2020年度FDサロン報告(2020年10月7日実施)

日 時:2020年10月7日(水)15:00~16:00
場 所:Zoomミーティング
テーマ:ICT利活用・オンライン授業作り

■第1グループ
タイトル:「オンデマンド形式による実験・資格授業の壱例」
発題者:管理栄養学科 桝田和彌 専任講師 / 司会・記録:管理栄養学科 調所勝弘

昭和女子大学のオンライン講義は、3つの授業タイプ(A・B・Cタイプ)があるが、先生は学生の周辺機器等を含めた受講状況、自身の担当科目の内容等を考慮してオンデマンド形式(Bタイプ)を選んだとのこと。また、実際に講義動画を作成するにあたって、他大学、放送大学及びYouTube等の情報により講義形式を模索し、講義動画については、時間及びデータ量と、画質より音質に注意を払うなど考慮し作成した。そもそも、実験科目の講義動画についてはノウハウもなく、わからないことが多かったが、試行錯誤を繰り返し、何とか作成し配信した。配信後、学生の反応は良好との声が多く得られた。
サロン参加者から、作成にあたりどのぐらい時間がかかったのかとの質問があり、先生の回答は、かなり労力が必要であるということだった。今回の話題提供は、オンデマンド形式の授業について、詳しく説明していただき、わかりやすく今後の授業の参考となる内容であった。

■第2グループ
タイトル:「講義型授業(大人数)の場合の実践例」
発題者:ビジネスデザイン学科 長屋真季子 専任講師 / 司会・記録:日本語日本文学科 笛木美佳

基礎的な経済学の知識を習得することを目的とした講義型の科目(92人、159人、81人、44人)について、ZoomとUPSHOWAのみを用いた授業の実践例を説明された。信頼関係の構築を念頭にクイックレスポンスの実践(メール・問い合わせ・チャット)と理解度の把握を常に心がけたこと、学生の集中度を考慮して授業時間を20分刻みの3分割(トピック+クイズタイム)としたこと、投票機能を使って問題演習・解説・理解度確認(教師のみならず、学生自身も自分の理解度の相対的立ち位置の確認可)をしたこと、試験は少々難しめの問題を加えたtake home exam方式で行い問題なく実施できたこと等を話された。その後ブレイクアウトセッションで、長屋氏の発題をヒントに、参加者同士各自の実践例を語り合った後、全体のディスカッションに移行、「教科書・副教材と授業との関係」「take home exam方式の不正行為対策」「投票機能の保存のしかた」「書画カメラの利便性」「ブレイクアウトセッションの効率的な発表のさせ方」「チャットの保存の方法」など、さまざまな意見交換がなされた。

■第3グループ
タイトル:オンライン授業における学生間コミュニケーションについて
発題者:英語コミュニケーション学科 カーリン清佳 専任講師
/ 司会・記録:英語コミュニケーション学科 鈴木 博雄

 話題提供者が英語コミュニケーション学科1年生対象の「基礎ゼミ」(2020年度前期)で実施したオンライン授業における、学生間のコミュニケーションを活性化させるための授業実践について体験談を報告した。具体的には以下の内容であった。①授業中、学生どうしで雑談をさせることは、アイスブレークを導く効果がある。②授業内外のグループ学習による情報・経験の共有や意見交換は論理的思考力を向上させるうえで有益である。③グループプレゼンテーションによる発表の機会を設けることにより、学生間のコミュニケーションを充実させることができる。上の学生間コミュニケーション促進の工夫に加え、教員と学生のコミュニケーションを強化する方策として、①学生シートを作成し、個々の学生の考え方、趣味等を調べてから授業を進めた。②学生からのコメントや質問に対するフィードバックを積極的に行った。
以上の話題提供の後、質疑を行った。質疑後は参加者が3~4名にブレークアウトし、意見交換を行った。

■第4グループ
タイトル:オンライン講義での演習授業の実例
発題者:環境デザイン学科 三星安澄 特命講師 / 司会・記録:環境デザイン学科 下村久美子
 
 先生ご自身の演習授業組み立ては冒頭のアイスブレイク、次に学生同士が話せる場、最後に教師と学生が話す講評の3構成とし、メリハリをつけ授業内で学生が自ら参加する雰囲気作りに取り組んでいる。授業課題は自宅内での観察力や分析力で提案・製作するなど、オンライン環境を生かし臨機応変に考案し、提出物に対する評価は個々にコメントを返している。オンライン授業では学生の萌芽を見出しづらく、学生と信頼関係を築くことが難しい点は課題である。実例を紹介いただいた後、意見交換に移った。学生作品の共有方法など具体的事項についての質疑応答や、参加者から実践例を紹介いただき情報交換を行った。