【専門職大学院】日韓国際シンポジウムを開催しました

「現場の福祉実践から描く包括的支援体制 ― AIと人間の共創へ ―」

2026年6月27日(土)、昭和女子大学において、日韓国際シンポジウム「現場の福祉実践から描く包括的支援体制 ― AIと人間の共創へ ―」を開催しました。

当日は台風の接近が心配される中ではありましたが、会場・オンラインを合わせて100名を超える皆さまにご参加いただきました。

本シンポジウムは、昭和女子大学人間社会学部福祉社会学科と韓国・済州特別自治道社会福祉協議会との国際交流協定締結を記念して開催されたもので、昭和女子大学専門職大学院 福祉社会・経営研究科 福祉共創マネジメント専攻との共催により実施しました。


開会・趣旨説明

開会では、本学専門職大学院福祉社会・経営研究科長の髙橋 学教授より、AIと人間が共創する社会における福祉専門職への期待について、ビデオメッセージによるご挨拶がありました。

続いて、ファシリテーターを務めた奥貫妃文教授より、本シンポジウム開催の趣旨が説明され、日本と韓国の実践を通してAI時代の包括的支援体制について考える意義が共有されました。


事例発表

①介護の現場から
韓国の介護政策の現在とAI時代の対応課題

オ・ユンジョン氏(済州研究院済州社会福祉研究センター長)

韓国における超高齢社会への対応や地域包括ケア政策、AIを活用した地域ケアの現状および方向性についてご講演いただきました。

AIを活用した福祉施策の現状だけでなく、個人情報保護やアルゴリズムの公平性など、AI時代ならではの対応課題についても紹介され、制度づくりの重要性が示されました。


②孤独死予防の現場から
AIを活用した中高年及び独居高齢者の孤独死予防の事例と課題

クオン・ミエ氏(アラ総合社会福祉館長)

韓国の済州地域におけるAIロボットやスマートウォッチなどを活用した見守り、高齢者へのデジタル支援など、地域に根ざした実践をご紹介いただきました。

「AIは人を代替するものではなく、人と人とのつながりを支えるための技術である」というメッセージが印象的でした。


③障害者職業リハビリテーションの支援現場から
AIと一緒に働く「生産型障害者就労モデル」

オ・ヨンスン氏(障害者職業リハビリテーションセンター「仕事学びの場」園長)

障害のある方が描いたイラストをAIで展開し、商品デザインやパッケージ制作につなげる取組など、AIを活用した新たな就労支援について紹介いただきました。

AIが創作を代替するのではなく、一人ひとりの可能性を広げるツールとして活用されている事例は、多くの参加者の関心を集めました。


④相談支援現場から
AIを活用した福祉相談支援

櫻井昌佳氏(株式会社ZIAI 代表)

日本の取り組み事例として、株式会社ZIAIが開発した自治体におけるAI相談窓口の取組をご紹介いただきました。

AIが相談を受け止め、必要に応じて支援者へつなぐ仕組みや、「AIは傾聴と共感を担い、支援は人が行う」という考え方についてお話しいただきました。


パネルディスカッション

事例発表後にはパネルディスカッションを実施し、AI時代における福祉専門職の役割や、人だからこそ担える支援について活発な意見交換が行われました。

コメンテーターの山本雅章特命教授からは、各発表を踏まえた示唆に富むコメントが寄せられ、日本と韓国双方の実践をつなぐ議論が深められました。


最後に

閉会にあたり、坂東眞理子総長より、本シンポジウムで得られた学びを今後の教育・研究、そして福祉実践へとつなげていくことへの期待が述べられました。

本シンポジウムは、日本と韓国の実践を通して、AI時代の福祉のあり方を多角的に考える大変貴重な機会となりました。

ご参加いただいた皆さま、ご登壇いただいた皆さま、そして開催にあたりご協力いただいたすべての関係者の皆さまに、心より御礼申し上げます。