共同研究をおこなって―戦後史プロジェクトA班(小方組)の感想―

こんにちは!戦後史史料を後世に伝えるプロジェクト、A班です。

本年度の活動ではプロジェクトメンバー12名が3名ずつ4班に分かれ、分担して研究を進めました。

私たちの班は、長崎の被爆者である吉田一人さんと、ノーモアヒバクシャ記憶遺産を継承する会の栗原淑江さんが人生の各段階でお考えになってきたことを明らかにする研究を受けもちました。

夏に研究対象が決定してからは、各人の著書や新聞記事などを中心に史料を集めていきました。事前の準備をおこなった上で9月20日には栗原さん、9月25日には吉田さんに対する聞き取り調査を行い、ご本人の口から、ご自身の経験や、これからを生きる世代に伝えたいことなどを伺いました。

特に、吉田さんの「被爆者に『なる』」というお考え、また、栗原さんの被爆者と共に歩む姿勢は、戦後史プロジェクト全体に大きなヒントを与えてくださいました。

以下では、秋桜祭での展示を終えた班員の感想をご紹介いたします!

秋桜祭実行委員会とのかけもちが難しく、プロジェクトに全力投球しきれなかった点には残念なところもありました。被爆者問題という重たい内容だったので、秋桜祭の展示にはほとんど人が来ない可能性もあると思っていました。しかし、実際にはたくさんの方が展示を足をお運びくださり、感想を書いてかれる姿を見てうるっとしました。辛いことも多かったですし、難しいことについて意見を求められ悩むこともありましたが、今まで頑張ってきてよかったと心から思いました。

そして、新聞記事を見てご来場になった被爆者の方々との出会いがあり、文化祭が終わったあともお手紙を頂いたりと、展示をしたことで「人と出会う喜び」を感じることができました。

ご高齢になった被爆者からの皆さんからは、ご自身のお持ちになっている史料や書籍が失われてしまうことに対する不安を抱えていらっしゃることを直接伺いました。やはり私たちのやっている史料の保存活動は今後も続けていくべきことなのだと再確認出来ました。

また、今日までの過程で先生や先輩方から研究とはなんたるかを学ぶこともできました。ありがとうございました!

素晴らしい仲間たちと日々研究をするなかで、沢山のかけがえのないものを得ることが出来ました。打ち上げの席上で泣いている吉村先輩(プロジェクトリーダー)に寄り添う小方先輩、川古谷先輩の3人の姿が本当に素敵で2年後にこんな風になれたらいいねという話を印出さんとしました。来年度もしっかり考えて頑張っていきたいと思っています。

(成瀬萌・歴史文化学科1年)

被爆者のことはプロジェクトに関わるまでは教科書レベルのことしか知りませんでしたが、調査をしたことで、被爆者が被爆後に起こした行動が、内容が濃く驚きました。特に、被爆問題が過去の問題ではなく今の問題であるということが分かったことは大きな発見でした。この先、どのようなことを調べていく必要があるのか、まだ明確になっていませんが、秋桜祭での展示「被爆者に『なる』」を発展させ、将来の研究に繋げていきたいと思います。

(印出也美・歴史文化学科1年)

このプロジェクトが始まるまでは、被爆者が年々減っていく中で「あの日」の記憶を風化させないことこそが、私たちのすべきことだと思っていました。しかし、吉田さんと栗原さんへの聞き取り調査や、メンバーとの熱いミーティングを重ねて、それだけでは不充分だということがわかりました。原爆被害は「あの日」で終わってはおらず、これからを生きる私たちは、原爆問題に当事者意識を持って向き合わなくてはならないということ、また、そのためには原爆被害者の軌跡を学ぶことも重要なのではないかと思うようになりました。私は3年生なので、これでプロジェクトは引退となりますが、これからも学び続けていきたいと思います。

(小方愛可・プロジェクトA班班長・歴史文化学科3年)