原典講読でリヒテンシュタイン展を鑑賞しました [2020年01月10日(金)]

西洋史の山本です。こんにちは。

私が担当している「原典講読」という授業は、おもに西洋史ゼミへの所属を希望する2年生を対象としたもので、西洋史関連の日本語や英語の文献を輪読したり、受講者各自が関心があるテーマを報告してもらったりしています。また「手で考え、足で見る」という歴文のモットーに基づき、羽ペンや羊皮紙を作るような実習型授業にも力を入れています。

今回はそうした試みの一貫として、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「リヒテンシュタイン展」を鑑賞しました。ご存知の方もいると思いますが、リヒテンシュタインは人口3万5000人程度の「ミニ国家」であり、リヒテンシュタイン侯が実質的な国家元首を務めるユニークな国家です。リヒテンシュタイン家は14世紀から20世紀初頭までハプスブルク家に仕えており、優れた芸術工芸品を蒐集することを家訓としていたとか。今回の展覧会ではその非常に貴重なコレクションを味わうことができまた。

鑑賞風景1(撮影可能エリアにて)

以下では学生の学生をご紹介します。

…現在世界で唯一、家名が国名になっているのはリヒテンシュタイン侯国だけである。その伯爵家の人々が長年かけて集めてきたコレクション。明るく、華やかで癒される作品が多いように感じた。そこから、今も昔も美術は人々に大きな影響を与える力をもっていることがよく分かった…。(歴文2年Aさん)

…一番興味深かったのは中国で生まれた景徳鎮にブロンズの装飾金具が付けられた陶磁器である。他国で生まれたものに改めて装飾を加えるというのは今までに見たことがなかった。東洋の技術で絵付けされた壺に西洋のデザインの装飾を付されているというのは調和しない気もするが、描かれた絵と金具の桑の実などが綺麗に噛み合い、一つの作品として成立しているのが見ていて何とも不思議な心地にさせられた…。(歴文2年Bさん)

…今回展示されていた花卉画はどれも写実的で、鮮やかな色彩と色々な種類の植物が一枚の画面に収められている様は、たしかに人目を惹く。展示解説によれば、リヒテンシュタイン侯フランツ一世は「花の皇帝」と呼ばれていたそうだ。昔の皇帝が現代人と同じく花卉画に魅了されていたと考えると、花卉画は流行に左右されない、普遍的な美しさを持つテーマの一つなのかもしれない。画家ごとに花卉画を見比べると、花・果実・動物の描き分けに秀でた者、葉の表現が肉厚な者、花を挿している磁器や金属の表現が細密な者、明暗の効果で大胆に花を魅せる者、とそれぞれの個性よく表されていて面白かった…。(歴文2年Cさん)

鑑賞風景2(撮影可能エリアにて)

昭和女子大学の歴史文化学科では、一年次より「博物館・美術館の見方」を徹底的に教え込んでおり、また最近ではテンプル大学との連携したグローバルな企画も積極的におこなわれております。そうした教育の成果か、芸術に作品に対して主体的かつ真摯な態度で向き合い、そこから多くの情報を読み取ろうとする学生が多い印象を受けました。西洋史に限らず歴史文化に関心があり、それを深く味わう方法を学びたいと考えている受験生の方がいましたら、ぜひ「昭和の歴文」を検討してみて欲しいと思います。