2023年度 ヨーロッパ歴史文化演習記③

歴文2年の大川陽向です。
2024年3月に実施されたヨーロッパ歴史文化演習の中から、ヴェネツィア大学での講義についてお伝えします。

まずは、今回の合宿で一番楽しみにしていた、ヴェネツィア大学での講義を万全の状態で受けることができて本当によかったです。初めてのヨーロッパ訪問で景観や美術品なども楽しみでしたが、この学びの時間は今の自分には学校でのプログラムでしか体験することができないので、特に楽しかったです。講義全体を通して、これまで見たことのある資料や地図もありましたが、それらを時代の流れに沿って見ていくと、新たな発見や現代に残る知識の一部が垣間見えて面白かったです。また、地図の作成に関わった人物の活動や、時代の変遷・流行などといった思想面も交えて見ていくと、より歴史を深く感じ、理解することができました。 また、湯上先生が通訳してくださったところを見ながら、イタリア語やラテン語にも興味を持ちました。知識や視野を広げるためにも大学生の間にある程度の言語能力を身につけていこうと思います。

講義が終了した後の質疑の時間では、西洋史ゼミの先輩方が活躍していた姿に驚きました。後から質問内容を聞けば、「確かにそうだ」と納得できましたが、講義を聞いた直後にそうした質問に至るまでの発想が自分にはできませんでした。講義で教わった事実とその過程を理解して頭の中で組み立てるだけではなく、その過程に至るまでの過去や述べられなかった他の地域や文化とのつながり、そして、その後の状況も想像できるようになりたいと思いました。

今回の講義では、特にマルコポーロによる記録がおとぎ話や作り物のように消費されていたにもかかわらず、大航海時代後に実際の地球上の様子が人々に知覚されるまで、さまざまな形で拡大解釈もされ、受け継がれていた事実に驚きました。人と人とのつながりや資料や記録類を大切に扱うだけでなく、後の時代にも受け継がれていくという意識を持つことの大切さを学べました。今回のように「モノ」に焦点を当てた講義から、自分にとって新しく、異なる視点を学ぶことができました。今回得た学びを忘れず、大切にしながら今後の学びにも繋げていきたいと思います。

特別な場所で特別な方から受ける講義は、気が引き締まり、言葉一つ一つの重みも普段とは違うような感覚でした。とても貴重な経験でしたが、普段の講義や資料も特別な機会や記録であることは変わりないので、日々の時間を大切にし、自分の学びをより深めていきたいと思います。2年生に進級する前に自分のやりたい内容や動機を改めて考えるいい機会にもなりました。また、授業の楽しさや新しいことを学ぶことの面白さを再確認することができました。