2014年9月

平成26年度第1回FDサロン報告(平成26年7月9日実施) [2014年09月26日(金)]

日時:平成26年7月9日(水)15:00~16:00
場所:学園本部館大会議室/中会議室

 本年度のFDサロンは、「アクティブ・ラーニングの実践にむけて」という統一論題の下、参加教員が3グループに分かれ、本学教員3名による実践例の紹介とディスカッションを行った。

メインテーマ:「アクティブ・ラーニングの実践にむけて」
第1グループ 「”リアルタイム”ではない参加型授業(リアクションペーパーを活用した反転授業)」
須永哲矢専任講師(日本語日本文学科)
第2グループ:「学生を動かす3つの作戦(リスニング、プレゼン、リサーチ強化)」
杉橋朝子専任講師(英語コミュニケーション学科)
第3グループ:「オンラインを活用したアクティブ・ラーニング」
保田隆明准教授(ビジネスデザイン学科)

 第1グループの参加者は18名で、ディスカッションは9名ずつ2班にて実施した。須永講師は、学生に課すリアクションペーパーを基に毎回の講義資料を作成し、図説と共に学生の「声(雑談的なものも含め)」を掲載する工夫を行っており、その実践例が紹介された。この活動は、学生の特質に合わせた参加型授業としての「ゆるやかなアクティブ・ラーニング(ゆるやかな反転授業)」の試みであり、学生が抱える課題を把握できるだけでなく、学生に励みを与え、学生間の連帯意識や講義への参加意欲を高める効果をもたらしている。また、「リアルタイムでの積極性を求めること」からは漏れてしまう内気な学生の意見を掬い取る効果もある。
 ディスカッションでは、リアクションペーパーをさらに学生にフィードバックさせることの重要性が取り上げられた。ラジオで葉書を読むコーナーのように、学生が授業中に書いたリアクションペーパーの内容が、翌週の配布プリントに反映されるということは、学生が授業に参加する際の動機づけや、教員との信頼関係醸成に有効といった意見が出された。リアクションペーパーを、従来のように学生の理解度を把握し、論理的な論述の訓練を行う素材として用いるだけでなく、学生とのコミュニケーション手段として活用する工夫に関心が集まった。

 第2グループでは、杉橋講師の案内で、プレゼンテーション強化法を参加教員が体験した。まず、参加教員が2班に分かれブレイン・ストーミングを行い発表した。次に、3名の小グループに別れ、1分間で各々が自己紹介した後、1名を残して時計回りと反時計回りに席を移動し、50秒、40秒と徐々に時間を短縮して実施した。杉橋講師は、この手法を、学生が手持ち資料なしに主張を相手に伝える練習に活用している。最後に、授業のビデオを放映し、ポスターセッション演習の模様が紹介された。学生は、発表担当と質問担当に分かれ、パワーポイント(PechaKucha20×20)を用いて20秒間で内容を要領よく説明する訓練を行っていた。
 ディスカッションでは、アクティブ・ラーニングの導入によって学生の参加を期待できる反面、教員から提供できる情報量(知識量)が減る可能性があるが、基礎力強化を目的とする場合や資格取得を目的とする場合、それぞれにどのように応用できるかなど、実践の講義運営を意識した論議が行われた。

 第3グループは参加者15名で、保田准教授から、オンラインツール(YouTube)を活用し、授業欠席者への補足用や復習用として授業動画をアップし、学生に授業外での学習を促す反転授業の実例紹介がなされた。アクティブ・ラーニングには、①One to massから双方向へ(iPadやLineの活用)、②学生同士の相互学習(グループワークやディスカッションには座席が島状になること)、③学生の頭の中の見える化(Facebookで今日の授業で学んだことを書いてもらう)の3つの目的がある。アクティブ・ラーニングの導入によって、授業改善アンケート比較で理解が深まったという意見が見られたこと、学生の反応が教員の刺激となること、学生の授業外での学習時間が増え満足感が高くなったことなどの効果が認められたとの報告があった。
 ディスカッションでは、保田准教授から、アクティブ・ラーニングでは教員の授業準備時間と労力が増加すること、学生の履修人数の多少はアクティブ・ラーニングの方法に影響していないこと、グループワーク時の人数は4人が望ましいこと、グループ分けは教員がバランスを見て行っていることなどの補足説明を受けて、主に学生の積極性について論議された。女子大生の特性としての「目立ちたくない」心理に関連して、学生の個性を活かした対応方法と、逆に全学生を平等に扱った場合の利点と問題点について、参加者からも具体例が示された。FacebookやLineを使用する場合、グループワークを行う場合、いずれも学生から質問させる契機となりうるが、時代の流れは速く、今有効なツールが数年後も有効とは限らないといった問題提起もあった。

 各グループ共に、参加教員の関心、意識が高く、学生を積極的に授業に参加させる方法を考え実践することが必要という認識を共有できた点で有意義なサロンであり、今回紹介された手法をヒントとして、アクティブ・ラーニングの利点と課題を見極める機会ともなった。アクティブ・ラーニングについては、FD活動として、今後とも教員間の取組紹介や情報共有を進めていきたい。

(FD推進委員会FDサロン担当:藥袋貴久)

FDサロンアンケート結果