「原典講読」での実習型の授業例 [2020年12月01日(火)]

西洋史の山本です。受験生の皆さん、こんにちは。

目下の「コロナ禍」により大学生の活動が大幅に制限されており、ほとんどの授業がオンラインという学生もいるそうですね。しかし、「手で考え、足で見る」とモットーとする昭和女子大学の歴史文化学科では、感染症対策には十分配慮した上で、実習的な学びの機会が引き続き提供されています。

ここでは私が担当している「原典講読」という授業の実施例を紹介しましょう(この授業の位置付けについては、過去の記事をご参照ください)。

10月は「印刷博物館」(東京都文京区)を見学しました。折りしも同博物館はリニューアルしたばかりで、見やすいレイアウトで展示される貴重な資料を見たり、付属施設の「印刷の家」で活版印刷の体験学習をおこないました。

「印刷の家」での実習風景

こちらも人数制限や手洗い、マスク等の感染症予防の準備をして臨みましたが、印刷博物館では鑑賞や体験の機会を保ちつつ徹底的な対策が採られており、学生たちは安心して学ぶことができました。印刷博物館の皆さんには、心より御礼を申し上げます。

「活字」を拾い「組版」をおこないます

なお、今回、ご説明いただいたのは、リニューアルにともない新たに設置された専任のガイドスタッフの方でした。とても素晴しいプレゼンテーションで聞き惚れておりましたが、後で聞くとなんと昭和女子大学のOGであるとか。本学出身の人材の豊かさを感じました。

 

11月は本学の付属図書館が所蔵する貴重書(中世写本等の精巧な複製品)を使った実習をおこないました。使用したのは、「リンディスファーン福音書」(BL, Cotton, MS Nero D. IV)、「ケルズの書」(Dublin, Trinity College, MS 58)、「ヴェリスラフ聖書」(Czech, NL, MS XXIII, C. 124) などの豪華写本と、グーテンベルクの「四十二行聖書」(Berlin, Staatsbibliothek preußischer Kulturbesitz) の複製品――といっても自動車が買えるくらいの値段がします!――です。

「ケルズの書」の複製品

この授業ではまず、私による各資料の説明を聞いてもらい、そしてこれらの資料の形状や内部の表現を観察してもらいます。その上で、日本語やラテン語(ウルガータ)の既存の聖書を参考にしながら、それぞれの資料の該当箇所を探してもらうというワークをおこないました。

聖書の該当箇所を探すワーク

学生たちはラテン語はまったく習っておりませんし、そもそもアルファベットの形状(「インシュラー体」など)も我々が使っているものとは大きく異なるため大変かなと思いましたが、さすが歴文の学生は勘とチームワークがよく、すべての資料で正解に辿りつくことができました。

聖書の一般的な参照方法は使えません

なお、この「原典講読」では実習型ではないオンライン授業もおこなっておりますが、通常の授業をそのままやるのではなく、オンラインならではの工夫を凝らしています。今期はヴィクトリア朝のロンドンに関する洋書を読んでいますが、ただ英語を訳すだけではなく、オンライン情報を駆使して本書のなかで論じられている場所の現在と過去の姿を突き合わせながら読み進めてます。

今期の講読テキスト

今月(12月)には事前予約制で来場型オープンキャンパスが実施される予定です(歴史文化学科は12月12日です)。昭和女子大学の「歴文」に興味がある受験生の方は、ぜひお越しいただければと思います。