cさんの授業も生徒に主体的に作業をさせ、考えさせることに重点が置かれていました。

「プリントには様々な権利が書かれていますね。みんなが遭難しかけた気球に乗っているとして、最初に捨てられる権利は何だろう、反対に最後まで捨てられないものは何だろう?」

こう問いを発し、個人で考えさせた後、小グループに分かれて討論し、発表する――という流れのようです。「日本国憲法」の条文をひたすら暗記させられた私の中学時代とはだいぶ異なります。

中学生の意見をチラチラと見せていただきましたが、意外なことに「食べものを得る権利」「お金をもらえる権利」のような生存に関わる個人的な事項のみならず、「戦争のない平和な社会で生きる権利」「愛したり、愛されたりする権利」といった抽象的または社会全体に関連する権利を重視している生徒が多かったです。さすがに中学3年生くらいになると、自分が直接的に触れている日常を超えた、よりも広い世界を意識し始めているということでしょうか。「巡回訪問指導」などといいますが、むしろ自分が学ぶことも少なくありませんでした。

末尾ながら昭和女子大学の学生を教育実習生をして受け入れていただき、親身にご指導いただきました中学校の諸先生には、この場を借りて御礼を申し上げます。