안녕하세요! 現代教養学科3年の戸澤 愛美です。
今回は、国際社会調査研修2日目(8月26日)の研修内容についてご紹介します。
2日目は、植民地関連史跡・施設調査と淑明女子大学校との交流会を中心に、さまざまな場所を訪れました。歴史や文化に触れ、交流を深めることができた、充実した一日となりました。
★前回の投稿は こちら からご覧ください!
植民地関連史跡・施設調査
韓国に来てから初めての朝を迎え、ガイドの金旭先生と合流し、植民地関連史跡・施設調査を始めました。
まずは、明洞(旧京城本町)の開化期・植民地期の建物探訪として、「明洞聖堂」を訪れました。
明洞という韓国を代表する繁華街の中に、突如現れる聖堂の姿から、荘厳な雰囲気を感じました。実際に私たちも聖堂内に入ることができ、現代においても多くの礼拝者が集まる聖堂であることを身を持って感じました。聖堂内では、大きなステンドグラスから光が差し込む様子が印象的でした。
続いては、「明洞芸術劇場(旧明治座)」、「韓国貨幣博物館(旧朝鮮銀行)」、「新世界百貨店本店(旧京城三越百貨店)」を回り、建物そのものの歴史や、周りの土地を取り巻く歴史の移り変わりについて視察しました。
明洞芸術劇場は、日本が韓国を統治していた1936年に開館し、現在も当時の姿と変わらない外観で残っています。明洞聖堂から明洞芸術劇場に向かうまでの道では、有名な韓国ブランドのショップがあったり、韓国アイドルの大きなポスターがお店の外観に貼られていたりと、明洞の賑わいが感じられました。そんな中に建てられている明洞芸術劇場からは、圧倒的な存在感と、劇場としての重厚感を非常に感じました。
韓国貨幣博物館も、当時のままの外観を見ることができ、この博物館の向かい側に新世界百貨店本店が位置していることから、その立地の歴史的な意味も考えさせられました。同じ場所で現代と昔を見比べてみて、過去の出来事が現在にも大きな影響を与えていることを体感することができました。
その後、「ウェスティン朝鮮ホテル(旧朝鮮ホテル)」前を通り、当ホテルの敷地内にあるファングダン(圜丘壇)を見学しました。
ウェスティン朝鮮ホテルは、1914年に迎賓館機能を兼ね備えた韓国発の西洋式ホテルとして開業しました。今では、韓国を代表する高級ホテルとして知られています。ホテルの前を通っただけでも、外観やドアマンの方の姿やホテル前に止められていた車から、その高級感を感じることができました。
ファングダンは、かつて大韓帝国皇帝の祭天儀式が行われた場所です。今ではパワースポットとしても有名だそうで、私たち学生はその場の空気を沢山吸い込むことで運気を浴びようと必死でした(笑)
休憩前最後の目的地として、「ソウル支庁図書館(旧京城府庁)」を訪れました。
私たちが訪れたのが8月中だったこともあり、図書館の正面には「大韓獨(独)立」と書かれた安重根(アンジュングン/朝鮮総督府初代統監だった伊藤博文を暗殺した人物)の「団地同盟血書太極旗」が貼られていました。
この太極旗(韓国の国旗)は、多くのソウル市内の建物がモザイク状に組み合わさることで構成されています。日本人である私たちが、自分たちの目でこの太極旗を見ることができただけでも、この図書館に来た意味があると感じました。
その後休憩時間が設けられ、「コーヒービーン」という韓国のコーヒーチェーン店に入りました。これまで汗だくで施設を回っていた私たちにとって、寒いくらいに涼しい店内はまるでオアシスのようでした!
韓国語と英語のみ表示されるセルフレジから何とか商品の特徴を捉え、班ごとに注文し、美味しく楽しい時間でリフレッシュできました。
大韓民国歴史博物館・戦争記念館を訪問
カフェを後にし、「光化門広場」を通りながら「大韓民国歴史博物館」に向かいました。
広場には、ハングルを創製した世宗大王の銅像が建てられており、その銅像にはハングルを構成する記号が彫られていたことが印象的でした。
大韓民国博物館は、韓国初の国立近現代史博物館として開館し、韓国の歴史について総合的に知ることができる施設です。
特に印象に残っている展示は、韓国の独立運動やハングルを守ってきた人々の言葉が重なって書かれている壁(下の写真)です。見た瞬間のインパクトが強く、最初は何が書かれているのかも分からない状態でしたが、衝撃のあまり鳥肌が立ちました。2018年の国連総会で韓国アイドルのBTSがスピーチした言葉も書かれており、過去から現代に繋がる韓国の変遷を1枚の壁から感じることができました。
博物館を出た後は、昼食を食べに「平家屋」を訪れました。
ここでは、韓国国内でも珍しい「平壌冷麺」を食べることができました!
