【授業紹介】ソーシャル・イノベーション概論-三井住友銀行の特別講義から学んだこと

こんにちは!現代教養学科3年の須藤里彩と富所遥香です。
7月1日(火)のソーシャル・イノベーション概論(担当:現代教養学科 見山謙一郎教授)は、三井住友銀行の社会的価値創造推進部の藤井俊成グループ長、山本美帆さん、三島叶子さんにお越しいただき、「SMBCグループの社会的価値創造に向けた取組み」をテーマに、金融機関の役割やSMBCグループの取り組みについてご講演いただきました。普段なかなか聞くことのできない金融機関の取り組みを学ぶ貴重な機会となりました。

まず、講義前半は、金融機関や銀行の役割についてご説明をしていただきました。
みなさんは「金融機関」と聞いてどんなイメージを持ちますか?
私たち学生からは「堅い仕事・真面目そう・ノルマが大変そう」など、どこか近寄りがたい印象があるという声も多く聞かれました。でも、今回のお話を聞いて、そのイメージが大きく変わりました。
金融機関には、銀行、証券、カード会社など様々なものがあり、それらの金融機関は経済の中で資金を円滑に循環させる役割を担っています。その中でも銀行はお金を「預かる・貸す・送る」ことが基本とされています。具体的には、個人や企業からお金を預かる「預金」、家を建てる時や事業を始める時に必要なお金を貸す「貸出」、遠くにいる人にお金を送る「為替」などがあります。
また、相続のサポートや保険の紹介、資産運用のアドバイスなど、お金に関する様々な相談にも対応しており、送金や口座の確認ができるデジタル化も進んでいます。
銀行の役割についてのお話を通して、銀行は資金が足りていない企業や地域にお金を提供することで、経済を支える縁の下の力持ちのような存在だと感じました。また、お金を扱うため、信頼関係が重要であり、安定性がありつつも日々変化する社会のニーズに応じてサービスを展開していることにあらためて気が付きました。
また、金融機関の中で銀行の役割は一側面に過ぎず、三井住友カードや三井住友ファイナンス&リース、SMBC日興証券、SMBC信託銀行、SMBCコンシューマーファイナンスなど、さまざまなグループ会社が連携しながら幅広い金融サービスを展開していることを学びました。例えば、リース事業では高額な機械や設備を一括購入できない企業のために、リース会社が代わりに購入し、所有と使用を分ける、サブスクのような形で貸し出す仕組みがあるそうです。また、三井住友カードは、政府に次いでキャッシュレス化を進めるなど、時代の変化にも柔軟に対応しています。

特別講義をしてくださった山本さん、三島さん、藤井さん(左から)

講義後半は、三井住友銀行が取り組んでいる「社会的価値創造(シャカカチ)」の取り組みについて説明していただきました。
「シャカカチ」とは、企業や官公庁、NPOなど多様なパートナーと連携して、様々な社会課題を解決し、そこに生きる人々の幸せに貢献していくという三井住友銀行が掲げるコンセプトです。国際金融環境の不透明化やDXの進展など、銀行をとりまく外部環境が大きく変化する中で、三井住友銀行は5つの重点課題と10のゴールを定め、どのような手段で社会課題を解決できるか日々検討をしています。
たとえば、経済的に困窮する子どもたちへの教育支援では、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンと協働し、学びの機会を提供しています。現金ではなくクーポン制度を導入することで、支援が確実に子どもたちの教育に使われる仕組みを整えているそうです。こうした取り組みに民間企業が加わることによって、加速度的に支援を広げていくことが可能になっているという点が印象的でした。
また、三井住友銀行の「シャカカチ」は教育支援にとどまらず、宇宙ベンチャーの「ispace」へのスタートアップ支援、iPS細胞研究の事業化支援、大学生のスポーツ応援プログラムなど、多岐にわたる分野に広がっています。こうした取り組みを通じて、日本における新たな産業基盤の創出や、科学技術の発展、学生の挑戦を金融の立場から後押ししています。
自らが技術を持たない銀行だからこそ、他の団体、研究機関と手を組み、協働によって大きな成果を生み出す体制を築いているということ。銀行だからこそ築ける”つながり”が社会課題の解決につながるということを学ぶことができました。

質疑応答も和やかな雰囲気で進みました
<感想・学んだこと>

これまで銀行というとお金を預けたり、貸したりするイメージが強くありました。しかし、今回のお話を通して、企業や行政と連携しあって様々な社会課題に取り組んでいることを知りました。金融とは一見関係ないような分野に関わりながら、社会の持続的な発展のために企業の成長や課題解決を支えている点に感銘を受けました。また、銀行以外にも、リース、証券、信託、キャッシュレス決済など、グループ内に専門の会社があり、連携しながら経済を支えていることを学びました。金融業界を目指す私にとって、リース業界やカード会社についてあまり知らなかったのでとても勉強になりました。さらに、銀行口座のデジタル化や、アジア・インドなど海外展開を進める話を聞き、銀行も常に進化していることを実感しました。私たちが思っていた安定した仕事という印象に加え、変化に挑戦していく姿勢が印象的でした。(富所)

銀行の役割といえば、預金や融資などの金融サービスを提供する、いわゆる固い仕事という印象を持っていました。しかし、講義を通じて、銀行が担っている役割はそれだけにとどまらず、変化し続ける社会の課題に柔軟に対応し、未来を見据えた多様な取り組みを行っているということを知りました。特に印象的だったのは、三井住友銀行が進める社会的価値創造の取り組みにおいて、企業や、官公庁、NPOといった多様なパートナーと連携することで、人々の幸せに貢献しているという点です。銀行だからこそ作れるつながりがあり、そのつながりによってしか生み出せない価値があることに気づかされました。お金を動かすだけではなく、社会的価値創造の取り組みによって、あらゆる面で人々の生活を支えることができる、人々の幸せに貢献できるということが銀行の魅力であると考えさせられました。(須藤)