6月16日(土)特殊研究講座「心の理論と発達」

特殊研究講座は、各学科の専門研究について、他大学の教授や研究機関の研究者、著名人など一流の識者を講師に招いて開かれる講座です。学識豊かな内容に触れることで専門研究に大きなヒントが得られます。

今年度、心理学科の第一回目は、京都大学大学院教育学研究科教授の子安増生先生をお招きしました。京都大学大学院教育学研究科博士課程のご出身で、愛知教育大学の助手、助教授、京都大学教育学部の助教授、教授を得て、現職に就かれました。現在、日本発達心理学会理事長も務めていらっしゃいます。主な著書に「心の理論」(岩波書店)、「幼児が『心』に出会うとき」(有斐閣)などがあります。

今回はご専門である幼児期の子どもの心の発達を中心にお話していただきました。幼児を対象とした心理学実験や観察研究などにおける具体的な子どもの反応がたくさん紹介され、子どもの姿がいきいきと伝わる内容でした。他者の心を理解できるようになることはよい側面だけでなく、相手にウソをつくことができるようになるという側面もあるのだということなど、子どもの発達を考える上で重要な観点をいろいろ学ぶことができたと思います。今回の講座を通して、これまで発達心理学にあまり関心がなかった学生にも、少しは発達心理学に興味を持ってもらえたのではないでしょうか。

文責:田村綾菜