2017年10月

平成29年度FDサロン報告(平成29年10月11日実施) [2017年10月30日(月)]

日 時:平成29年10月11日(水)15:00~16:00
場 所:学園本部館3階 大会議室・中会議室
テーマ:「ルーブリック評価の導入と実践に向けた可能性を探る」

■第1グループ:レポート評価
発題者:日本語日本文学科 横山紀子/司会:日本語日本文学科 笛木美佳
[参加者26名]

 第1グループでは、「日本語教育学」と「第二言語習得研究」がご専門で、言語能力評価のための基準をルーブリックで示すプロジェクトに携わってこられた横山紀子教授に、ルーブリック評価の実際についてお話しいただいた。
 まず、評価の基準となる表についての説明があった。縦軸の「評価の観点」と横軸の「達成度」によりできる枡目の中に「達成の目安になる内容」を記載することで完成するが、横軸の「達成度」は1、2、3、4と記載する場合もあるが、A、B、C、Dや、「達成」「もう少しで達成」「もう少し頑張れ」等のメッセージでもよいとのこと。
つぎに、ルーブリック評価の実際について、授業時に使われた評価表に基づき、「評価の観点」4つの各得点のウエイトや「達成度」の適度な段階数、評価内容に関する記述の適切さの評価方法等について具体的な説明があった。
 さらに、ルーブリック評価の特徴に関して、①教員と学生が評価の観点を共有できる、②学生の自己評価の能力を育てる、③「教育目標-教育活動-評価」の一貫性を確保しやすいという3点が紹介された。特に①に関しては、レポート課題の提示と同時にルーブリックも提示し、高い評価をもらうためには何が必要かを学生に認識してもらうことが重要であり、②に関しては、学生に自己評価を提出させることで自己評価の姿勢を育てることも重要であるとの指摘があった。また、③と関連するが、実際にルーブリックで評価してみると、「学生には何が難しいのか」がわかるほか、「自分の指導法の適切さ」を考える機会にもなるとのことであった。
 つづいて参加者は、「ルーブリックの特徴について賛同できる点」、「ルーブリックの実践について疑問に思う点」、「実際のレポート課題を評価するルーブリックを作ることを想定した場合、どんな困難や障害があるか」について小グループで話し合いを行った。最後に、参加者から出された「学生の自己評価とギャップが生じた場合はどのように対処するのか」、「ルーブリック評価表を作ることで評価が固定しないか」、「評価表を見せることで、やる気のない学生が『(最高評価でなく)この程度でよい』と考えないか」、「達成度が中間段階の場合の評定は」、「学生の達成度を上げていく方法は」などの質問に発表者がコメントし、終了した。
〔文責:清水 裕〕

■第2グループ:プレゼンテーション評価
発題者:英語コミュニケーション学科 井原奉明/司会:管理栄養学科 海老沢秀道
[参加者25名]

 第2グループでは、最初に、現在、英語コミュニケーション学科2年ゼミで実施している授業の中で、特にプレゼンテーションに関する部分を抽出して授業の評価方法、学生の学習方法、授業の進め方を中心に報告があった。複数の教員が同じシラバスで行う授業であり、教員間で到達目標として「論争的なトピックについて情報・資料を収集して意見を構成し、説得的なスピーチの技能を習得する」ことを共有している。授業方法は、学生が与えられたトピックから1つを選び、4名程度のグループに分かれて段階を踏んでプレゼンテーションのためのアウトラインを作成していく。学生には事前に評価の方法を開示し、評価方法を念頭に置いて学生はプレゼン準備できるようにするのがポイントである。また、説得力のあるプレゼンをするために、伝える「目的」をはっきりさせ、テーマ、大まかな目標、ゴール、アウトライン(四部構成からなる意見提示方法)を作成する。授業時には、グループ別にエビデンスを使った論証ができているか、チェックシートを使用しながら確認、今後の論旨を考える。教員は、学生が事前に調査してきたことをグループで話し合っている間、各グループを回って、適宜、アドバイスを与えるが、その際、「教えすぎない」ことを心掛ける。あえて「わからない」部分を残し、学生に考えさせる工夫をし、提出物などを確認しながら、「わからない」点が解決できたかを確認、わからないままにしておかないことを心掛けることが重要であるとのことだった。
 つづいて参加者は発題者からの方向を受けて、小グループで話し合いを行った。参加者からは、ルーブリック評価に従ったプレゼンを準備することで、学生の独創性がなくなるのではないかという意見がでた。これに対しては、2年ゼミということもあり、まずは学生にプレゼンの見本を身につけさせることを考えているとの回答があった。また、学生の伸びしろを評価するのか、最終プレゼンの出来を純粋に評価するのかとの問いには、理想的には両方を評価するのがよいのでは、との回答だった。その他、ルーブリック評価とは何かを全員で話し合い、終了した。
〔文責:金子弥生〕

■第3グループ:デザイン評価
発題者:環境デザイン学科 桃園靖子/司会:ビジネスデザイン学科 薬袋貴久
[参加者7名]

 第3グループでは、桃園靖子教授から、環境デザイン学科で担当しているデッサン、立体造形、プロダクトデザイン演習、発想とイメージなどの授業で取り組んできた、学生のスキルや発想力などを伸ばすために実施している工夫と評価方法について、学生の作品を示しながら報告がなされた。先生が担当しているプロダクトコースの授業では、プロダクトデザインをしていくために必要な、基礎的なテクニックと発想力、思考力、プレゼンテーション力が習得できるように工夫している。例えばデッサンでは、まず鉛筆による基本的なデッサンでの立体表現を学んだ後、空間を意識して濃淡の彩色による表現する手法を学んでいく。課題の過程でプレゼンテーションを入れ、学生同士がお互いの作品を見ることで、自分に不足しているところに気が付くようにアドバイスをしながら、制作過程での様子を見て評価することを取り入れている。デザイン分野では、デザインのプロセス、テクニック、プレゼンテーションを中心となるが、各々計画的に行っているかどうかも評価対象としている。評価は感覚的な思考で難しい点もあるが、評価軸をもって評価してくことを心がけている。評価する項目は、デザインプロセス、デザインテクニック、プレゼンテーション、思考力、展開力、構成力、計画力についてとし、配点は細かく5点刻みで評価していく方法を実施している。レクチャーの後、参加者から成果物だけでなく、その過程を評価する点は、デザインだけではなく取り入れていくことが必要である、グループ活動での評価の際は学生個人の成果を評価するために、各々の役割をあて取り組み方を評価するなどグループワークでの評価方法などにで共有事項が多いなどの声が寄せられた。
[文責:下村久美子]