心と身体と現実のつながりを知る

5月24日(火)の「教育実践研究」の授業では、武道家で心体技法(しんたいぎほう)の創始者である米山俊光氏にお越しいただき、「心と身体と現実のつながり」について学んだ。

米山氏は、武道家であるが、20年間警察官として働いた経験がある。事件現場で犯人と対峙する際に不思議な体験をした。それは、自分の気持ちが整っていると、まるで犯人が捕まえてくださいというかのごとく事件は解決し、自分の気持ちが不安や怒りで乱れていると命を落としそうにもなったという経験だった。

「事件現場と自分の気持ちに何か関係があるのか」を様々に探求・実験してきた。その結果わかった「心の状態がどう現実に影響を与えているか」について、誰でも身体を使って体験できるように考案したのが心体技法である。

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この日に行ったのは、心体技法のうち以下の5つのメニューである。

  1. 介護
  1. 持ち上げ
  1. 可動域
  1. 愛は勝つ
  1. 「教えてあげる」感覚と「一緒に学ぼう」感覚

 

学生たちはペアになり、「イライラしている時」と「やさしい気持ちでいる時」とで、相手の重さがどう変化するかを体験した。

また、一人の人がとてもイライラしていても、もう一人の人からやさしい気持ちで関わられると、そのイライラが保てなくなってしまう「愛は勝つ」という実験も行った。

さらに、「教えてあげる」という気持ちと、「一緒にやろう」という気持ちでは、相手の重さが、どう違ってくるのかも体験した。

 

以下は、この日の授業を体験した学生の感想である。

○他人に対してやさしく接することが大切であるというのは、幼少の頃から皆教わっていることだろうし、当たり前のことであるが、それは道徳観として教わってきただけであり、実際に現実にどのような影響が及ぶのかということまでは教わらなかった。そのため、こんなにも顕著に効果が現れるものなのだろうかと、とても驚いた。

○私は、将来教育者になる身として、今回の驚きや発見を決して忘れない。子どもと接するときに落ち込んだり、イライラしていたり、子どもに対して上から目線で接したりすることで、子どもはきっと私から離れていくのだろうということが、今日の実験で十分理解できた。

 

この授業体験を手がかりに学生たちは日常生活の中で、「やさしい気持ち」で生きると現実がどう変化するかの実験・実践に挑戦をしている。

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