6月2日(日)に歴史文化学科5名で神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)で行われた神奈川県民俗芸能保存協会令和6年度民俗総会並びに下中座若手発表会に参加しました。
相模人形芝居下中座の方々の公演をリハーサルの段階から撮影・見学をさせていただきました。
令和6年度民俗総会には、伝統芸能の家元でもある会長の方や数多くの当協会関係者や民俗芸能の継承者の方々が集まり、師範資格の取得を讃える表彰式も行いました。
民俗総会の後半は、プロジェクト長がインタビュアーとなって、相模人形芝居下中座の継承者の金窓さん、市川さん、山木さんにインタビューを行いました。
インタビューの内容をご紹介します。
―下中座に入られたきっかけは?
金窓さん 中学校の顧問の先生に誘われて入りました。
市川さん 高校に相模人形部があり、高校1年のクラスの担任の先生がその部活の顧問の先生でした。
山木さん 音楽が好きで、高校の相模人形芝居部で担任の先生に三味線を弾かないかと勧められて入部しました。
―人形芝居を行う中で楽しいと感じる瞬間や、やりがいは何でしょうか。
金窓さん 公演後のお客様とのコミュニケーションです。お客さんからの声が活力ですね。年配の方から子どもの頃に見たものを見れて良かったと言われたことがあります。また、下中座の空気があたたかくて居心地がいいです。
市川さん 人形を遣うことの楽しさです。人間が男性でこの見た目なら演じる役も限られてしまいますが、人形では老若男女どんな役も演じられます。悪役やお姫様など様々な役を演じて普段自分にない人格を感じられます。生活の中で、この役だったらここはこう感じるのだろうなと思ったりしますね。それがまた面白いです。
―老若男女の役を演じられるとのことですが、特に印象に残っている役や難しかった役はありますか?
山木さん ジャズと猫の人形劇を演じたときに、人と動物の違いを感じました。セリフがないので動きで感情を表現します。悲しかったら、目を閉じて表します。一つの動きに工夫することで表現の幅が広がることを実感できました。
―これまで人形芝居で大変なことや、心配なことはありますか?
金窓さん 年齢が心配ですね。後継者が少ないことも心配です。
市川さん ほっといたら後継者はいなくなってしまいますから、興味を持ってもらいたい、知ってもらいたいですね。
山木さん 後継者が少ないのでアピールをしていきたいです。コンクールや大会、発表会などわかりやすいゴールを示してあげれば、若い子たちにも興味を持ってもらえるのではと思います。
―今後の目標を教えてください!
金窓さん 年齢関係なく、下中座に入ってほしいです。体力面でも力があると思うので、20代から30代あたりの方々に入ってもらえるといいですね。
市川さん 常時30人ほど、合計50人くらいで活動したいです。単発や各年でお手伝いできる方々と中心となって活動する方で取り組めば、活動の幅が広がるのかなと思います。
山木さん 年に4回下中座便りをSNSで発信していきたいです。
下中座の皆さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました。
更なるご活躍を期待しております。