「原典講読」で印刷博物館実習を行いました。 [2019年07月21日(日)]

西洋史の山本です。こんにちは。

私が担当している「原典講読」という授業は、西洋史専攻を希望する歴文の2年生をおもな対象とした授業です。西洋史で卒論を書く上で必要となる、文献や史料に関する基本的な知識や技術を、楽しく学べるよう日々取り組んでおります。

その一環として、7月20日は文京区にある「印刷博物館」での実習を行いました。印刷博物館は凸版印刷株式会社が2000年に設立したもので、狭義の印刷文化のみならず、まさに古今東西の「ヴィジュアル・コミュニケーション」に触れることができる貴重な施設です。今回は昨年度に引き続き、2回目の訪問となります。

まず大学でグーテンベルクの改良・開発した活版印刷術の授業を行い、世界遺産にも登録されている「プランタン=モレトゥス印刷博物館」のビデオ(山本による字幕付き)を視聴しました。その上で、上記博物館での実習となります。今回は9名の学生(歴文以外の学科2名を含む)が参加しました。

「印刷の家」での活版印刷体験

まず博物館付属の「印刷の家」で、活版印刷の体験をします。30、40年前までは印刷産業であたり前のようにあった光景ですが、現代の大学生にとってはまったくの「異世界」。しかし、職員の方に丁寧に教えてもらい、ハンディ印刷機で印字されると小さな歓声が湧きました。

「活字」を拾い、「組版」を行います

その後、有史以来の印刷文化のダイジェストともいえる「プロローグエリア」にて、学芸員の方に講義をしていただきました。教科書に載っていた「ハンンムラビ法典」(レプリカ)を食い入るように見つめる学生や、アニメーションの元祖ともいうべき「フェナキストスコープ」を感慨深く回している人もいました。

プロローグエリアでの講義

その後、凸版印刷が2014年に作成した「百舌鳥・古市古墳群」に関すビデオを、VRシアターにて鑑賞しました。ご存知の通り本年、ユネスコの世界遺産に登録された遺跡ですが、VRによる臨場感あふれる映像が楽しめました。

それでは参加された学生の感想をご紹介します。

普段は出来ない活版印刷の体験や学芸員さんによる展示品の裏話など充実した時間を過ごすことが出来ました。また、多岐にわたるコレクションと共に人類の文字・印刷の歩んできた過程を学ぶことが可能です。予備知識が無くても十分楽しめる博物館だと思いました。(歴文2年Aさん)

今回の実習では印刷博物館を見学しました。学芸員さんのお話を聞きながら印刷の歴史について触れたり、また博物館内の展示の工夫なども話してくださいました。印刷の家では、活版印刷の体験をさせていただきました。今回は英文が印刷された栞を作りました。印刷する前にまず文字の鉛を1文字ずつ選び並べ、その後ローラーでインクをつけ一枚ずつ印刷します。授業で事前に勉強していた分映像で観ていたことを自分で体験でき、かなり時間がかかっていたのではないかと当時の感覚を感じることができました。全て手作業で行われていた一昔前の活版印刷。とても貴重な経験になりました。(歴文2年I・Aさん)

末尾ながら、昨年度に引き続きお世話になりました印刷博物館の方々、特に学芸員の中西保仁様には厚く御礼を申し上げます。