案ずるより産むがやすし!! みなさんも中国の大学で働いてみませんか?

本大学院修了後、中国・上海で日本語教師として活躍している島田友絵さんからの投稿です。

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2017年の2月、修士時代の恩師から突然連絡がきました。それまで自分の中に全くなかった「中国」という選択肢だったのですが迷っていられる時間はなく、あれよあれよという間に手続きが進み、2017年8月28日、私は上海浦東空港に降り立ちました。それから2年が過ぎ上海生活3年目を迎えました。

私が教師をしている華東師範大学は、日本ではあまり知られていないかもしれませんが、中国ではトップレベルにある総合大学です。私は日本語学部の外国人教師という立場にあり、会話、作文、日本概況(歴史、地理、文学、社会事情)、4年生の精読(日本の中高の現代国語に近い内容)、大学院生の作文(論文の書き方)を担当しています。その他に、4年生の卒業論文指導(3名くらい)、年に数回の国内外スピーチ大会や作文コンクール等の指導があります。初級のレベルは中国人の先生が担当されるので、教えるのは中級から上級レベルの学生です。中国の大学には専攻振分け制度というものがあり、日本語学部の学生のほとんどは日本語が第一志望ではありません。もちろん大学生なので入学後の学び方は自己責任なのですが、仕方なく?日本語学部にきた学生達が意欲的に学べる授業を工夫するのは、難しくもあり楽しくもあります。

【華東師範大学キャンパス】

私はそれまでに年少者に日本語を教えた経験はありましたが、大学生には教えた経験がなかったので、出発前はとても不安で緊張していました。そんな時、

「日本から来た日本人にしかできないことをやればいい、公立学校やブラジル人学校での教員経験を活かして自分にしかできないことをやればいい」

と恩師に言われ、肩の力が抜けました。この言葉は今も心の支えです。


【教室から見た桜】

また、私が住んでいるのは大学の専科楼という宿舎で、上海の中心地に近いキャンパスの中にあります。寝室、書斎、キッチン付のレジデンスホテルです。キャンパス内に美味しくて安い学食がいくつもあるので、家ではあまり料理をしません。授業がある日はスクールバスで約60分離れたキャンパスまで行きます(週に6〜7コマ、週3)。夏休みと冬休みは日本に帰るので、年に3ヶ月日本、9ヶ月上海という生活です。

【学生寮】


【学生食堂の食事】

今、いろいろな意味で急激に世界が変わってきています。2017年から現在までの変化も大きいと感じます。着任からの2年間で学生の雰囲気も変わりました。そのような中国の、日本の変化を日本の外から内からみるのも興味深いことです。

今でも文化の違いを感じ戸惑うこと、悩むこともありますが、2年前の決断に後悔はありません。案ずるより産むがやすし。皆さんもぜひ新しい世界に挑戦してください。

華東師範大学外語学院日本語学部 教員
島田友絵
(昭和女子大学大学院文学研究科 修士課程修了・博士課程満期退学)