戦後史史料を後世に伝えるプロジェクトの顧問の松田忍(日本近現代史)です。戦後史PJの紹介を致します。
昭和女子大学では、2022年度からアーキビスト養成プログラムを新設し、資料の収集・分類・管理・保存・活用にあたるアーキビスト人材の育成を開始いたしました。特に、日本のアーカイブズの現状においては、ただ資料を保存するだけではなく、社会に向けて資料の価値を発信することのできる人物の育成は急務になっているものと思われます。
そうした教育活動の一環として行われているのが、「戦後史史料を後世に伝えるプロジェクト」(以下、戦後史PJ)です。戦後史PJは、歴史資料の活用を学生たちが実践的に学ぶプロジェクトとして2018年度に立ち上げられ、2021年度の光葉博物館における秋の特別展「被爆者の足跡―被団協関連文書の歴史的研究から―」をはじめ、研究のパネル展示や市民講座での研究発表などをこれまで10回以上重ねてきました。
戦後史PJの醍醐味は、学年の壁を越えた徹底的な議論です。1枚の展示パネルを作るのにも、一つ一つの事実確認、一言一言のニュアンス、展示全体のバランスを考えて、徹底的に議論します。昨年11月の秋桜祭で発表した「被爆者の『選択』」展を準備した際のミーティング資料を例に挙げてみます。
参加メンバーから出された意見で真っ赤になっていますね。展示プランを何度も叩いては作り直し、完成度を上げていって展示する、研究プロセスを体感できるのが戦後史PJです。また今まで立正大学、東京外国語大学、お茶の水女子大学、明治学院大学の学生が参加してくれており、大学の垣根を越えた議論をすることも可能です。
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一つ前の記事で、海老原さんが紹介して下さった企画展は、戦時期の青年の日記を直接読んで「戦時を体感できる」企画展として、準備してきました。この企画展もまた学生たちが議論を重ねて、選び抜いた史料が展示されています。
歴文生だけではなく、4月から歴文に入学することになっている皆さんも是非ご来場下さいませ!