【ワークショップ技法】環境省の方とともに、環境ワークショップを体験

こんにちは!現代教養学科3年の開原るり、佐藤麻琴、田中和香、星野葉南です。11月22日(金)の「ワークショップ技法(担当:見山謙一郎教授)」の授業において、一般社団法人環境パートナーシップ会議の江口健介さんと環境省の方にお越しいただき、「環境問題」をテーマにワークショップを行いました。

ワークショップでは、まず始めに、私たちの生活の中に潜む「環境問題」を付箋に書き出し、グループ内で共有しました。

江口さんを交えてのグループワーク
環境省の方を交えてのグループワーク(1)

このグループワークでは、各グループで共通性のある付箋同士をつなぎ合わせて貼っていきます。地球温暖化や海洋プラスチック問題、フードロスなど、様々な意見が出ました。この中で「海洋プラスチック問題」が圧倒的に多く付箋が貼られていましたが、私たちの生活の中で身近に感じられる環境問題だからだと考えました。
(付箋が貼られた紙の写真1枚)

次に江口さんから、「令和6年版環境白書」を使い、環境問題の現状や環境政策についてレクチャーを受けました。

「環境白書」のレクチャー

直前のグループワークでは色々な意見が出ましたが、環境問題と聞いても、なんとなく知っているだけで身近に感じられるものがとても少ないと感じました。

その理由は、環境問題に対する知識の足りなさは勿論のこと、問題の規模が大きすぎると、どのような取り組みが必要なのか、どうしたら解決していけるのかという具体的なイメージがわかず、実感が出来ないためだと考えました。

レクチャー後は、前半のグループワークで出てきた意見を踏まえて、それぞれが改善策を出していきました。
すでに貼られた付箋に結びつく解決策を貼り付けていきます。

環境省の方を交えてのグループワーク(2)
環境省の方を交えてのグループワーク(3)

普段当たり前にやっていることが環境問題に関係していることがあったり、逆に環境問題に良さそう、と思いながらも、なぜそれが良いのかを言葉では説明できないものがあったり、このワークでも新たな発見がありました。
また、制限を設けず、自由な発想を大切にしていく事の大切さを改めて実感しました。
そして最後に各グループの意見をまとめ、全体に共有することで、自分のグループにはなかった内容に触れることが出来ました!

グループワークでの発散と収束

「環境問題」という1つのテーマでありながら、グループによって出てきたキーワードや思考のプロセスまで全く異なっていてとても面白かったです!

今回の授業を通して環境問題に対する考えが大きく変わりました!
環境問題の改善策として、思いつくのはどれも「ビニール袋を使わない」や「プラスチックの製のものをなるべく使わない」という否定的なものばかりで、まるでプラスチックが悪者のような改善策しか挙げられませんでした。しかし、プラスチック自体が悪いのではありません。必要以上にプラスチック製品を使ったり、正しい捨て方をしないことが良くないことで、再利用したり、なぜ、正しく捨てる必要があるのか、ということを考えていく必要があるということに気づくことができました。
私たちは普段から考えることを習慣づけていかなくてはなりません。「なぜ○○が問われているのか」、「なぜ○○をするのか」ということを、今まではあまり考えて生活していませんでした。しかし、今回の授業では、「なぜ〇〇が環境問題に繋がっているのか」という、多くの「なぜ」が投げかけられました。
これからは「なぜ」のアンテナを高く張って、知識と実践の幅を広げていきたいと思います!


江口さんからの感想、コメント
今の大学生の方々は、SDGsに関係することや、地球温暖化、マイクロプラスチックといったメジャーな環境問題に関する基本的な知識を、上の世代より遥かに豊富に持っていると思います。
それらは義務教育からちゃんと学ばれてきた効果である反面、実はカリキュラム的に教わってきたこと以外にも本当はもっともっとたくさんの環境問題の要素が身近にあった、そんなことに気づけた時間になっていたら嬉しいです。
環境問題になるからと規制したり、我慢したりするだけではなく、心身ともに豊かで楽しい暮らしを自ら創り出す上での、一つのヒントとして環境の要素を考えてみてもいいかもしれません。
この度は貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

環境省さんからの感想、コメント
-環境省 大臣官房 地域政策課 地域循環共生圏推進室 環境専門調査員 瀬川 功さん-
ワークショップにおいては、学生の皆さんの生のお話しが聞けてとても新鮮で、楽しい時間を過ごす事ができました。「環境問題・課題」と言うと我々はどうしてもお堅く、「二酸化炭素」「排気ガス」「省電力」「省エネ」という観点で「こうあるべき」という話しをはじめてしまいますが、学生の皆さんは、より身近な、ご自身の身の回りの事に置き換えて、「やっていること」「できる事」「これから意識して取組んで行きたいこと」・・・等自身の経験(アルバイトや普段の生活 等)を活かし、きちんと整理して、自身の考えを話しつつ、他人の話のも耳を傾け環境負荷に対する考えを柔軟にまとめて行かれたところは、とても参考になりました。私が皆さんの年齢の頃と比べると、皆しっかり自分事として捉えているところに感心しました。
「環境問題・課題」というお堅い言葉を、普段の生活の中で「おかしい」「もったいない」「これってどうなの?」みたいなところに置き換えて、身近な問題として捉えられる柔軟な考え方に触れ、私自身とても勉強になりました。貴重な時間を共有させていただき、ありがとうございました。

-環境省 大臣官房 地域政策課 地域循環共生圏推進室 環境専門調査員 坪倉 陽平さん-
先日の講義では非常に実りのある時間を過ごさせていただきました。第一印象として、私が学生の頃と比べて、環境問題に関する基礎知識が豊富であると感じました。また、グループワークでは皆がそれぞれの意見に共感し、バイトでの経験談などを交えながら議論を膨らませていく様子を見て驚きを感じております。学生たちの柔軟な発想や若い世代だからこその意見など刺激を受けました。
環境問題がいかに身近なものであり、自分事として捉え行動することの大切さを今の若い世代からも学ばせていただきました。
この度は貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

-環境省 大臣官房 地域政策課 地域循環共生圏推進室 室長補佐 菅谷真実さん-
学生の皆さんの知識の豊富さに驚くとともに、新たな用語や考え方を吸収して自分なりの言葉でまとめていく柔軟さに感銘を受けました。またワークショップを通じ、環境問題を「教科書的な知識」から「身近な自分事」に変えていくことの重要性を感じ、大変勉強になりました。1人1人の気づきや問いが具体的な行動に繋がっていくことで、社会全体としても良い方向に向かっていくのではないかと思います。
貴重な時間をありがとうございました。