2026年1月15日(木)の3時限目に上智大学外国語学部の幡谷則子先生を外部講師としてお招きして特別レクチャーが開かれました。このレクチャーは、昭和女子大学・国際文化研究所内の『コミュニティ・プロジェクト』の一環で企画されました。
レクチャーのテーマは、幡谷先生が編著の研究書『ラテンアメリカの連帯経済 コモン・グッドの再生をめざして』(上智大学出版会、2019年)の内容に基づいて、『 Community developmentに代わるコミュニティの主体的な経済の在り方-連帯経済の可能性』でした。
参加者は教員・学生を含めて約35名でした。レクチャーは講義が75分と質疑応答15分で学生からの質疑も複数あり大変盛況でした。
幡谷先生のレクチャーでは、第1に、ラテンアメリカの歴史的な文脈で使われる「コミュニティ」概念を具体的に解説され、その後、脱開発論など既存の開発論への批判的な議論を端的にお話されました。第2に、連帯経済の定義、その登場の背景、理論的な枠組みが分かりやすく語られました。具体的には、コラッジオの公的・民間資本・民衆の3部門からなる社会的連帯経済論や21世紀のラテンアメリカ由来の「ブエン・ビビール」などの理念が解説されました。第3に、幡谷先生の研究フィールドであるコロンビアの3つの事例を取り上げ、連帯経済がどのように実践されているかをお話されました。これら事例からは、地域の事情や参加者は異なっても各アクターが地元コミュニティに密着して、社会的な協働を模索する中でまさに民衆からの生存手段としての連帯経済の実態が見られました。
総じて、参加した教員・学生にとって、今回のレクチャーでは21世紀の現在、グローバル資本主義と国家との相克から格差・貧困問題や民主政の機能不全が見られる中で、連帯経済は「国家」でもなく「市場」でもない、第三の「公共(市民社会)」領域からの社会的実践の試みを学ぶ機会となりました。また同時に、連帯経済は経済的な弱者の生存戦術としての小さな試みであるが「もう一つの世界は可能だ」という事例の意義を再認識しました。