「平壌冷麺」とは、その名の通り北朝鮮の首都「平壌」を発祥とする、北朝鮮スタイルの冷麺のことです。一般的な韓国の冷麺とは異なり、麺はそば粉を使用しているため灰色で、スープはかなり薄味に感じました。韓国の冷麺よりも、さっぱりと食べられることが特徴であるように思います。キムチと一緒に食べると、辛味も増して更に美味しく食べることができました!
この後に、韓国の学生に平壌冷麺を食べてきたことを話すと、韓国の学生でも食べたことがない人が多かったため、貴重な経験ができたことを実感しました。
昼食を終えると、日が高くなり日差しも強まってきました。
そんな中、ソウル市内を流れる河川「清渓川」を散策しました。川のすぐ横に歩道があり、端が見えないほど長い道が作られていました。韓国の学生曰く、清渓川はカップルの定番デートスポットでもあるそう。(笑)
日差しが強く大変暑い中の散策でしたが、川のお陰で非常に涼しげな気持ちで歩きました。研修前の授業で清渓川の復元事業について学んでいたこともあり、実際に見ることができて嬉しく思いました。自然豊かで落ち着いた雰囲気を存分に味わいました♪
その後は地下鉄に乗って、「戦争記念館」を訪れました。
記念館の中に入る前から、屋外に展示されている兵士の銅像や戦死者の名前が刻まれた壁を見て、身が引き締まる思いを抱きながら館内へと進みました。
戦争記念館は、主に朝鮮戦争に関する展示を行っています。戦闘機の模型や兵士の人形も置かれ、照明や音響によってリアルな戦場を再現しているブースもありました。
館内は写真撮影OKだと聞いていたのですが、私自身、自然と展示物に見入っていました。写真をあまり撮らずに、個人で思考を巡らす時間を過ごせたように思います。日本人として、日本の過去についても改めて考えさせられる機会になりました。
淑明女子大学校の皆さんとの交流
記念館を出た後は、地下鉄とバスでの移動を経て、「淑明女子大学校」に向かいました。
大学の敷地内についてからも校内の坂道が非常に険しく、最後の力を振り絞って教室に向かいました(汗)
やっとの思いで教室に着くと、淑明女子大学 日本学科の学生の皆さんが出迎えてくださいました!グループごとに着席した後に、まずは昭和女子大学 現代教養学科がどのような学科なのか、今回の社会調査研修の目的を説明し、言語交流へと移りました。
今回設定したテーマは「日本と韓国の女子大学の現状を比較してみよう」というもの。お互いの大学の共通点である「女子大学」をテーマの中心として、ディスカッションをしました。
ディスカッションをしてみて、女子大学に通う学生という共通点がありながらも感じることはさまざまで、国や大学によって共通点と相違点があることがわかりました。
①最近は女子大の数が減少傾向にあるが、女子大の必要性を身を持って感じていること ②女子大という環境は女子学生にとってのびのびと自由に勉強できる環境であること などは、お互いの共通認識でした。
一方で、日本の女子大は就職に強いイメージがありますが、韓国では女子大出身者は共学出身者よりも就職活動が難化するケースが多いそうです。
淑明女子大学の皆さんとは、研修前にZOOMでのオンライン言語交流も実施していたので、画面越しに話していた学生の皆さんと顔を合わせて話すことができて非常に嬉しかったです。
ディスカッション終了後は、淑明女子大学の皆さんと一緒にサムギョプサルを食べました。
ディスカッションでの楽しい雰囲気はそのままに、みんなで食べるお肉の味は格別でした!鉄板を囲んで、淑明女子大学の皆さんに美味しい食べ方を教えてもらいながら、お互いの趣味や日韓の恋愛観の違いまで(笑)さまざまな話ができて、非常に楽しいひと時を過ごすことができました♪
お互いの連絡先も交換し、研修後のオンライン言語交流も予定されているので、この日限りの関係性にならないように、今後も貴重なご縁として関係を築いていきたいと思っています。
淑明女子大学 日本学科の皆さん、本当にありがとうございました!정말 감사합니다!
この日を振り返って、たくさん歩いて非常に多くの情報を吸収し、大変有意義な1日であったと感じます。
植民地関連の史跡や施設を回ることで、日本人としての貴重な体験もできました。淑明女子大学校の皆さんとの交流を経て、女子大学に通う学生としての考えも深めることができました。
この日に学んだことや感じたことを忘れないようにするためにも、今後の事後学習に力を入れていきたいと思います!
記事:3年 戸澤 愛美