こんにちは。木村ゼミ3年の市村と川端です!
私たち木村ゼミの有志学生は,10月12日(土)に東京大学本郷キャンパスで行われた第89回日本健康学会総会に参加しました!この総会は,「これからの人類社会における健康のありかた」をテーマに行われ,私たちは「子宮頸がんワクチン接種をめぐる専門職者の情報提供―二次分析により探索する全国初の疫学調査実施時の状況―」という演題で発表を行いました。
では,この演題について少しお話したいと思います!
皆さんは子宮頸がんワクチンを打ちましたか?打つときに何か不安はありませんでしたか?2013年4月に子宮頸がんワクチンが定期接種化されましたが,副反応らしき症状が相次いで報告され,同年6月から積極的勧奨が控えられました。その後,名古屋市が子宮頸がん予防接種に関する大規模な調査を行い,ワクチンとそうした症状には統計的な因果関係は認められないという論文が出されたのですが,2022年から積極的勧奨が再開された今でも,ワクチンの接種率は諸外国に比べて低率であるといわれています。その背景には,副反応らしき症状が報告された当初のマスメディアの報道の影響があるともいわれていますが,当時,医師をはじめとする専門職者からはワクチンについてどのような情報提供があったのでしょうか?
その点について明らかにしたいと考えた私たちは,名古屋市の調査結果(報告書にある3,283件の自由記載)を用い,「子宮頸がんワクチン接種に関して,どのような専門職者がどのような情報を提供していたのか」という点に着目して質的内容分析を行い,代表の学生1名が発表を行いました。
初めての学会発表ということもあり,緊張していましたが,「積極的に医療者にワクチンの有効性や安全性等の情報提供を求めた回答者(ワクチン接種対象者及びその保護者)でも,必ずしも十分な情報を得られていたわけでなかった」など当時の課題を明らかにし,研究の成果を伝えることができました。会場には医療関係者の方も多く,子宮頸がんワクチンに関する私たちの発表にも興味を示していただき,活発な議論を通じて新たな示唆を得ることができました。
女子大生という子宮頸がんワクチンに身近な立場から,ワクチン接種に対する不安や名古屋市のデータを通じて当時の状況を共有できたことを嬉しく思います。
また,娘の健康を心配して情報を得ようと懸命になっていた保護者の方々の思いを知ることができ,家族社会学を学ぶ上でも得るものが大きかったと思います。
発表の前には東京大学本郷キャンパスの図書館を見学するなど充実した時間を過ごし,とても有意義な1日でした!!