国際文化研究所

 昭和女子大学大学院の付置研究所である国際文化研究所は、1992年5月に設置されました。その目的は、1.日本を含む世界各地の文化を国際的視座から研究すること、2.研究者の国際連携のもとに研究すること、3.内外の文化保存と創造に寄与することです。  現在、国際文化研究所の構成部門は、コミュニケーション・建築都市・服飾・食生活・歴史文化・考古学の6部門で、研究所のプロジェクトとして、部門間の連携課題や単独の課題(プロジェクト)に取り組んでいます。中でも特筆すべきは、この30年間の積極的な学術成果「ベトナムの町並み保存支援と文化財保存協力活動」が、「日本イコモス賞2021」として顕彰されたことです。これは、研究所の紀要創刊号(1994年)で、「ベトナム・ホイアン特集」で始められているように、ベトナム文化遺産の保存の国際協力、建築・生活調査、歴史・考古学調査など主要な課題であった成果です。これは、2023年秋に開催予定の「世界遺産ホイアン・日本橋展」(光葉博物館)で、文化財保存や交流の懸け橋等も紹介してまいります。  上記部門の研究フィールドとして展開されているのは、モンゴル、東南アジア、西アジア、太平洋地域などです。  研究所の設立から30周年を迎えた2022年度からは、研究成果のデジタルアーカイブ化を進め、地理情報システムを活用して、内外への発信を始めています。グローバルなフィールドでの研究活動が一層期待されます。  このような研究活動を推進するためのステイクホルダーとともに、学生にもグローバルな文化理解の場を拡げます。

国際文化研究所所長      志摩 園子