ボストンサマーセッション心理学プログラム

ボストン・サマーセッションは、8月の中旬から9月上旬まで、約1カ月のプログラムです。

2012年度の心理学プログラムへの参加者は全9名で、
心理学科からは2年生4名、3年生4名が参加しました。
平日は基本的に午前中は英語の授業、午後は心理学の授業を受けます。
週1回、Field tripとして学外の施設に出かけることもあります。

以下に、今年のサマーセッションに参加した学生のレポートの一部をご紹介します。

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Lectureでは臨床心理学から学んだ。日本とアメリカでは異なる病気もあるらしく、例えば対人恐怖症という病気は日本独自の病気なのだそうだ。アメリカでも似たような病気はあるが、それは対人ではなく社会に対して恐怖を抱いてしまう病気だという。また、人格障がいについても、今まで名前は聞いたことがあるだけだったものについても詳しく学んだ。

LectureとGuest speakerの講演を通して、日本とアメリカの大きな違いを感じた。それは、カウンセリングである。アメリカではカウンセリングに通うことは普通のことで、恥ずかしいからといって隠す素振りもないのだという。逆に日本では、カウンセリングに通っていること自体珍しく、私はカウンセリングに通っていると声に出す人は少ないだろう。何でもアメリカの様になれば良いというわけではないが、カウンセリングが身近なものであるというのは社会に出て辛い思いをしている人の助けにもなるのではないかと思った。

Field tripではPerkins School、Psychiatric Rehabilitation Center、Children’s Hospital、Tufts University、Harvard Universityへ講義を受けに行った。Perkins School、Psychiatric Rehabilitation Center、Children’s Hospitalは障がいのある赤ちゃんから大人が通うそれぞれの施設で、実際を見てきたが、どの施設も受け入れ態勢が万全で、障がいがあるから・・・と後ろ向きになるのではなく、むしろ障がいがあるからこそできることを見出そうとしているように感じられた。

街を歩いていても、ボストンでは街中全体がゆったりとした空気に包まれていて、電車も時刻表がなく、突然行き先が変わったりもする。東京ではみながいそいそと早歩きをし、まるで行進でもしているかのように歩いている。これらは習性、文化の違いなのかもしれないが、自分は同じ時間を過ごすなら東京のきつきつした時間よりもボストンの流れるような時間を過ごしたいと思った。

サマーセッションに行く前は不安で仕方なく、なぜ行くことにしてしまったのだろうとまで思っていた。しかし、サマーセッションに参加した人にしか味わえない、かけがえのない時間を過ごすことができた。英語があまりにもできなくて本当に落ち込んだが、できないのではなくやろうとしていないということに気づき、積極的に話してみようと前に進むことができた。

また、今回のサマーセッションは若いうちにアメリカを感じたい、アメリカの心理学事情を学びたい、長期間親元を離れてみたい、というのが主なきっかけであった。内気な自分としてはとても大きな挑戦で、不安でいっぱいだったが、その不安を上回るほどのいい時間を過ごすことができ、自分を見直す時間にもなった。今まで大きな挑戦はせず、なるべく平穏でいようと生きてきたが、挑戦することでこんなにも自分の中が変わることができた。これから様々な出来事が待っていると思うが、今回学んだように勇気を出して一歩踏み出すことを恐れないで前へ進んでいきたいと思った。
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授業終了後や週末は自由行動ですが、
ニューヨークやナイアガラの滝などへのオプショナル・ツアーに参加することもできます。
大変充実したプログラムになっており、参加した学生にとって大変有意義な1ヶ月となったようです。

文責:ボストン研修委員(田村綾菜)