2021年度 公認心理師科目「心理実習」科目紹介

心理学科では,2021年度から公認心理師養成カリキュラムにおける「心理実習」が開講されました。
これにより,大学における必要な科目(25科目)がすべて開講され,すでに対応している大学院と合わせて,大学も公認心理師養成カリキュラムへの対応が完了しました。

大学における公認心理師養成カリキュラムは以下の3つに大きく分けられます。

  1. 心理学基礎科目(6科目)
    心理学,臨床心理学の概論や実験,統計,研究法,公認心理師の概要について学ぶ
  2. 心理学発展科目(17科目)
    知覚・認知心理学などの基礎心理学や教育・学校心理学などの実践心理学,身体疾患や精神疾患,関係する法律について学ぶ
  3. 実践演習科目(2科目)
    心理的支援を要する人たちとコミュニケーションをする方法や心理検査を模擬的に練習したり,実際に医療機関や教育機関などへ実習に行くことで,支援の実際を体験的に学ぶ

参考:野島 一彦(編)(2018). 公認心理師養成大学・大学院ガイド 日本評論社
※本学の大学,大学院の案内も掲載されています

「心理実習」はこの内,「C.実践演習科目」に該当し,実際に公認心理師が働く外部機関で実習を行います。
実習では,これまでに講義や演習を通じて学んだ知識をもとに,公認心理師の支援の実際に触れながら,職業倫理法的義務,他の専門職や支援機関と連携をすることの大切さを学ぶことが目的となっています。

心理学科では,公認心理師が働く以下の主要5分野すべての施設で実習を行う予定です。

  • 保健医療…精神科病院,クリニック
  • 福祉…障害福祉サービス事業所,障害児相談・通所支援事業施設
  • 教育…教育センター
  • 司法・犯罪…少年鑑別所
  • 産業・労働…地域障害者職業センター

現在,「心理実習」の授業では,外部機関での実習に先立って“事前学習”をしています。

単なる見学で終わりになってしまわないよう,実習先の施設について,設置根拠となる法律や関連する法律,設置理念,支援対象の範囲,連携する他職種(医師,看護師,精神保健福祉士,社会福祉士など…)や他機関などを,各施設や関連省庁のWebページ,参考図書をもとに,グループごとに調べた上で発表を行っています。

事前学習用の貸出PCキャビネット・文献ラック

4月当初は感染症対策を徹底した上で対面で行っていましたが,現在は緊急事態宣言発令に伴い,オンライン上でのグループワーク,発表に切り替えています。

事前学習風景 対面
事前学習風景 オンライン

Google スライドを活用することでオンライン上でも相談しながら共同編集が可能となり,外部機関での実習に備えて着実に学習を進めています。

(心理実習担当教員)


心理実習の実施模様についてはタグ「心理実習」をご覧ください。
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