【相ゼミ】大手町~日本橋~人形町と歩いて街並みの変化を実感

こんにちは!相ゼミ3年の安藤、飯塚、大貫です。

相ゼミでは、卒業論文の執筆に向けたテーマ探しや調査スキル向上のため、学期ごとに「まちあるき型」の現地調査を行っています。地図を広げて抽選で行き先を決めてから、見学内容を決めていくため、ダーツの旅と通称されています。行き先が偶然性で決まるため、普段行かない場所を歩き、地域の魅力を体感できる人気企画です。私たち3人は係として、今回のダーツの旅の企画を担当しました。

今回は2025年6月に千代田区大手町から中央区日本橋・人形町にかけて現地調査を行ったときの様子をお届けします。

今回は、現地調査の後に大学へ戻って講座を受けなければならない学生がいたため、調査は14時〜16時に実施しました。ゼミ生の中には、観光業やインバウンド、都市開発をテーマに卒論を考えている学生もおり、そうした学生の調査に役立つように、また他の学生にも現地調査の雰囲気を体感してもらえるよう工夫しました。ゼミの時間にウェブサイト上の地図をプロジェクターを通して広げ、目を瞑って点を描いたところ、その中心が日本橋付近に。そこで今回は、大学がある三軒茶屋から直通で行ける大手町で下車し、日本橋を通って人形町までの道のりを実際に歩きながら、街の様子の変化や特徴を自分たちの目で確かめることにしました。

大手町のビル街の写真

調査を行ったのは、平日のお昼を少し過ぎた14時頃。集合場所の大手町駅周辺には、スーツ姿の会社員が多く見られ、ビジネス街らしい雰囲気が広がっていました。調査日は気温と湿度が高かったため、熱中症対策としてなるべく日本橋の近くまで大手町駅直結の地下通路を使用しました。
地下通路を歩いている際に、電話を片手に足早に移動する人、黙々とスマートフォンを見ながら歩く人(危険ですよ)、コンビニに立ち寄って昼食を買いに行く人など、それぞれが目的地に向かって忙しなく行動している様子が印象的でした。またビルの地下にある飲食店も、ピーク時間は過ぎているにもかかわらず、空席は少なく、店内は会社員と思われる人々で賑わっていました。大手町は多くの企業が集まるビジネス街であり、東京駅にも近くアクセスが良好であるため、地下通路や飲食店も充実していることを実感しました。また、少しずつ展開されている再開発によって便利で機能的な街づくりが進んでいることから、訪れた私たちにも機能性とスピード感が伝わってきました。そのため、大手町では多くの人が効率的に昼休みを過ごそうとしている姿が印象に残りました。

その後、私たちは日本橋へ向かって歩いていきました。大手町から日本橋へ向かって歩く中で、何より印象的だったのは「人の雰囲気」と「街並み」の変化です。地下鉄で1駅というほんのわずかな距離なのに、別の町に来たかのような感覚になりました。

大手町では、ほとんどがスーツ姿のビジネスパーソン。みなさん足早で、スマートフォンやPCを見ながら移動していたり、無言で淡々と歩いたりしている様子が目立ちました。街全体に「仕事の緊張感」が漂っていて、余白の少ない空気を感じました。ところが日本橋に近づくにつれて、歩く人の服装も雰囲気も柔らかくなっていきました。カメラを提げた観光客らしき人や、ショッピングを楽しむ人、女子会らしき様子の女性たちの姿も見かけました。歩くスピードもゆったりしていて、まるで時間が少しスローになったように感じます。話し声や笑い声が自然と耳に入ってきて、街に余裕があるように思えました。

日本橋には、石造りの建物や、老舗の看板、格子戸のある和風の店舗が並び、道を歩いているだけでどこか懐かしい気持ちになります。特に印象的だったのは、現代的な高層ビルと、歴史的な建築が違和感なく共存していること。近代と伝統が自然に混ざり合っていて、現在と過去を共有しているような不思議な雰囲気を感じました。例えば、江戸時代から日本の道路網の中心であった日本橋では、上空に近代的な高速道路の高架橋が通り、その背後には現代的な高層ビルが建っています。

日本橋は日本の道路網の基点
地下化工事が進む日本橋上空の高速道路

最後に訪れたのは、人形町駅近くの「甘酒横丁」です。明治時代に甘酒屋が並んでいたことが名前の由来で、現在も和菓子店や飲食店が並び、素朴で落ち着いた雰囲気が漂っています。また、高層ビルが立ち並ぶ大手町と比べて建物がそれほど高くなく、下町らしい温かみがあり、人々の歩くペースもゆったりとしていて、日本人の姿が多く見られました。ここで大学に戻る必要があるメンバーは解散しました。
その後、残った私たちは水天宮へ足を運びました。水天宮は安産祈願で有名な神社です。建物は免震構造になっているなど新しくて近代的なつくりでしたが、中に入ってみると境内や社殿は静かで落ち着いていて、昔から大切にされてきた場所だということが伝わってきました。神社に訪れていたのは、落ち着いた雰囲気の中で手を合わせる年配の方や、仕事の合間のようなスーツ姿の男性、観光で立ち寄ったような女性グループなど、様々な人たちでした。
神社が、地域の人や参拝する人にとって、日常と非日常をつなぐような存在になっていることを感じました。まちの中で宗教施設が果たしている役割について、あらためて考えるきっかけにもなりました。

落ち着いた境内の水天宮
しかし実は境内全体が免震建築物