栄養成分表示の裏側にある科学を体験!見慣れたジュースから学ぶ「鉄」の定量実験 (食品学実験)

みなさん、こんにちは。食安全マネジメント学科です。

本日は、2年生前期の「食品学実験」をご紹介します。

前週に引き続き「鉄の定量」を行いました。

前週は市販の鉄強化飲料の鉄含有量を、検量線を作成して算出しました。

今回は同じ飲料を用い、「添加回収試験」と「測定原理の確認」に挑戦です。

 

🧪添加回収試験: 分析の正確さを確かめる

「添加回収試験」とは、分析法 (操作) がどれだけ正確かを確かめる方法です。

試料にあらかじめ分かっている量の鉄を加え、加えた分がきちんと検出されるかを調べます。

ピペット操作のわずかなズレが結果に響くため、学生たちは真剣そのもの。

自分たちの実験操作がどれだけ正確に行われていたかを客観的に評価する、大切なプロセスです。

実験で使用した鉄強化飲料と、ずらりと並んだ試験管。
向かって左側の5本は、濃度の基準となる「ブランク (蒸留水) と鉄標準液」です。
右側の2本は「ジュースに鉄を添加したもの(右)」と「添加していないもの(左)」で、後から加えた鉄がどれだけ正しく回収できているかをこの色の濃淡から検証します。

🧪測定原理の確認: なぜ「還元」が必要?

この実験では、鉄と試薬が反応してできるオレンジ色の錯体を測定します。

今回は、2価鉄と3価鉄を用いて反応性の違いを比べました。

2価鉄: 還元しなくてもすぐ試薬と反応してオレンジ色に。

3価鉄: 還元剤 (アスコルビン酸) を加えないと反応しません。

この実験から、なぜ分析のプロセスで「還元」が必要なのかを視覚的に学びました。

鉄の性質と反応性を比較した試験管。左側の2本は「ブランク (蒸留水) と一番濃い標準液」です。中央の2本 (2価鉄) と右側の2本 (3価鉄) を比べると、「還元剤 (アスコルビン酸) を入れたもの (各右側)」と「入れていないもの (各左側)」で、見事に色の出方が分かれているのが分かります。

🧪社会に活きる科学の目

ちなみに、食品中の鉄を測るアプローチには、今回行った「吸光光度法」のほかにも、機器を用いた「原子吸光光度法」など、さまざまな世界基準の手法があります。

対象となる食品の特性に合わせて最適な方法を選択するのも、プロの大切な仕事です。

単に数値を出すだけではなく、そのデータの信頼性を検証し、専門的なアプローチ手法まで考える。

当学科では、こうした実践的な実験を通して、食の安全を支える論理的な思考力を養っています。