住宅政策はあまり福祉と関連がないように思われがちですが、生活の基盤は「住宅」です。また、住宅政策は、建物等のハード面だけでなく、そこでの住まい方といったソフト面についても検討します。特に、今回の世田谷区第四次住宅整備後期方針では、住宅要配慮者(高齢者や障害者等)をはじめとした区民の「居住支援の推進による住宅セーフティネットの強化」「既存住宅の活用促進に向けた住まいのリテラシー向上」が重点施策として挙げられました。
そこで、北本ゼミ(3年生)は、福祉を学ぶ学生の立場から、事前に整備方針について学んだ上で、その重点施策に対する区(住宅課長)からの説明に対する感想や意見、質問をしました。(下の写真は、学生からの質問に対して住宅課長からの説明を受けているところです。)
北本ゼミの発表のあと、建築・都市計画の立場から、大妻女子大学の学生さん(建築・都市ゼミ)の皆さんからの発表もありました。
学生の皆さんの発表のあとは、「住宅政策における行政と区民の役割」をテーマにシンポジウムが行われました。登壇者は、保坂区長(下の写真の一番右側男性)と北本(保坂区長の隣)と世田谷区住宅委員会の松本委員長(左から二番目女性)と天野副委員長(一番左側男性)の4名です。
こうした世田谷区が主催するシンポジウムに学生が登壇するのは初めてということでしたが、学生にとってもよい学びと経験になったようです。
*住宅をただの場所として考えるのではなくそこを利用して生活する人の住まい方を考えることが重要であり、ハード面、ソフト面双方からの視点が求められていることが印象的でした。(H.F)
*シンポジウムに参加し、世田谷区や自分の住んでいる地域、そして自分の将来など、様々な視点から住まいの問題に目を向けるきっかけとなりました。(A.T)
*素案を読み、年齢を問わず私たち一人ひとりに関係する内容であると感じました。人々に関心を持って貰えるような情報を発信していく必要があると思いました。(R.Ǹ)
*参加した多くの人が今回のシンポジウムのために沢山の時間を使い、準備をしたことが伝わり、そのような会に私たちも参加させていただいたことがありがたかったです。(Ǹ.M)
*住宅のことについては詳しくなかったので、素案や学生発表、パネルディスカッション等を通して住宅の観点からも、福祉の観点からも学ぶことができてとても有意義な時間でした。(M.M)
*印象に残ったのは、居住支援における「切れ目のない支援」の重要性についてです。住まいの確保に課題を抱える人は、高齢者、障害者、外国籍の方、ひとり親など多岐にわたりますが、支援が一時的に途切れてしまえば、再び孤立や困窮に陥るリスクが高まると感じました。そのため、行政や福祉機関、地域住民が協力し、継続的な支援体制を築いていく必要性を改めて理解しました。(A.Y)
以上です。今後も色々な機会に学生からの発信ができればと思います。(北本佳子)