■第1グループ
タイトル:「大学におけるプロジェクト型学修を考えるー昭和女子大学での取り組みを中心にー」
発題者:現代ビジネス研究所 保土田玲子
司会:環境デザイン学科 鳥海 希世子
記録:鈴木博雄 FD推進委員
参加者:16名
冒頭の25分で、発題者が本学におけるプロジェクト型学修(PBL)の現状とその意義を整理し、さらなる発展を図るための検討を行った。まず、本学におけるPBLの目標および課題を提示し、その後、先行研究を参照しながらPBLの類型化を試みた。具体的には、域学連携および学習モデルに基づくPBLの分類について考察し、これにより本学で実施されているPBLの現状を明確化し、各プロジェクトの特徴や進行状況を整理した。発題者の共同研究者である天笠邦一准教授(現代教養学科)及び鳥海希世子専任講師(環境デザイン学科)による学科プロジェクトの現状報告もあった(各3分程度)。次の20分で、参加者をグループに分け、KJ法を用いてPBLに関する課題をテーマにワークショップを行った。課題は、1. PBL 学修を通じて何を学ぶか(INPUT)、2. どのように社会に貢献するか(OUTPUT)、3. 学生の主体性を引き出すために教員がどのように関わるか、の3つのテーマに基づいて設定された。次の15分で、各グループの発表と全体質疑が行われ、最後にPBLを充実させるための方策がまとめられた。この結果、本学のPBLが学習の質向上や社会貢献にどう寄与するか、そして今後の取り組みの方向性が明確になった。
■第2グループ
タイトル:「生成AIの進化と教育の可能性」
発題者:初等教育学科 森 秀樹
司会:ビジネスデザイン学科 長屋 真季子
記録:福祉共創マネジメント専攻 飛田 史和
参加者:22名
森講師は、デジタルなものづくり(コンピュータープログラムを介した表現)を通じて、子供たちが新しいデザインや感性、子供たち同士の共感力を高めるような授業を実践・改良を続けてこられた。
今回のサロンでは、参加教員を4人程度のグループに分けて、①参加者がそれぞれ、「生成AIの進化と可能性」というテーマについて レゴブロックを用いて物理的に表現し、②それを写真に撮って生成AIに問いかけ、③グループ内で生成AIの回答(複数)を共有して感想を述べ合う というプロセスでワークショップを行った。
参加者よりワークショップの感想として以下のような点が挙げられた。
生成AIが、自分の考えを裏付ける回答をする部分と、自分が考えていなかった視点から回答する部分があり、その違いが興味深かった。
テーマを表現するのに、乗り物で表したり、「眼」を強調したり、「葛藤」などの関係性を用いたりして、教員ごとに独自の視点で捉えているのが新鮮であった。
最後に森講師より「ワークショップでは、表現方法に正解・不正解があるわけではない。子供たちが、あるいは学生たちが、生成AIを介して問いかけ、それを共有してコミュニケーションを図ることによって、新しいモノが生まれ、学習の可能性が広がることを期待している」との総括がありFDサロンを終了した。
■第3グループ
タイトル:「講義型授業をインタラクティヴに―ロイロノート・スクールの活用―」
発題者:初等部・初等教育学科非常勤講師 人見礼子氏
司会:初等教育学科 白數哲久
記録:日本語日本文学科 笛木美佳
参加者:14名
講義型の授業をアクティブラーニング型に近づける工夫として、広く小・中・高校で用いられているロイロノート・スクールの活用事例を、サロンならではの体験型の形式で紹介された。まず、ロイロノートの基本である教師からの配信と生徒個々の作業、提出箱への送信提出、提出物の共有の流れを、自己紹介作成で行い、イメージをつかんだ。次に、ICTを効果的に活用する学習場面「一斉学習」「個別学習」「協働学習」のうちの「個別学習」として、「カードinカード」機能をビンゴゲームで体験、さらに「シンキングツール」(Yチャートからベン図)を使い、思考の見える化と整理を体験、それをペアの教員と共有・整理することにより話し合いの効率化、展開に使えることを確認した。最後に「協働学習」として講師の準備したハロウィンカードに一斉に書き込む作業を行った。
体験後、スマホでの操作性について、アカウントの付与について質問があり、スマホでも十分作業が可能であること、初教では事前にQRコードを準備して新入生を入らせ、4年が卒業したところで入れ替えていること、高校までは有料だが、大学では使用料無料であることなど、回答があった。終始和やかな雰囲気の中、参加者にとって、楽しく、新たなツールに接する機会となった。