2011年10月20日(木)学園本部館第1会議室において第128回定例研究会を開催しました。
国際学科の教授で女性文化研究所所員の川畑由美先生が「『ディアンサがやったこと』‐ギルマンがめざした家事労働の社会化」という題で報告を行いました。まず、ギルマンの略歴に続いて、思想の土壌となったものやそれを支えたものなどが紹介され、20世紀初頭の有名なフェミニストのひとりといわれるギルマンという人物を知ることが出来ました。
続いて『ディアンサがやったこと』では、主人公ディアンサが婚約者のために教師を辞め、他家の召使いとなったことや、彼女が“スーパー召使い”として働くなかで、家内労働の価値や家事労働の経済性についての問題を作業に熟練することや外注・分業することなどにより解決できることを見出し、家事労働をビジネスにすることで経営者として成功していく様子がかいつまんで説明されました。
その後、小説の解釈の問題を含め、熱心に議論が交わされました。
いつの時代も家事労働や仕事に悩み、目の前の問題を解決したいと思う気持ちに変わりはないのだとディアンサに親近感を感じずにはいられませんでした。