2014年11月

平成26年度 第1回FD講演会報告(9月30日実施) [2014年11月20日(木)]

開催日:平成26年9月30日(火)9:50~11:00
場 所:学園本部館3階 大会議室
テーマ:昭和ボストンがめざす教育プログラムの新たな戦略:世田谷本校教員との対話を通して
講 師:フランク・シュワルツ教授 昭和ボストン学長
参加者数:166名

 今回のFD講演会は、本年より昭和ボストン学長に就任したフランク・シュワルツ先生を講師にお迎えし、昭和ボストンの教育プログラム・教育手法とその展開戦略について紹介頂き、本学全教員が、教育資源としての昭和ボストンの役割を再認識し、シナジー発揮の方策を考える機会として企画された。講演では、政治学研究を通じた日本との接点など講師自身の経験が紹介された後、①日本とアメリカの大学生の違いについて、②昭和女子大学への印象・所感、③昭和ボストン学長としての方針、④昭和ボストンと世田谷本校との間の緊密な連携の構築について、それぞれ指摘がなされた。講演は英語で行われ、要旨は以下のとおりである。
 一般に、日米の大学生事情を比較すると、入学が困難で卒業が比較的容易である日本とその逆のアメリカ、入学が目的化して入学後の姿が描けない日本と大学在籍中に何を成したかが就職に直結するアメリカ、講義内での学生の静寂さを評価する日本と学生の発言・議論を評価するアメリカ、試験において選択問題・穴埋め問題中心で知識の習得を評価する日本とエッセイ作成中心で考えの表明を評価するアメリカ、といった解釈がなされる。
日本の大学生は大学生活に何を期待しているだろうか。幸運にも良い就職先が見つかりさえすれば、入学までの長い受験勉強に耐えてきた日本の学生が、大学在籍中にリラックスしたいと考えるのは当然かもしれない。こうした教訓が真実なら、我々は何を学ぶことができるだろうか。それは、日本の学生達が、アメリカの学生と同様のインセンティブを与えられた場合には、彼らも学業に集中する行動をとるであろうということである。言い換えれば、就職先の企業は、学生の学業成績にもっと関心を払うべきであるし、学生が科目選択を絞り、より多くの時間を学習に充てることができるよう工夫することが必要であり、また、日本の教員が、学生によるアクティブな講義参加に対してもっと高く評価することに対して検討を要するだろう。
 女子大は、共学校よりも学内外に学生参加型プログラムが充実しており、女性のロールモデルの蓄積やメンターの活用を通じ、女子学生がリーダーシップを発揮するためのチャンスに満ちている。結果として、共学校に比べ、起業家、ビジネスマン、政治家になる女子大OGの割合は高い。近年の昭和女子大学の取り組みが、学生のレベルを向上させ、大学の発展をもたらしたことは、多くのデータがそれを証明している。
 では、昭和ボストンの特色はどこにあるのだろうか。25年以上にわたる昭和ボストンの歴史において、世田谷から訪れた多くの学生が、ボストンキャンパスでの経験に満足して帰国している。そこには、少なくとも4つの理由がある。第1に、学生は英語しか使用できない環境の下で、活きたコミュニケーションとしての英語を力強く学ぶことが動機づけられており、その成果はTOEICスコアによって証明されている。第2に、海外での生活は、母国とは異なる日常がストレスをもたらす一方で、講義やフィールド・トリップ、自由時間など、学生同士が多くの時間を共有することで、互いを強く結びつけ、卒業後も長期に耐えるような新たな友情を形成している。第3に、保安面から、学生はキャンパス内で過ごすことが多く、ボストンのスタッフとの対話に時間を費やすが、一方で、スタッフは、オフキャンパスやインターンシップなど、学生のためにキャンパス外での様々なプログラムを準備し、学生の成長のための新たな機会をつくることに余念がない。最後に、学生は、自身の留学経験の成果に対して自信を得て帰国する。多くの学生にとって、長期にわたって家族から離れて暮らすことは初めての体験であり、身の回りの世話も含めたボストンでの生活が、留学に伴うストレスの克服を通じて個人の成長をもたらしている。
昭和ボストンは、時代の変化に適応し、教育の質や学生のレベル向上に努めている。学生全員が、ボストンでの留学生活を楽しめるよう配慮しつつ、優秀かつ意欲的な学生達が、新たな高みに到達できるような追加的機会を提供したいと考えている。例えば、最近、法律事務所で行われた模擬ビジネス会議に優秀な学生を参加させている。近い将来、ボストン近郊大学との連携を通じて、これら意欲的な学生達が、キャンパス外でも勉学する機会を増やすよう環境を整備していきたい。
 我々は、昭和女子大学と昭和ボストン双方にとって、将来の成功は、相互のシナジーによって達成されると考えている。現在、英コミ、国際、ビジネスの3学科では、定常的に昭和ボストンを利用するプログラムが稼働している。他の学科の学生が参加可能なプログラムも提供されているが、参加学生を増やしていくには、世田谷の教員の協力が必要である。教員が学生の背中を押してくれることは、学生募集のための最も効果的な方法である。
 同様に、両キャンパス間でのスタッフのコミュニケーションも重要である、この夏も、多くの教職員が、相互に訪問し合い、それぞれの業務やミッションについて多くを学び、議論してきた。こうした対面によるコミュニケーションを維持する一方で、何らかの制約によってそれが不可能な場合においても、テレビ会議や電子メールといった手段を活用して情報交流を活発にする必要がある。
学生が昭和ボストンを訪れる時、ボストン教職員は常にオープンマインドを発揮して、ボストンでの新しい生活に迎え入れている。国の違いだけでなく、類似性にも目を向けることで、文化的な意識を向上させることは、学生をより柔軟で創造的な大人に成長させる。両キャンパスのスタッフ間においても、同様のことが言える。オープンマインドを維持し、互いのアイデアを学ぶことにより、昭和女子大学と昭和ボストンは、他の大学には無い魅力的なプログラムを発信し続けることができると信じている。(要旨了)
講演後、教員間のコミュニケーションと協力体制をどのように構築するべきか、積極性など学生がボストン留学で身に付けた資質を世田谷キャンパスでいかに引き継ぐか、女子大学のあり方・役割などについて積極的な質疑応答がなされ、盛会の内に終了した。

                                                記録 FD推進委員 藥袋 貴久

平成26年度第1回FD講演会アンケート結果