女性文化研究所第120回研究会を開催しました

1月26日(火)、女性文化研究所第120回研究会が「八代集の梅香詠―春部の“恋歌”を中心に―」と題とする胡秀敏准教授(昭和女子大学日本語日本文学科)による発表のもとに、大学1号館2階会議室に於いて開催されました。

胡先生は、梅香を人事に関連付けて詠むという点で漢詩・和歌が共有しながら、漢詩は「残り香」に志を託すという方向に展開したが、和歌は梅花に“心で感じ る”香りを聞き、その「移り香」にある種の艶かしさを見出し、梅香と袖の薫香を結びつけ、一つの美的配合にまで昇華させたことを丁寧に述べられ、この美意識は八代集に綿々と詠み継がれ、なかでも後拾遺集、新古今集の春部に梅香を詠み込んだ“恋歌”が収められているところに注目され、撰者たちの配列意図に薫 物文化の影響と物語享受の時代的背景が反映されたことを論じられました。

研究会には教員と多くの学生が出席し、熱心に先生のお話に耳を傾け、発表後も有益な意見交換がなされました。先生ご所持の煉香「梅が香」を見せていただき、参加者は梅の香に直に触れる雅びな機会を持ちました。