私たちシムゼミ3年生は、ゼミ活動の一環として、去年の12月に東京ジャーミィ・トルコ文化センターに訪ねてきました。東京ジャーミィは、渋谷区にある、日本最大のモスク(イスラム教寺院)です。
見学の前に、まず東京ジャーミィの下山さんから、イスラム教についてお話を伺いました。明治維新を機に、服装、髪型、コスメなどあらゆるものがヨーロッパに偏ってしまったため、ヨーロッパ的なものが憧れの対象となる一方で非ヨーロッパ的と見なされたイスラム教は日本人にとって死角になってしまったこと、しかしながらアラビア数字、コーヒー、カメラなど日常的に使っている言葉や文化の中には実際に、文明発祥の地でもあるイスラム世界から広まったものが意外と多いということなどを教えていただきました。日本で生活していると遠い存在のように感じられてしまうイスラム教とその世界を知るヒントが、実はすぐ近くにあるのだということは新鮮でした。
その後、日本人の若い男性がイスラム教に入信する儀式に立ち会うという貴重な経験もさせていただきました。その時、私たちはイスラム教の慣例に習い、フードやスカーフを頭に被りました。一日三食のように、一日五回の祈りは「心の糧」「心のカロリー」という言葉が印象に残りました。
入信式に引き続き、礼拝も見学させていただき、イスラム教礼拝の特徴を教えていただきました。礼拝の際、肩の触れ合う距離で横一列に並んでおり、それが信者はみな平等であることを表すことや、他の人と共に礼拝をすると1人で礼拝を行う時の27倍良いとされていることを知りました。また、礼拝に集中してもらうため、女性信者は2階や少し離れたところで礼拝に参加することも教わりました。
最後に施設内にあるショップにも立ち寄りました。コンビニのように食べ物や雑貨が置いてあり、スーパーなどでは普段あまり見られない、ハラールマーク付き食品についても説明をしていただきました。日本にありながら、海外に来たかのような品揃えにただただ驚きました。
実際に目で見て直接にお話を伺い、私たちにとって理解を深めたり、宗教のあり方を改めて考えさせられたりするきっかけになりました。下山さんをはじめとする東京ジャーミィの皆様、お忙しい中、今回このような機会を下さり、本当にありがとうございました!
(記事:シムゼミ3年・角田)