『辞書になった男―ケンボー先生と山田先生』

佐々木健一著『辞書になった男―ケンボー先生と山田先生』文藝春秋 2014.2
813.1/Sas 3F開架室

たとえば、動物園について「(前略)狭い空間での生活を余儀なくし、飼い殺しにする、人間中心の施設」というユニークな語釈をしたことで有名になった『新明解国語辞典』。
145万もの使用例を基にして簡潔な語釈に特徴のある『三省堂国語辞典』。
両者はともに三省堂が刊行して、ベストセラーとなっている辞典である。

前者の編者山田忠雄、後者を編んだ見坊豪紀(けんぼうひでとし)。
この二人が同門の親友関係から一転して断絶し、それぞれの道を歩んだ過程をたどるドキュメンタリーである。興味深い裏話があふれており、例文から謎解きをする面白さまで見せてくれる。
辞書に興味のある人にはたまらない。(ロマックス)