佐原正先生に特別講義をしていただきました

先日,初等教育学科1年生の必修科目「教育学基礎演習Ⅰ」の特別講義として,元昭和女子大学附属昭和中学校・昭和高等学校教頭の佐原正先生をお招きして,「教員を志す方々のために」と題して,ご講演いただきました。

ご講演は,「戦前・戦中の日本の教育を振り返って」「敗戦後の日本の状況と教育改革」「人見楠郎先生の教育理念とその実践」という3つの柱からなり,先生ご自身の体験に基づいて,戦前・戦中・戦後の我が国の状況と教育の在り方がどのようであったか,どのように変化してきたかをご説明いただいた後,昭和学園の基本となってきた人見楠郎先生の教育理念とその実践について,様々な面からご説明いただきました。学校の価値とは,どれだけ児童・生徒・学生を成長させたかにあり,児童・生徒・学生の「体・徳・知」の成長を常に第一に考えなければならないという「児童・生徒・学生第一主義」のお話,また,学校教育においては,すべての教科が大切なのであって,「主要教科は全教科」であるというお話,そして,教育には不易と流行があり,変わるべきものと変わってはならないものがあるというお話は,これから教職を目指して学ぶ学生にとって,大切な指針となりました。

佐原先生には,毎年,初等教育学科の1年生向けのご講義をお願いしていますが,今年度は,附属昭和幼稚園・昭和小学校・昭和中学校・昭和高等学校の先生方約30名も教員研修の一環として聴講なさいました。来年米寿をお迎えになる佐原先生の長年の教師経験に基づくお話は,すでに教職にある者にとっても,自らの教員生活を省察する貴重な機会となりました。